30 エピローグ
お昼は焼きそば。
うまうま。
( ˘꒳˘)
しましまのおぱんつを晒したエレノア。
健康な乳白色の肌がみるみるうちに赤色に染まっていく。
当初の予定ではここでエレノアはヒナに自分の強さを見せつけて、彼女の頼りになるお姉ちゃんアピールをしようとしていたのだが。
結果はドジっ子属性の強くて可愛いちみっこ、という印象になった。
「………………」
「エレノアさーん」
「…………………………」
「エレノアさーん、戻ってきてくださーい」
岩場の隅っこで体育座りをして顔を自分の膝に埋める。
穴があったら入りたい状態だ。
ヒナは困った。
ので、とりあえず褒めようと思った。
「エレノアさん、かっこよかったですよ!……なんか頼りになる……」
エレノアががばっ!と、顔を上げてヒナに視線を向ける。
キラキラとした目でこちらを見つめるエレノア。
「……お姉ちゃんみたいです!(可愛い妹みたいって言おうとしたことは黙っておこう……)」
エレノアの分かってるよね?と言わんばかりのキラキラした目に圧を掛けられて心に思っていたこととは違うことをつい口走るヒナ。
その一言でエレノアは完全回復。
元気いっぱい(?)、通常運転に戻った。
こいつ、チョロいぞ。
「……とりあえずヒナ、ここから先がジメット湿原……この先に第2の街『シーランド』がある」
ジメット湿原、前に言った通り湿気が多いエリアだ。
そこを抜けると『シーランド』という街に着く。
そこは『海』の街だ。
街の通路を涼やかな潮風が吹き抜け、太陽が眩しく照り付けるこの地。
人々は活発に活動し、まさに南国といった雰囲気の街だ。
「ヒナも嫌だと思うから、ジメット湿原はソッコーで抜けるよ?」
「……はい……」
「ンキュゥ……」
その後、エレノアさんと全力で走った。
途中ぬかるみに足が取られ、そこの沼に生息している訳の分からない気持ち悪い生物に襲われかけたが何とか生還した。
そして走り、走り。
ついに到着……。
した時にはドロドロだった。
「うへぇ……汚い……ベトベトだよ……」
「キュー……」
「んっ……ヒナ、ラビ、『クリーン』」
そうエレノアが呟くとたちまちヒナとエレノアの装備に付着していた泥やよく分からない粘液などが一気に取れた。
「おお!!エレノアさん、ありがとうございます!!」
「礼には及ばない」
汚れをとって身綺麗になった私たちは第2の街『シーランド』に足を踏み入れた。
活気づいた元気な街。
行き交う人々は皆薄手の服を身にまとい、日焼けしている人が多かった。
のんびりと日向ぼっこ……いや、日焼けをしている人や、走り回り遊んでいる子供たち。
たまに吹き抜ける涼しい潮風が心地よい。
街に入った所は少し高台になっているらしく、そこから北西へと顔を向けるとそこには一面の大海原が広がっていた。
小さな島々が点在しており、その奥には何やら趣を感じさせるような洞窟が。
「エレノアさん、ファーストもそうですけど、ここもいい街ですね!!」
「うん、気が休まる」
「キュァ……!!」
エレノアさんもラビも大満足なご様子。
辺りには既にプレイヤーがごった返していて、道を歩いては物を買ったり仲間と語り合ったりしていた。
エレノアさんと私は、とりあえず街を散策することに決めた。
・ーーーーー・
街を散策して30分がたった。
両手にはラビと抱えきれないほどの荷物が。
「買いすぎたね……」
「うん」
何故アイテムポーチにしまわないかって?
そんなの買い物を楽しんでますっ、ていう雰囲気を楽しむためだよ!!
そうしてエレノアさんと話をしながら歩いていると。
ピコンッ!!と、目の前に何かが表示された。
「?」
そこには。
<第1回イベント開催のお知らせ>
と、そう記されていた。
エレノアが記されていることを読み上げる。
「えーと、『海の街 シーランド のお祭り『深海祭』。毎年行われている恒例行事であるこの深海祭。実はこの祭りの裏ではとある組織が暗躍していた。果たして君はこの祭りを成功させることが出来るのか。』……だって」
このゲームを初めてからそろそろ2週間が経過する。
待ちに待ったイベントが開催されるようだ。
……なにやら大波乱の予感がする、と。
そう感じるヒナであった。
これで第1章、~完~。
エピローグが微妙すぎてごめんなさい。
エピローグとかプロローグもそうですけどよくわかりませぬ。
( ˘꒳˘)
……あっ、閑話?挟んで2章です。




