【まったり解説】誰も勝てない!? ヴォルヴァドスの凶級レイドボスが強すぎた!!
完全にその場のノリで書いた。後悔はしてない。
「まったりレンちゃんだぞ」
「まったりマリルだ。……はぁ」
「どうしたマリル? 何かあったのか?」
「いやな、最近ヴォルヴァドスでのレベルが100を超えてな。強くなったのはいいのだが、適当なクエストのレイドボスとの戦いすらあっさり勝ててしまって味気がないのさ」
「なるほど。マリルは強い敵と戦ってみたいんだな? それなら〝凶級レイドボス〟に挑んでみることをオススメするぜ」
「凶級? なんだそれは?」
「所謂レイドボスと呼ばれる魔物たちの中でも、別格とされる怪物たちの通称だ。これまでに8体が確認されているんだぜ」
「成る程、それは戦い甲斐ががりそうだな」
「今日の動画はそんな【凶級レイドボス】たちについて解説していくぜ。
それじゃあ早速……」
「「まったりしていってね!!!」」
*
「一体目はこいつ! 【破戒の要塞亀】!
最後に確認された時点でのレベルは254の〝凶級〟レイドボスだぜ!」
「レベル254!? さすがに強すぎはしないか?」
「これでも今回紹介する中では1番レベルが低いんだぜ。
【凶級レイドボス】は軒並みレベル200超のバケモノたちなんだ。生半可な装備やレベルじゃあっさり返り討ちにされること間違いないんだぜ」
「とんでもないのだな、凶級レイドボスとは」
「【破戒の要塞亀】はブゲナ山脈を縄張りとするレイドボスで、その名の通り超巨大な亀の魔物なんだぜ。その甲羅は最上位プレイヤーたちの総攻撃を受けても傷ひとつつかないほど頑丈なんだ。
見た目通り鈍重ではあるんだが、大地を自身の意のままに操る技能で縄張りを要塞のように固めているんだ。そのためにそもそも接近することも困難なんだぜ。ブゲナ山脈はこいつの力で作られた地域なんだ。
それ故、現在に至るまで未討伐。とてつもない怪物なんだぜ」
「いきなり規模が違いすぎるな……」
「マリルは自分が強くなったと思っているようだが、ヴォルヴァドスにはまだまだ上がたくさんいるんだぜ」
「そのようだな」
「そんじゃ2体目の紹介いってみよー!
2体目は【蒼天の彗恵龍】だ!
レベル256で、巨大な青い龍なんだぜ。こいつに関してはあまり詳しいことは分かってないんだ」
「そうなのか。詳細がわからないのには何か理由があるのか?」
「あるぜ。生息している場所が遥か上空にいるからなんだ。その上、常に高速で移動しているから目撃例も少ないんだぜ」
「だがレベルや呼称名があるという事は、誰かしらが間近で見たことがあるって事だな?」
「その通り。蒼天の彗恵龍は過去に数度地表付近に降りてきた事があるんだ。その時は地表で大雨が降り、その後その土地は肥沃な大地へと生まれ変わったんだぜ」
「彗〝恵〟龍って訳だな。倒さない方がよさそうだ」
「そうだな。レイドボスと言っても積極的に害を与えてくる個体はそういないんだ。彼らを狩るのは俺たちプレイヤーのエゴに他ならないのを常に胸にしまっておきたいぜ」
「ゲームと言えど、彼らにも心がある……。それを常々忘れないよう努めたいものだな」
「3体目は【焔天の極楽鳥】だ。
レベルは268、今回紹介するレイドボスの中で唯一討伐済みなんだぜ」
「討伐できたプレイヤーがいたのか。そいつは人間をやめているな」
「焔天の極楽鳥は、大きな火の鳥だな。常に凄まじい高温を纏っていて、近づくには最低でも炎熱耐性Lv7は欲しい所だ。ホムラカルデラの中心の火口を住処としていたんだぜ。
戦闘時には更に高温の辺り一帯を灰燼に帰すような炎を常時纏っていたんだ。前述の耐性が無意味になるほどの炎で、ただの体当たりですら山をも消し飛ばす爆発力があったんだぜ」
「本当によく倒せたな」
「討伐したのは有名配信者なんだ。焔天の極楽鳥の巣には当時、卵があったんだ。その配信者は気づかれないよう卵を盗み、それを盾にして極楽鳥を倒したんだ。それでもギリギリの戦いだったみたいだぜ」
「なんと言うか……胸糞が悪いな」
「ああ。正直人の心とかないんか?って思ったな。
その後はその卵が討伐報酬の【朱雀の禍珠】へと変化し、解放すると極楽鳥の形をした炎が周囲を焼き尽くすマップ兵器になったんだぜ」
「恨みの炎って訳か……。複雑だな」
「……次は4体目の【無機獣神零式】だ。レベルは269。
こいつは生物というより、ゴーレムのような機械だな。マニアにはたまらないメカニックな姿の魔物なんだぜ」
「ここに来てメカか。世界観どうなってるんだ」
「生息地はユルタ砂漠。あそこで大量に徘徊している無機獣どもの親玉だな。零式は移動速度が非常に高く、索敵範囲も10kmはあるんだ。おまけに超遠距離から追尾性のある魔導砲を秒間何十発も精密に撃ってくるんだぜ」
「近づきようがないな……」
「他にも無機獣たちを操ったり、超強力な結界を構築したり、砂の中を高速で泳いだりもできるんだ。しかも機械の癖に自己修復機能まで搭載されてる。バケモノなんだぜ」
「ユルタ砂漠には近づきたくないな……」
「5体目は最近人気のかわいい獣っ娘、【墓守の白獣姫】だ。レベルは277だな」
「聞いたことがあるぞ。公式から討伐クエストが発注されたらしいな」
「住処は〝魔境〟と呼ばれるヴェルノード大森林の奥にある、奇妙な屋敷なんだぜ。
見た目は白い虎の獣人の女の子で、もふもふしてて可愛いんだ。
性格は極めて温厚で会話もできる。積極的に敵対しなければ、屋敷でお菓子と紅茶を振る舞われて帰されたって話もあるくらいなんだぜ」
「ただのいい子じゃないか。私は彼女を討伐したくはないな」
「……だが腕試しに彼女に挑む者は数多くいたんだ。クエストが出される前にも掲示板で話題になっていて、その頃から彼女に敵対するプレイヤーは多かったみたいだな」
「可哀想だな……」
「他のレイドボスの例に漏れず、敵対者には容赦しないんだ。戦闘はその圧倒的なフィジカルと氷と雷の魔法を織り混ぜた力で真正面からプレイヤーたちをねじ伏せるんだ」
「かわいくて強いのか。それは素晴らしいな。1度会ってお菓子を振る舞われたいものだ」
「だがな……。先日、前述の【焔天の極楽鳥】を討伐した配信者プレイヤーが、彼女を瀕死になるまで追い詰めたんだ」
「なんだって?! それじゃあ彼女は討伐されてしまったのか?」
「……マリル。彼女の呼称名にある【墓守】が、何を意味していたかわかるか?」
「いや……。誰かの墓を守ってたというのか?」
「そうなんだぜ。彼女が追い詰められたその時、奇跡が起きたんだ」
「奇跡だと?」
「……6体目のレイドボス【無貌の吸血姫】。
レベルは283。最も新しく確認されたレイドボスなんだぜ。
彼女は銀髪で小柄ながら極めて高位の吸血鬼だ。
【墓守の白獣姫】が討伐されそうになったその時、【無貌の吸血姫】が何処からか現れて彼女を救ったんだ」
「よ、良かったぁ……。それで二人の関係は何なんだ?」
「配信中の二人の発言からするに、どうやら彼女らは主従関係にあったみたいなんだ。吸血姫が主で白獣が従者だな。
ここからは推測だが、白獣姫は死んでしまった吸血姫の墓をずっと守ってきたんじゃないかと思うぜ」
「白獣姫のために甦ったのか。吸血鬼という生死の曖昧な種族とはいえ、泣かせる話だな……」
「その後二人は連携して配信者とその仲間パーティを退けたんだぜ。ちなみに白獣姫を師匠と呼ぶ謎の少年もいたが、こっちの詳細は全く不明だ」
「何はともあれ白獣姫が無事そうで本当に良かったな」
「いや、そうとも言い切れないんだ……」
「え?」
「その配信者は、最後っ屁とばかりに焔天の極楽鳥の討伐報酬である【朱雀の禍珠】を解放したんだ。その後二人が無事かどうかはわからないんだぜ……」
「なんと……。どうか生きて幸せに暮らしていてくれ……」
*
「残りは2体。これから紹介する2体は凶級の中でも更に別格の存在なんだぜ」
「レベル200超えの時点で途方もないのに、更に上がいるのか……恐ろしいな」
「7体目は【空虚なる道化】だ。そのレベルは驚異の458!」
「458!? 他のレイドボスより200近くもレベルが上ではないか」
「【空虚なる道化】は呼称名とレベル以外の詳細が不明なんだ。一応子供のような体躯の道化の姿をしていて、こいつも会話が可能なんだ」
「ピエロ……魔物ではないのかもな」
「道化は神出鬼没で、目撃例はヴォルヴァドスの世界の全域……ダンジョンの最深部にまで及ぶんだ。
姿を現した時には意味ありげな台詞を残し消える事から、ヴォルヴァドスの世界観の中枢に関わる存在だと言われているぜ。今現在交戦したことのあるプレイヤーはおらず、戦闘能力は未知数なんだぜ」
「不気味だな……」
「さて、次で最後のレイドボスの紹介なんだぜ。
実は8体目は、その正式な呼称すら明らかになっていないんだ」
「なんだと? どういう事だ?」
「8体目は通称【黄龍】。レベルは571とされているんだ。プレイヤー含めこれまでに確認された存在の中で最も高いレベルの持ち主なんだぜ。
目撃例はたったの1件。ヴェルノード大森林の上空を泳ぐように飛んでいたという金色の巨龍らしいぜ。
目撃したプレイヤーいわく、レベルを除く全ての情報が閲覧不可と表示されていたらしいんだ」
「それは……でっちあげなのではないか?」
「かもしれないな。だから黄龍はレイドボスというより、未確認生物に近い扱いなんだぜ。
だがその高レベルさと、ヴォルヴァドスの世界各所に残る『龍王』伝説との関連性から、レイドボスとしてカウントしたんだぜ」
「『龍王伝説』についての動画は概要欄から飛べるぞ」
「さて……今回は凶級レイドボス8体を紹介した訳だが、どうだった?」
「なかなかに面白い話だったが、どのレイドボスも今の私では手も足も出ないだろうな。ひとまず墓守の白獣姫ちゃんに会ってみたいな」
「すっかりファンになったみたいだな。実は俺もなんだぜ。白獣姫ちゃん、無事だといいな」
「ああ、本当に無事であってほしいと祈ってるよ」
「さて、今回もここまでご視聴いただきありがとうなんだぜ!」
「この動画が良いと思っていただけたら、高評価とチャンネル登録を忘れずによろしく頼む」
「それじゃあ次回の動画でまたお会いしましょうなんだぜ! またなー!!!」
この動画が面白いと思っていただけたら星評価とブクマをよろしくなんだぜ。




