第1話〜悲劇の始まり……?〜
僕は昨日、人を殺めた
「はぁ、はぁ、なんなの!?本当!!子供の体力尊敬するわ……」
「ねぇねぇ、おばさん!もっと遊んでよ!」
「そうだよ!まだまだ全然遊べるよ!」
今僕の目の前には、子供が10人ほどたっている。
何故こんなことになったかと言うと、話は少し遡る。
2時間前……
「はぁ、やっぱり学校は疲れるわ……数ヶ月も行ってないと、行くだけで疲れるわ……やめたやめた!もう帰ろ!」
僕は今高校生で、絶賛不登校中だ。
何故だろう。ふと僕の目に公園が写った。
「公園なんて久しぶりだなぁ〜。小学生以来じゃん。」
何故か僕は公園に惹かれるように、歩いていった。
そこには、小学生ぐらいの子供が10人ほど立っていた。
「何してるんだろう?」
そう口にすると、僕はその子供達に近づいて行った。
「ねぇ、何してるの?」
そう声をかけると、子供達の中の1人がこう答えた。
「なんでもないよ。ただ、カラスが死んでただけ。」
子供達の見ている方向を見ると、銃で身体を撃ち抜かれたように穴が空いているカラスがいた……
「うわぁぁぁぁ!!!なんでこんな死に方……!」
僕は驚き、震えていると声をかけてきた子供がいた
「この公園では、良くあることだよ……?」
子供達は、カラスの死体を見ても平然としていたが、普通の人が見たら嘔吐するぐらいだ。なんせ、内蔵が飛び出ているのだから。
「これが普通なの……?ありえない……いや、僕が家から出ていなかった時に、これが普通になってしまったのか……?」
「おばさん、大丈夫?気分が悪そうだけど……」
僕がその光景を見て、少し気持ちが悪くなっていたのに気づいたのだろう。
「うん。ちょっとね……っていうか、誰がおばさんじゃい!」
おばさんという言葉を聞いて、気持ち悪さがふったとんでしまった。
「まだ、ピチピチの高校生じゃい!」
「うわぁ〜!おばさんが怒ったぁ〜!!」
子供たちは、キャッキャッと走って逃げていく。
そして、さっきの場面に繋がる。
「もぉ〜!本当におばさんじゃないんだって〜!」
はぁはぁ、と息を切らしながら、できるだけ大きい声で言う
「でも、おばさんじゃん!」
「確かに、君たちから見たらおばさんかもしれないけどさ……」
「ねぇ、何してるの?」
「え?」
振り向くと、そこには友達が1人ポツンと立っていた。
「あっ、美紀〜!久しぶり〜!」
そう言いながら手を振ると、美紀は少し怖い顔で話しかけてきた。
「誰と喋ってたの……?」
「え?誰って、ほら、ここにいる子供達と……」
そう言いながら指を指した方に振り向くと、そこに子供の姿は無く、カラスの死体が10匹ほど落ちているだけだった。
「何言ってるの?しかも、カラスの死体があるなんて……」
「あれ?でも、さっきまで本当に子供がいたんだよ?ほら、子供って気まぐれだからさ。どっかに走っていったんだよ。きっと。」
「僕、さっきから見てたけど、ずっと君はカラスの死体に話しかけてたよ?」
「え……?」
僕は驚きが隠せなかった。さっきの子供たちはどこに行ったのか。このカラスの死体の山は、なんなのか。
僕には検討もつかなかった。
「危なかった……」
そういうと、美紀は「早く!こっち!」と僕に声をかけた。僕は、美紀の支持に従い、ついて行った。
「また話は聞くから、もう家に帰って寝な?疲れてるんじゃない?」
「そうなのかな。うん。きっとそうなんだろう。もう家に帰るね。」
「久しぶりに家から出たからって、浮かれてたんじゃない?はしゃぎすぎは良くないよ。」
「うん。じゃあね。また、明日会おうね。」
僕はそういうと、急いで家に帰った。
「本当に、なんだったんだろう?ちょっと怖いなぁ。気になって眠れないや。」
普通ならありえない出来事に少し怖がりつつ、気になって眠れなかった。
「まぁいいや!また今度確認しに行こう。」
そう口にすると、本の数秒で眠りについた……
コッケコッコー!!クエックエッ!!
ケータイのアラーム音が、部屋に響き渡る
「う〜ん。もう朝ぁ……?もう少し寝させてよぉ。はぁ。今日は学校に行こう。」
そう口にすると、ベットから起き上がり、学校に行く準備をし始める。
「今日こそは行けるよね……?大丈夫。もう、あいつらは居ないんだ……」
時計を見ると、学校に行く時間になっていた。
「ヤバい!もう行かないと……!でも、今日はやっぱりやめておこうかな……いや、ダメだ。このままだと、僕は一向に成長しない……!よしっ、行くぞ〜!」
ガチャ
そう叫びながら、勢いよくドアを開けると、そこには美紀がいた
「えっと…おはよう……?」
叫んでいたことが美紀にバレ、恥ずかしくなりながら
「あっ……おはよう……」
と、口にする
「今日は、学校に行くの?」
「うん。今日こそは行こうと思って。」
拳を握りしめながらそういうと、
「毎日言ってるじゃん。それ。」
と、少し笑いながら答える
「えへへ。まぁ、そうなんだけどね。」
「じゃあ、行こうか。」
「うん、」
そう言って少し歩いていると、昨日の公園を見つけた。
「あっ……昨日の公園……」
そうつぶやくと、美紀は聞こえていなかったかのように話題を変えた。
「そういえばさ、同じクラスの田中が転校したんだよ。」
「へぇ〜。田中とはあまり話したこと無かったから、あんまり何も感じないなぁ。」
「それでさ、転校生も来たんだよ!」
転校生という言葉に反応し、即座に美紀の方を見る
「それがさ、その転校生の名前も田中なんだよ!」
「え!?そんなことってあるの!?でも、田中ってけっこうある苗字だし、普通にありそう……」
「あっ!学校、見えてきたよ。」
美紀は、そう言いながら学校の方に指を指していた
「っ……」
昨日も見たが、やはり学校はまだ苦手だ。見るだけで、あの時の記憶が蘇ってくる……
「大丈夫?今日はやめとく?」
「うん。ごめん。僕帰るよ……本当にごめんね。」
そう言いながら、僕は走って家に帰った。