14 道のり2
ただいま。
リフレッシュしました。
(ง •̀_•́)ง
( ˘꒳˘)
「華麗なる筋肉の拳!!」
『ピギッ……』
「可憐に揺蕩う筋肉の舞踏!!」
『ギギギィ……』
「3大筋肉奥義・筋肉波動砲!!」
『『『ギュルルルルゥ……!!』』』
謎の技名を叫びながら島の中央にある人工物への道中に出てくる魔物をマッスルビューティが蹴散らしていく。
マッスルビューティの叫んでいる技名、そんなものは存在していなく。
ただ彼のユニーク職業である『拳闘士』のスキルである『拳』と『連続脚』と『波動砲』を打つ際に適当に気に入った名前を叫んでいるだけである。
……しかし何故だか彼の放ったスキルの後にはハートのマークが残るのだ。
これも妖精さんのなせる技なのだろう(?)
「おぉ……マッスルビューティさん強いですね!!」
「うん……あいつはキモイけど、腕は確か」
「見た目もヤバいけど実力もヤバいのね……」
「すげぇな……」
感嘆の声を上げるヒナとナナとナガレ。
マッスルビューティは強かった!!
「……弱い、弱すぎるわ……もっと強い魔物ちゃんを!!」
「あと、結構戦闘狂」
マッスルビューティは周囲にいる魔物を狩り尽くしたのだがそれでもまだ足りないらしく、戦いに飢えたバーサーカーの目をしていた。
「おちつけ筋肉」
「フッ……!?……あらいけない♡私としたことが我を失っていたわ♡」
エレノアさんがマッスルビューティの首元によく分からないスキルを放ち、マッスルビューティを正気に戻す。
何やら手馴れていたのでもしかしたらこのようなことは日常茶飯事のようだ。
「とりあえずマッスルビューティさんが魔物を倒してくれたおかげでサクサク進みましたね!人工物が見えてきましたよ!!」
エレノアとマッスルビューティのやり取りを華麗にスルーするヒナ。
道中魔物に大して邪魔されなかったため時間をかけずにサクサクと進み、目標地点であった謎の人工物がだんだんと近づいてきた。
「……でかいな」
「……美しいわ……でも私の筋肉のほうがッ♡」
神殿のような見た目をしているそれは白く、所々に苔を生やしたりしていたがそれがまた味を出していて周りの木々と映えてまるで元々そこにあったかのような錯覚を感じる。
「……ちょっと待って!!」
「!?」
ナナが何かに気づいた。
エレノアも気づいたらしく、ナナと共に先に進んでいく。
「ナナちゃん、エレノアさん、何があっ……!?」
「これは……」
ナナとエレノアに着いていくとそこには。
大きな穴……溝が。
人工物との間に掘られていた。
「深さは……いや、肉眼では確認出来ないが、水音が聞こえるから下には海水が溜まっているのだろう」
「うーん、どうやって向こうに渡ろう?」
「いやこれ、無理だろ?」
ナガレが無理というのもしょうがない。
なぜならその溝の長さは見た感じ20mを超えているのだ。
いくらステータスが高くとも流石にこの距離は飛ぶことが出来ない。
エレノアの転移も1度行ったことのある場所、もしくは仲間のところにしか転移することが出来ないので無理である。
「一体どうすればいいのかな……?」
「おや、これはこれは……ヒナさんにナナさん、ナガレくんではないですか……」
どうしようかと悩んでいると後ろから声を掛けられた。
何やら聞き覚えのある声だなと思い振り返ると。
「……あっ、アズールさん!!」
「いや、ゼアルです」
洞窟で1人歌を歌っていた黒髪の男、ゼアルがいた。
びしょ濡れで。
「なんでゼアルさんの頭上だけ雨が凄いの?」
「いや、気にしないでくれ」
気にしないでいいらしい。
待たせたなァ……。
そろそろ動きます。
( ˘꒳˘)




