閑話 エイプリルフールを全力で楽しむ陽菜さん
エイプリルフールですね。
実は私、指が20本あるんです。
しょーもな。
あ、あと。
陽菜達の世界では4月1日から学校が始まるという新設定をこれのために後付けしておきました(*^^*)
しゃーなし。
( ˘꒳˘)
「ふっふっふ……今日は、4月1日始業式の日……そして……!!」
部屋をわざと暗くし、怪しげな表情でにやにやと笑う陽菜。
何やら楽しげな雰囲気を醸し出している陽菜は息を吸い込みこう叫ぶ。
「エイプリルフールの日でもあるのだ!!!!」
エイプリルフール。
四月馬鹿、プワゾン・ダヴリールとも呼ばれる知らない間に定着していたこの行事。
かつては日頃迷惑をかけている相手に手紙を送り、詫びるという日である『不義理の日』と呼ばれていたエイプリルフール。
嘘をついてもいい日というのは地域によって違うが、よく分からないので興味があったら調べてみよう!
……とまぁエイプリルフールに浮かれている陽菜。
登校日であるのに、何かを企てているようで。
「午前に嘘ついて午後にネタばらし!!とりあえずこれで行こうかな!!」
嘘をつく内容が決まったようで、朝食を取り、いつものルーティーンを登校前に終わらせて準備に取り掛かる。
「姉さん……何してるの、って……!?」
「あっ、雄くん!!今ね、エイプリルフールの準備して……」
「ごめんっ!!」
バタン、と大きな音を立てて慌てた様子で部屋を飛び出す雄。
「……?一体どうしたんだろう?」
陽菜は雄がどうして慌てていたのか気づいていないが。
絶賛、着替え中であった。
「ふぅ……ちょっと苦しいけど、そろそろ時間だから行こうかな!!」
いってきますと大きな声を上げて、いつもより(・・・・・)低い声で喋る。
「そろそろ菜々ちゃんが後ろから……」
来る頃だろうと思い後ろを振り返ると。
右手を上げたまま固まって動かない、菜々がいた。
「あれ?菜々ちゃんどうしたの!?」
「……こえひくい、ひなちゃ……どしたの?」
どうやら陽菜の姿に驚いているらしい。
「ふっふっふ……今日は何の日か知ってるかな?」
「え、えいぷりる……」
「そう!!だからね、私……」
一旦後ろを向き、そして菜々のほうを再び振り返り。
「私……あっいや、僕は……本当は男なんだよ!!」
と。
カツラをかぶり。
何故あるのか分からないが男物の制服を身にまとい。
胸が小さくなった。
陽菜~男の姿~が、そう叫んだ。
「……えろい」
「なんで!?」
菜々が最初に口にする言葉がそうだとは思わず焦る陽菜。
「だって、おっぺぇ苦しそうで、顔めっちゃ赤らんでるんだもん!!」
「お、大きい声でそんな事言わないで!!」
苦しいことは否定しない陽菜。
おっぺぇという単語に登校中の男子だけでなく、女子も反応する。
学校で1、2を争う美少女である陽菜。
その彼女が何やら男装をしている。
……注目しない人など居ないだろう。
男子は「何やら目覚めそう」と。
女子は「抱いて!!」と、どストレートに。
注目が集まってきて恥ずかしくなってきたのか。
「な、菜々ちゃん!早く行こう!!」
「いまさら?」
前々から注目を浴びているのだが普段はニブチンだから気づかないのだが今日は何やら気づいたらしく、慌てた様子で学校へと走り出して行った。
「はぁっ……はぁっ……つ、着いた……」
全力で走ったため、疲労困憊な様子の陽菜。
菜々のほうを振り向いてみると、陽菜の後ろを見たまま棒立ちしていた。
「陽菜ちゃん……どんまい」
「……ふぇ?何が?」
ゆっくり後ろを振り返ってみると。
「どうしたの、桜坂さん?」
生徒指導の先生が、立っていた。
「あっ」
「いやー、優等生の君がそんなことをするとはなぁ……東雲さんはともかく、桜坂さんがエイプリルフールでここまで浮かれるとは思ってなかったよ……」
「えっと、その、あの、あれですね、そうです」
「いや、いい……」
肩をぽんっ、と叩き。
「とりあえず生徒指導室、行こうか?」
と、ニコニコ笑顔で親指を立てて、そう言った。
「……」
「陽菜ちゃん、似合ってたよ……」
そうして、生徒指導室にドナドナされていった陽菜は。
生徒指導室から出てきたあとは、女子生徒の制服だったという。
テンション爆上がりで校則をバリバリ無視しようとしてた陽菜。
みんなも休み明け、校則無視したりしないようにね!!
( ˘꒳˘)




