12 筋肉の妖精と魔女
ᕙ( 'ω' )ᕗ
( ˘꒳˘)ヤバイホントヤバイホントネムイ
私は辺り一面に敷き詰められた綺麗な花の中にいた。
花から漂う香りを楽しみながら、日向ぼっこをしていた。
花畑に漂うは香りと蝶々と、ムキムキの妖精。
誰もが楽しそうに踊りを踊っている。
私の周りを蝶々とムキムキの妖精が回る。
くーるくーると、回る、楽しそうに。
なんかよく分からないけど楽しい気持ちになってくる。
一生この気持ちが続けばいいのにとさえ思えてくる。
……あぁ~^^
とろけるぅ~。
ふと空を見上げると広がっていたのは虹色に光る空。
きれいだなぁ、と見ていると空に唐突に亀裂が入った。
何が起きてるんだぁ!?と思いながら立ち上がる。
するとムキムキの妖精が急に私を掴んできて、空に入った亀裂へと運ぶ。
私はわけも分からずされるがままに空の亀裂へと……。
・ーーーーー・
「ヒナちゃーん、起きてぇ!!」
「おーい!」
「……んぅ?……あれ?ムキムキの妖精さんは?」
先程までいたはずの妖精さんがいない。
ムキムキの。
「何言ってるのヒナちゃん?」
「ま、まさか……妖精って、あいつのこと、言ってるのか?」
そう、ナガレが指を指した先には。
「うふん♡そうよ、私こそが妖精よ♡」
と、胸筋をアピールするかのようにピクピクさせながら叫ぶ、ムキムキのおじさんがいた。
「あ、妖精さんだ!!」
「「!?」」
そのムキムキのおじさんは妖精……というような見た目はしておらず。
ただ少々、ファンシーでピンクピンクした服を身に纏っているだけである。
ーーーヒナの感性は、少しおかしいようだ!
「……た、たまにこういう所、あるんだよね……ヒナちゃんに……」
Byナナ、らしいです。
「貴女周りから『ヒナちゃん』と呼ばれているから私も『ヒナちゃん』と呼んでいいかしら♡」
「あ、はい、お好きにどうぞ!」
なんでこの2人は先程まで起きていた事態を一切気にも止めずに話を進める、というより世間話のようなほのぼのとした会話を繰り広げることが出来るのか。
「凄い筋肉ですね!!鍛えたんですか?」
「そうよ♡美しさを追い求めた結果、筋肉という究極の美にたどり着いたの♡」
「わぁ……!」
目をキラキラさせながらムキムキのおじさんのことを見つめるヒナ。
何故そんなに目を輝かせているかと言うと、ヒナは1つのことに思いを向ける人に対して憧れを抱いているからだ。
ヒナはもふりたいがために動物へと1つの愛を向けているが、このおじさんは私と違い美というこの世の中共通の感覚の極地へとたどり着くために情熱を注いだ、真の勇者である(たぶん)。
ヒナのもふもふ欲とは違う、純粋な気持ち(おそらく)。
そんなに1つのことに熱中出来る人に対して、ヒナは憧れを抱いているのだ。
……おじさんはそんな事一切思っていないということを、ヒナは知る由もなかった。
「ごほん、話を戻させてもらうけども……ヒナちゃんの事を助けてくれてありがとうございました」
「あっ、先にお礼を言わなきゃいけないのに、ごめんなさい!そしてありがとうございます!」
「いいのよ♡かわい子ちゃんが困っていたら助けるのが私のモットーよ♡」
いい人だ……!と、ヒナは思った。
ナナとナガレは、こいつやべぇ、と思った。
「あらいけない♡自己紹介をしないとね♡」
まだ名前を教えていないことに気づいたムキムキのおじさんは再び3人の元へと振り返ると、自らの筋肉を強調しながら。
「私は『マッソゥビューティ』!!美を愛し、愛され、そして全ての美を守護する正義の筋肉の代弁者よ♡」
「マッスルビューティさんですね!!」
「えっ、あ、うん……じゃなかった……そうよっ♡」
「「素が!?」」
マッスルビューティを発音よく言って、マッソゥビューティと相手に呼んでもらおうとしたが、普通にマッスルビューティと呼ばれたので一瞬素が見えてしまった筋肉の代弁者さん。
「ヒナ……それとそこの2人、そいつのそれは演技だから、気にしなくてよし……」
「あらーん♡言わないでよぉ♡」
すると上空から、幼い少女のような声が聞こえてきた。
聞き覚えのある、この声は。
「……エレノアさん!!」
「ひさしぶり……ヒナ……」
そう、魔女のエレノアだ。
どうやらマッスルビューティと行動を共にしていたらしい。
そしてやはりマッスルビューティのこの性格は、演技らしい。
マッスルビューティさんは本来真面目な性格です。
なんでこんなにオネエ口調なのかは次回話します。
……なんかふざけた回、多くね?
そろそろ、動き出します……たぶん、おそらく、きっと。
( ˘꒳˘)




