目を開けたら、そこは…
この作品において登場するものは、フィクションです。現実のものとは一切関係がありません。
残酷な描写や過度な表現はございません。
処女作にあたることと、小説の書き方すらイマイチのため、拙い文章で読みにくさを感じるかもしれません。
(アドバイスがや感想あると助かります)
では、本編をお楽しみください。
何もない人生。
スポーツの才能も、勉強の才能も平凡。
得意な事、好きな事はもちろんある。
だけど、周りを見渡せば、自分より秀でたやつで溢れかえっている。
所詮、誰かの下位互換だ。
1番になんかなれない。
そんなしょうもない人生を送るくらいなら、異世界転生でもしないかな。
アニメとか漫画とか小説とかの主人公になれたらいいな。
エルフの美女とイチャイチャしたいな。
夜、コンビニに寄った帰り道でそんなどうしようもないことを考える。
「ん?」
鋭い光が、目に突き刺さる。
そんな眩しさの後ろで、大きなクラクションが鳴り響く。
そして、視界が真っ暗になった。
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と、俺が覚えているのはここまでだ。
記憶が飛んだ感じはなさそうだ。
なぜ、俺は覚えていることの整理をしているのか。
答えは簡単だ。
それは、目が覚めると見知らぬ草原で横たわっていたからだ。
しかも真っ裸で。
恥ずかしいし、意味がわからないし、恥ずかしいし...
冷静に現状を分析しようと試みる。
が、こんな状況で冷静さが保てるわけがない。
気絶?している間に、追い剥ぎにでもあったのだろうか。
それにしても衣服が必要だ。
「とりあえず、着れそうな何かを探さないと…」
季節は秋に差し掛かっていたこともあり、日中でも寒さが身に染みる。
誰かに服を貸してもらうしかない。
そう思い周囲を確認するが、人はおろか、建物や街らしきものすらない。
くそ、なんでこんなことになった。
思わず愚痴がこぼれそうになる。
地面に突っ伏したくなるが止まっていても仕方ない。
とりあえず先に進むことにした。
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一体どらくらい歩いただろうか。
とうに半日は経っている。
日はすっかり暮れ、辺り一面が闇の中だ。
喉も乾いた。
部活で鍛えた足も、限界が近い。
何より、孤独感や不安で精神的にもかなり疲労が溜まっている。
思ったより人の心は脆いのかもしれない。
頭がぼーっとしてきた。
何も考えたくない。
もう、いっそのこと野垂れ死ぬか。
そう思っていると、前方に光が見えた。
眩い光。
暗闇と同時に心まで照らされた気がした。
人がいるかもしれない。
たったそれだけ。
でも、そう思うとどこからか力が湧き、いつの間にか光に向かって無我夢中で走っていた。
近づいていくと、光だと思っていたものは、キャンプファイヤーの燃え盛る炎であることがわかった。
そして人もいる。
それがわかると、近くの女性にすぐさま話しかけた。
「た、助けてください!!目が覚めたらいつのまにかこんな場所にいて…」
人に会うのが、ひどく久しく感じた。
人に会えた嬉しさや安堵のせいか、思わず涙が溢れかえる。
しゃくりあげてしまい、うまく言葉が出ない。
すると、彼女が振り向く。
「どうされました?」
そう言う彼女の声は優しかった。
やっと話ができる。
と、思ったが彼女の頭の上に何か影が見えた。
「ん?虫か?」
フルフル。
彼女の頭の上で何か揺れている。
話の最中だったが、気になって仕方なくなってしまった。
なんだろうか。
思わず凝視してしまう。
やはり丁度影になっていて、よくわからない。
「何か頭についていますよ?」
彼女は気づいていないのだろうか。
いずれにせよ、この距離だと確認できないな。
手の届く距離まで近づこう。
そして、歩き出し彼女の目の前まで近づく。
「…!!!」
彼女が何かを見て驚いた顔をしたかと思うと、なぜか俯いた。
顔が少し赤くなっている気がする。
恥ずかしがり屋なのだろうか。
それはさておき、手で取ろうと試みる。
フサフサの感触だ。
細かい毛のようなものが付いている。
そして、生肌のように妙に暖かい。
もう少し顔を近づいて見ることにした。
すると、それの正体が分かった。
「ケモ、耳?」
それは、犬や猫といった動物についているような耳だった。
思わず口が開いてしまう。
人間にケモ耳がついているではないか!
「再現度高すぎだろ…すげえ」
思わず声が出てしまう。
最近のコスプレはここまで進化しているんだなぁ。
自分で言うのはなんだが、えらくオッサンじみた感想が出てしまう。
俺、これでも19歳なんだけどな。
ここで、ようやく彼女が小刻みに震えていることに気がつく。
「す、すみません!完成度高すぎてつい!」
当たり前だ。
いきなり知らん奴に衣装触られたら怒るのが普通だ。
すると彼女は大きく息をすった、次の瞬間。
「キャー!!!!」
叫び声が、辺り一帯に響き渡る。
「ご、ごめんなさい!そんなに嫌なことだったとは思わなくて、その…」
そんなにダメなことをしてしまったのか。
とにかく謝り倒す。
「すみません!本当にすみません!!」
叫び声を聞きつけ、周囲やテントから武器を持った人が集まって来た。
そして、彼らは俺を見るとすぐさま駆け寄って来た。
2mはあるかというような屈強な男たちが、円形になり、武器を俺に向かって構える。
「動くなよ、この変質者が!動いたらブチ殺すぞ!」
え、変質者?
いや、俺が変態であることは認めるよ?
ケモ耳大好きだもん。
でも、殺される筋合いはないぞ!?
そう思っていたが、彼らの言葉でようやく理解した。
「この露出魔が!」
あっ。
俺、裸やん。
全面的に俺が悪いやん。
いつの間にか、服を手に入れることと人に会うことの優先順位が逆になっていた。
ツー。
不意に涙がこぼれ落ちる。
これまでで1番純粋で美しい涙だったと思う。
はぁ、終わったわ。
人生の終わりを実感しながら、俺は両手を拘束されて牢屋にぶち込まれた。
「最悪だ」
最後に、手紙でも認めたい気持ちだ。
拝啓
お父さん、お母さん、本当にごめんなさい。
あなたたちの息子は罪を犯してしまいました。
よりによって、露出です。
「こんな大人にはなりたくない」と語り合っていた、露出魔です。
本当にごめんなさい。
息子より
正直、死にたい。
くそくらえだ。
もう踏んだり蹴ったりすぎるよ、俺の人生。
一話の最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
小説に関しての知識はほぼ0で、とにかく頭に浮かんだまま表現しているため拙い箇所が多くあると思いますが、温かく見守っていただけると幸いです。ガッツリ書きたい感じでもないので、更新は不定期になりそうです。よかったら、また読んで頂けると嬉しいです。では、また次回お会いしましょう。




