25 幸運の女神ともう1人の。
改修終えました。
マシになったのでは?
( ˘꒳˘)
ひどい夢を見ている。
目の前に現れた『女神』を名乗る女性。
見目は麗しく、声も透き通っており全てが完璧だった女性。
性格もさぞ素晴らしいのだろうと思っていた最中。
……やばい人だった。
やばかった。
理想とかけ離れた女神像。
イメージが崩壊した。
頭の中をあの女神の声がループする。
透き通った美しい声でけたたましく鳴くあの声が。
私の周りを回っている!!
ぐーるぐる、ぐーるぐる。
ひどい夢だ。
惨たらしい夢だ。
なんてひどい夢なんだ。
「ざーんねんっ☆夢じゃぁ、無いんですよねェェ~♪」
「えっ」
ふと、聞こえた不快な声で意識が覚醒した。
「ヒナちゃん!!起きたぁ〜!!急に気絶するからびっくりしたよ!!」
どうやら気絶していたらしい。
目を覚ました頃には辺りは真っ白になっていた。
そろそろいい時間だし、ナナちゃんと一緒に帰ろっかな。
あー、今日は疲れたな。
「そろそろ現実逃避やめよっか☆」
「ふぇぇ……」
逃げられなかった。
・ーーーーー・
「改めて、私は幸運の女神のシルブレアでっす。助けてくれてありがとうござんす!」
気を取り直して幸運の女神シルブレアが再び挨拶をする。
「シルブレア……様?」
「シルちゃんでいいよぉ?……で、なんだい?」
シルブレアからどうでもいいことついでに催促される。
「ヒナちゃんに付いたこの手の甲の模様ってなんなんです?」
長い間……とは言わないが、何故付いたのか分からないこの模様。
ヒナだからという理由で丸めていたがそれでは足りなくなった。
それを女神本人に問いただす。
「あー、それねぇはいはい……そこの子に付けた理由は……」
「「ごくり……」」
唾を飲み、女神の言葉を待つ。
深刻な顔を見せる女神。
先程と打って変わってこの世界を憂うような表情を見せたことにより更に緊張が増すヒナとナナ。
息を小さく吸い込み、口を開ける。
「それはこの世界をここから監視していた時、たまたま目に入ったその子がめっちゃタイプだったからだね☆」
「「……え?」」
先程の表情とまた打って変わって。
次はお調子者のような表情に変わりだした。
その回答にぽかーん、と。
間抜けな顔を晒す2人。
「だってめちゃ好みだったんだもん、ぷんっ!」
『……女神様、そんなふざけた理由だったんですか……』
忘れてましたけど昔からあなたはそんな人でしたね……、と呟くホーリータイガー。
この女神、やばい女神である。
「なにそれー!?おかしいでしょ!?」
キレだすナナ。
これはキレても仕方ないだろう。
「んー、でもそれだけじゃないんだよね♪」
「だったら最初っからそっちの方を言ってよ……」
ナナが呆れた。
先程から感情の起伏が激しすぎるナナ。
「ヒナちゃん、君を選んだ理由はね……」
その理由を口にしようとシルブレアがヒナ達に近づきながら話す。
「君が……『おっと、そこからは僕に説明させてくれよ』……はぁ、なんでよ!!」
と、シルブレアの話を遮るように男の声が聞こえてきた。
一体何が起こっているの!?と言わんばかりに驚きの表情を顔に表すヒナとナナ。
『ありがとう、シルブレア。……さてまずは挨拶からだね』
この場にはいない、謎の男。
この男は……。
『僕は『創造神』神谷 勤 。……創造神とか大層な事言ったけどもメタい話をすると『運営』だね』
創造神……いや、運営だった。
「「ええぇっっ!?」」
『そりゃ驚くよね?無理もないよ、1プレイヤーに運営が介入してくるなんてそうそうないもんね?』
運営がプレイヤーに介入することなんて相当な害悪プレイヤーか、何らかの依頼をする時しかない。
そしてヒナとナナは今までに悪いことは1度もしていない。
ということは……?
『僕から君たちにお願いだ、このゲームの『バグ』である7大悪魔を倒してくれないか?』
「「えっ?」」
さっきから驚いてばっかのヒナとナナ。
7大悪魔を倒す。
それ以上の驚きがヒナとナナを襲う。
……あれが、バグ?
『本当は7大悪魔なんて存在、このゲームにはいなかったんだよね。それが何が原因なのか分からないけど、突然として現れたんだ』
そう、7大悪魔という『ベータテスターでさえ倒すことの難しい』魔物は本来このゲームにはまだ実装される予定ではなかったのだ。
もちろん後々そういう存在は追加していく予定ではあったのだが、何らかの不具合が生じた影響でこのようなイレギュラーな存在が生まれてしまった。
それを倒す……バグを、ゲーム内で倒すとは?
『このゲームの魔物というか生物全般は自分で考え自分で行動するように、最新型の独自進化AIを導入してるんだ。もちろんシルブレアもね』
独自進化AI、それは名前の通り『経験したことを通常のAIよりも速く適応させて更なる進化を促していく』AIのことである。
『それが悪魔達にも何故か適応されていてね?一応他の魔物とかは成長制限とかかけているんだけども、このバクで生じた悪魔達にはその限界がないらしいんだ』
「えっ!?それって危なくないですかね!?手がつけられなくなったらどうするんですか!?」
その通りである。
最悪の場合だと、悪魔達がプレイヤーが成長出来る限界を超えて成長してしまい、誰にも手をつけられない超強力な敵が誕生してしまう可能性がある。
そうなってしまえばゲームを運営するのは不可能だ。
そうなる前に運営はそのバグを『自ら』修正しなければならない。
しかし。
『バグ直すの、めんどくさいじゃん?』
「ダメだろぉ!!!!!」
ナナ渾身のツッコミ、炸裂!!
まさかの運営がバクを修正しない理由がまさかのまさかのめんどくさいだった。
運営、それでいいのか!?
『まぁ、僕らの技術力があればいくらAIが成長して僕らに反旗を翻そうとしても直ぐに鎮圧できるんだよね、でもそれだけだとさ。……もったいないじゃん?』
……!?
『だから僕はこれを1種のイベントとして発生させることにしたんだよね。……女神からの加護を受けし巫女と共に悪魔を討伐せよー、的なクエストとしてね?』
……!?!?
『いやーそれにしてもシルブレア、最高だね!いい人選だよ。流石は僕の最高傑作だ!』
「だろだろー?」
『ゲーム開始早々に魔物と仲良くなり、女神から加護を受け取りあまつさえ神獣すらも仲間にしてしまって、僕達の案内がなくともバグの元にたどり着いてそれを片付けてしまうんだからね!凄い運の持ち主だ!!』
シルブレアに任せて正解だったよ、彼女なら任せられる、と嬉しそうに話す運営こと神谷勤。
そしてヒナとナナが置いてけぼりにされていることに気づいた神谷はヒナとナナの方向に向き直し。
『いいかな?いいね、はい決定!これからよろしくね!』
「ちょっ……」
「あっ……」
と、強制的に決められた。
『報酬は現金で送るねー♪シルブレア後はよろしくー♪』
「りょーかいっ!!」
ぷつんっ、と。
音を立てて消えていった。
後に残されたヒナとナナは、何が何だか、さっぱり分からなかった。
今更だけどVRじゃなくて異世界モノにすれば良かったと思った。
そして出てきた運営。
結構カオスな展開になってきたきがする。
( ˘꒳˘)




