18 暴食3
暴食戦3こ目!!
決着やいかに……
( ˘꒳˘)
『俺ッ様の力の片鱗をォ……見せてやるよォ?』
そう言うとベルゼイブは右足を思い切り後ろに下げ、息を吸い込んだ。
何かが来ると、警戒を強めるヒナ。
『<<悪霊の騒音歌>>ッ!!!!』
「何…?……っあぁッ!!あ、頭がっ……痛い……!!」
ベルゼイブがそう叫んだ瞬間身体に違和感を感じ、その後頭にとてつもない痛みか走った。
頭を鈍器で殴られているかのような痛みが断続的に続く。
痛みで思考が乱されるヒナは、ベルゼイブが何をしたのか分からなかった。
『痛いか?痛いだろう?何せ俺が喰らい負の感情で満ちた悪霊を使った魔法だからなァ!!怨恨で脳が破壊されそうだろォ!?』
「~~~~ッ!!」
痛みに耐えきれずにしゃがみこむヒナ。
『ヒナ様っ!!……『浄化』っ!!』
「……っ、あ、ありがとう……はぁ、はぁっ……ッ!!」
『メンドクセェなァ……神獣がついてンのかよォ……マァでもそれでも痛みは脳裏に焼き付いたみたいだなァ?』
ホーリータイガーがベルゼイブがヒナに取り憑かせたという悪霊を浄化する。
痛みは和らいだもののヒナの頭がその痛みを覚えて……いや、悪霊に『痛み』そのものを刻み込まれたのだろうか、先程よりは痛まないがそれでもなおまだ痛む。
「……『月ふ』……痛ッ!!」
スキル『月踏み』を発動させようとするも痛みが頭に走り、スキルが中断される。
『発動出来なかったのかァ!!オラァ食らえやァ!!!!』
「ひひぃぃぃぃんッ!!」
スキルの発動が失敗した隙をつき、ベルゼイブがヒナに向かってその鋭い牙を突き立てようと走る。
それをシルフがヒナを背中に乗せて回避する。
「……あ、ありがとうシルフ!!」
「ぶるるっ!!」
主のピンチを助けることが出来て嬉しそうなシルフ。
『ンゥゥ……目障りだなァ、クソ飯如きがァ!!!!!!』
「ばひぃぃぃぃんっ……!!」
本気で苛立ったのか先程までヒナのことを弄んでいた頃のような攻撃とは全く違い、目にも止まらぬ素早さでシルフを蹴り飛ばすベルゼイブ。
ヒナとシルフは吹き飛びそのまま壁へと激突。
ベルゼイブの蹴りを直接食らったシルフはHPが9割も削られてしまった。
「し、シルフぅ!!!!大丈……いッ……だ、大丈夫!?」
先程の悪霊の痛みに加えて、シルフが蹴り飛ばされた際に落下して頭を打った、物理的な痛みに耐えてシルフの元へと這いずり寄る。
シルフからの返事はない、どうやら気絶しているようだ。
「ごめんねシルフ……戻ってていいよ……」
シルフを動物園へと送還する。
『あれェ……俺ッ様の餌が消えちまったぜェ……』
落胆するベルゼイブ。
「ガウゥッ!!」
ベルゼイブの隙を付き、俺もいることを忘れてもらっちゃぁ困るぜ!!と言わんばかりに叫んでベルゼイブへと突撃、自慢の爪を振りかざすピースベアー。
『フワァーァ……何か飽きてきたぜ……』
「グゥッ!!ガゥグゥ!!」
何度も何度も爪をベルゼイブに向かって振り下ろすも、あくび混じりに楽々回避するベルゼイブ。
『なんかァ……テンション沈んできたなァ……沈む……沈む……か?』
テンションがだだ下がりなのが見て取れるベルゼイブ。
唐突に踵を返して何処かへと立ち去ろうとする。
『逃げるな!!』
『……はァ?逃げるゥ……?』
ホーリータイガーのセリフに対して、ベルゼイブが嘲笑ったかのように言う。
『飽きたから沈むんだよ……お前ら如きじゃァ腹ァ膨れねェってなァ……』
右手を地面へと向け、何やらゲートのような物を召喚するベルゼイブ。
『まっ、待て!!』
ホーリータイガーがベルゼイブを逃がすまいと駆ける。
『うるせェなァ……<<寝てろ>>』
『ッ!!……私ほどの存在に、眠気を感じさせる……だと……!?』
『だーかーらー……』
『お前ら程度じゃァ、相手にならねーつッてんだヨォ……』
『つまんねーなァ……後で街にでも行ってみるかァ?』
そう言い残し、ベルゼイブは何処かへと消えていった。
残ったのはヒナとホーリータイガーとピースベアーとボロボロになり動物園へと送還したシルフ。
完全敗北だ。
決着つかなかったね……
まだまだ続くよ
( ˘꒳˘)




