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5 冒険者ギルドにて

キシリクリスタルのミルクミント味美味しいですよね。


それだけです。


( ˘꒳˘)


あの後、エレノアさんに触られそうになりつつもそれを回避した。

不満げな顔でこちらを睨んできたエレノアさんだが、こちらのギルドはどこか、という質問にはきちんと答えてくれた。


一応このゲームは性別はリアルと同じになる(らしい)とはいえ、そこまで親密な関係では無いので今後とも触らせはしない。


……触られる前提なのおかしくない?


それはさておき。


どうやらギルドは最初に転移してきた初期リスポーン?地点という所から真っ直ぐ、本当に真っ直ぐ進むだけで良かったらしい。

しかも看板も実はあったらしく、あの時興奮により少々視界が狭まっていた私には見つけることが出来なかった。


「とりあえず真っ直ぐ行ってみようかな」


てくてく歩いていると、右の方面からいい匂いが漂ってきた。


ふらふらー、とそっちに……。


……はっ!いけないいけない、今はギルドに集中しなきゃ。


暫く、と言っても1、2分程度だが歩いていると大きな建物が見えてきた。

その建物にはでかでかと『冒険者ギルド』と書いてあった。

遠目でもわかるじゃん。


あの時の私、何してるんだ……。


とりあえず中に入ってみ……た瞬間、物凄い大きな喧騒が耳に飛び込んできた。


「えっ!?い、一体何が起こってるの!?」


「お、嬢ちゃん。新米か?」


「は、はい」


「ならよく覚えておきな。あの2人はな、このゲームでもトップクラスの実力を持つプレイヤーなんだ」


「はぇー、すごい人なんですね」


このゲームで強いプレイヤーはあったことは無いが、ななちゃんぐらいしか知らない。


「あの言い争いをしている男女2人はな、ベータテスト時からどちらが強いかで争ってるんだ。凝りもせず毎日のようにギルドで言い争っては決着をつけるためにクエストに行っては勝ち、行っては負けを繰り返して毎回毎回引き分けで終わるんだ。」


優しいおじさんから2人の情報を教えてもらった。

おじさんに礼を言って、ギルドの受付へと向かう。

すると、言い争っていた声が止まっていたことに気がついた。


先程まで言い争っていた男女の方を振り向くと……。


ーーー少女の方が突っ込んできて。


「えぇ!?」


ガァンッ!!という大きな音とともに。


地べたへと這いつくばった。

目の前には『セクシャルガード』と表示されていた。


「だ、誰ですか急に……」


「ひ、ひなちゃん……いたい……」


「へっ?ど、どうして私の名前を?」


突っ込んできた時の恐怖と、名前を知らない人に知られていたという恐怖で心臓がばくばくします。

すると目の前の少女がプルプル震え始めて。


「酷いよ、ひなちゃん。私だよ、菜々美だよ!」


……え?

ななちゃん……?


「か、変えすぎじゃない?」


「逆にひなちゃん、変えなすぎじゃない?」


私よりも小さいはずの身長も私よりも少し大きく、髪色も水色。

あと気になるのは……。


「胸……盛った?」


「だまらっしゃぁぁぁぁい!!」


ガァンッ!!


『セクシャルガード』が表示された。


「あ、ごめんななちゃん」


「ぴえん……」


『チュートリアルクエストを達成しました!!』


空気を読まず、目の前にはクエスト達成の文字が。


……その後フレンド交換をして、抱きつかれた。


・ーーーーー・


「いやー、こんなに早くもひなちゃんと出会えるとは思ってなかったよ」


「私もだよ。……ななちゃんて、そんなに有名人なの?」


さっきからもずっと、ちらちらと周りがこちらを見てくる。


「いや、多分私じゃなくてひなちゃんのことを見てるんだよ」


「なんで?」


「可愛いからに決まってんじゃん!!!!」


ガバッ!!と勢いよく立ちあがり椅子の上に乗り、


「おいお前ら!!ここにいる『ヒナ』は私の嫁だから手を出すなよ!?」


と、威嚇し始めた。


「嫁じゃないよ」


「嫁です!!」


恥ずかしい。


「……、とりあえず私さ。何かチュートリアルクエスト?でギルド向かえーって言われてるんだよね」


「うんうん」


「そしたらさ、次から何も表示されなくなったんだよね」


「このゲームはギルド着いたら後は自由だよ」


「え?」


「ライオンの親子みたいなもんよ」


……初心者に厳しくないですかね?





進行遅い、動物はどうしたタイトル詐欺が!!


( ´ᾥ` )


( ˘꒳˘)

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