閑話? 金銀2双の魔狼との出会い
自分でも作ろうか悩んでいて、感想で作れた、と言われて作ろうと言われた部分です。
( ˘꒳˘)
……あれ?
今日自分頑張ってる!!
ヒナとナナは今この間エレノアとたどり着いた街シーランドで遊んでいた。
彼女達は今シーランドのとある喫茶店で話をしていた。
「ヒナちゃーん、学校の課題が終わらないよ~!!」
「じゃあなんでゲームしてるのよ!?」
「やってられないんだよぉ!!」
学校の課題が手がつけられなく、いつも休みが明ける寸前に急いで終わらせる。
あるあるである。
「……もう、じゃあもう少し遊んだらナナちゃん家行くからさ、一緒にがんばろ?」
「やります」
即答。
「……あ、そうだヒナちゃん」
「?、なぁにナナちゃん?」
「そういえばさ、『月光の魔狼』と『陽光の魔狼』の時の話さ、今度詳しく聞かせてくれるって言ってたじゃん?……教えて?」
「今聞くの!?」
少し遊んだら課題に移る予定であったのだが。
「ちょっと長いよ?」
「頑張るから!!お願い!!」
ナナのそのあまりの必死さに思わず笑ってしまい。
「そうだね……えーと、どこから話そうかな……?」
結局話すことになるヒナであった。
・ーーーーー・
「今日はナナちゃんいないんだよなー……」
ナナは今日、学校で居残り補習があったため一緒に帰って来れなかった。
なのでヒナは一足以上先にFIWにログインして遊んでいた。
「フレンドリスト見ると……エレノアさんもケンゾーさんも居ないしなぁ……こう考えると私ってこのゲーム内での顔って狭いなぁ……」
フレンド(3人)が誰一人としてログインしていなく、共に遊ぶ相手がいなくて悲しむヒナ。
とりあえず今日は1人で外に散策に出ることにした。
「……なんでだろう、いつもだったらミカヅキ平原にもちらほら人の姿が見えるんだけどな、今日は1人も見ないな……」
その理由は第2の街シーランドに行けるようになったことが主な理由なのだがそれは置いといて。
辺り一面人の気配がなし。
広がるは月の光に照らされて淡く光る草原と原を駆け回る小動物。
見ているだけで癒される光景だ。
その光景をぼーっと眺めていると、視界の端に何かが写った。
「……?」
何やら白い球が3つ、浮かんでいた。
こっちこっち!と言わんばかりにその存在をこちらにアピールしてくるその3つの球はヒナが寄ると何かを落として消えていった。
「なにこれ?」
拾ってみると、『K』『S』『Y』と記された紙であった。
「KSY……?あ、球から落ちた時にそういえば何か並んでた順番入れ替わってたな……」
そう思い、順番を入れ替えると『SKY』と紙に記されていた。
「SKY……空?空がどうした……の……って……え?」
不思議に思い、空を見上げてみると。
球が2つ、浮いていた。
いや、球ではなく。
いつもは月しか空に浮いていないはずのこのミカヅキ平原に。
存在しないはずの『太陽』が。
月の真横に「もともといましたよ?」と言わんばかりに浮いていた。
「……っ!!急に眩しく……!!」
太陽が急に現れたおかげで眩く、目を瞑る。
まるでかの目潰しの呪文をかけられたようだ。
しばらくしてこの明るさにも慣れたヒナは辺りの状況を確認する。
すると何かがおかしいことに気づいた。
景色はいつもと同じく草木が生えていて、穏やかな風が木々を揺らしている。
しかしそれは景色だけである。
なぜかヒナが今いる場所には、風が一切吹いていなかった。
慌ててヒナが街の方向を目指し、走ろうとする。
しかしそれは目に見えない『何か』に阻まれた。
「えっ!?」
何が起こっているのかさっぱり分からないヒナ。
そしてそこに更なる驚きが重なる。
ふと頭上が暗くなったと思い、上を見上げると。
そこには金と銀に煌めく体毛を持った、2双の狼がいた。
ゆっくりと、2双の狼が降りてくる。
……。
見つめあうヒナと2双の狼。
そして次の瞬間。
「もふっ……もっ、も、……もふもふぅーーーーーーー!!」
と、ヒナが叫んだ。
これには2双の狼がもびっくり。
その瞬間、ヒナが2双の狼に向かって走る!!
その尋常ではない速さと気迫に気圧され、即座に対応が出来なかった2双の狼。
「くそ、回避できない!?」と言わんばかりの焦りを顔にうかべて。
もふっ。
もふもふもふもふもふもふもふもふもふもふりんちょ。
と。
「わふっ!?」
「わふんっ!?」
ヒナが2双の狼をもふりはじめた。
「なにこれなにこれなにこれぇぇぇぇ!?何この毛並み!?何この肌触り!?何このもふみ!?どれをとっても完璧!!完全無比!!これこそまさに国宝だぁ!!保護しないとね保護保護!!大丈夫おねーさん危ない人じゃぁぁないよぉぉお?????」
困惑する狼達。
しかしその困惑もまた。
「わふんっ♪」
「わふぅ♡」
次の瞬間には快楽へと変わっていくのだ……。
これが数々のもふもふを虜にしたヒナの魔の手である……恐ろしい!!
頭からしっぽに向かって一直線にマッサージ師も驚きの滑らかさで撫で。
お腹一面を手のひら全体で揉みほぐしつつ毛並みを整え。
最後は全身でそのもふみを味わう。
なんという技術!!
トリミング資格持ちも絶賛!!
「素晴らしい素晴らしい素晴らっっっ……シィッ!!もふみとすべすべが共存しハーモニーを奏でるまるでそう、デュエットのように!!2人の奏者が異なるパートを演奏しつつも全てがピタリとマッチング!!……素晴らしいよ、泣いちゃうよ、感涙必須だよぉぉぉおおおおおお!!!!」
そう、ヒナが叫ぶと。
『ふぅ、ふぅ、……ま、マイマスター。……貴女は何故、女神の加護をお持ちで?』
『ひぃ、ひぃ、……マスター、すごすぎ……』
と、どこからか声がかけられて。
しかも勝手に主認定されていた。
とりあえず誰「主認定なんてしてないよ!?」……そう言うと。
『酷いですよ!!あんなに激しくしたのに……!?』
『初めてだったんですよ!?』
と、聞く人が聞くと誤解しそうなことを発した。
しかしお忘れになるな、ヒナは純粋(もふ関連以外)な乙女だということに。
「そんなの知らないよ!!」
と、あっちの方の意味だと捉えずに純粋に知らないと、悪意なく言い放つ。
『ひどい、ひどいですよ~!!』
『泣いちゃうよ!!』
と、悲しみを露わにする。
しかしヒナはそれを気にせず……。
「そもそも誰なのよ!?」
……いや、気にしていたのではなく、単に誰だったのか分からなかったのだ。
『『えっ……』』
「えっ?」
目の前にいる狼達の目が合う。
その目が物語っているのは……。
「まさか……あなたたち?」
『『そうですよぉぉぉぉぉぉ!!!!』』
ようやく気づいてくれたか、と喜びを露わにする。
「なら主でいいよ!!」
『『え』』
手のひら返しが早くないですか……?と、2双の狼達が。
これがヒナクオリティ。
もふもふのためなら図太くなります。
「じゃあテイムしてもいい?」
『……なにか思うことはありますが、大丈夫です!』
『私もオッケーです!!』
「じゃあ、『テイム』!!」
<『月光の魔狼』と『陽光の魔狼』をテイムしました!!>
<新たなスキルを入手しました!!>
ーーーーーーーーーーー
<名前>ヒナ
<種族>エルフ
<職業>テイマー
<レベル>17……あと210で上昇
<ステータス>
HPー190
MPー190
STRー85
DEXー95
VITー85
AGIー100
INTー100
MNDー95
LUKー100
<スキル>
・テイム……角うさぎ×6 大鹿×4 ピースフェンリル×3 ピースベアー×4
リス×2 馬×1 猿×1 月光の魔狼×1 日光の魔狼×1
・女神印……神獣を呼び出すことが出来る。
・自己強化……自身の能力を僅かに上昇させる。
・仲間強化……自身の味方全員の能力をごく僅かに上昇させる。
・エンチャント『聖属性』……指定したものに聖属性を付与する。
・休息……5分間、AGIが半減するがその代わり1秒ごとにHP、MPが1ずつ回復する。
・月光……月明かりに照らされていると月光の魔狼を呼び出すことが出来る。
・日光……太陽の光に照らされていると日光の魔狼を呼び出すことが出来る。
・星纏……月光の魔狼と日光の魔狼の力をその身に宿すことが出来る。
<称号>
・生物に愛されし者
・幸運の使徒
・神獣の主
・支配人
・怠惰を祓いし者
・月と陽の主
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「なんか増えた!!」
『それが私たちをテイムしたことで入手したスキルです!!』
『私たちを呼び出したり、力を身に宿したり出来ます!!』
月光、日光、星纏。
どうやら月光は月の出ている間、日光は日の出ている間だけらしい。
星纏もそれと同じで纏う魔狼は太陽が出ている場合と月が出ている場合で月光の魔狼、陽光の魔狼と変わるようだ。
『星纏を使うと私たちのスキルも使えますよ!!』
ーーーーー
<月光の魔狼>
・月爪……月の力を宿した爪を発生させる。MPを20消費する。
・月の光……月の力を収束させた光線を撃つ。MPを40消費する。
・月踏み……月の力を借りることで空中で3回までジャンプが可能。
・月の剣……MPで作られたマナ製の小刀を生み出し、射出する。MPを5消費する。
<陽光の魔狼>
・陽爪……陽の力を宿した爪を発生させる。MPを20消費する。
・太陽光……陽の光を1点に集中させて放つ。MPを70消費する。
・陽脚……陽の力を足に宿して加速する。5分間だけAGIが2倍になる。
・太陽剣……MPで作られたマナ製の大剣を生み出す。MPを50消費する。
<???>
・???
・???
・???
・???
・???
ーーーーー
「へぇ、……この???って言うのは?」
『それはお楽しみです♪』
なるほど、お楽しみか。
その時が来たら恐らく分かるのだろう。
でも確かなことは1つ。
これでヒナにも戦う術がきちんと備わったのだ。
これからは……。
・ーーーーー・
「と、言うわけでナナちゃん!!これからはちゃんと私も戦えるよ!!」
「いや前までも戦えてたヤーン!!」
「そうじゃなくて!!これからは私もエンチャントとかじゃなくて自分でナナちゃんと並んで戦えるよっ!!」
「えっ、……ヒナちゃん……」
「もしかして私の事……好き?」
何をとち狂ったのか、そう口にするナナ。
しかし我らが主人公のヒナは。
「うん、大好きだよ!!」
「えっ!!」
「親友だもん!!」
「えっ」
しっかりと、無意識に。
上げてから落とすのだった。
流石。
???の部分は多分分かるでしょう。
いつもと同じ、ヒナクオリティが炸裂。
この次から2章です!
( ˘꒳˘)




