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22 決戦!!ベルフェイゴル

ベルフェイゴルとの決戦!!


あと少し悩んだのですが、プレイヤーが使うのが『スキル』で、ゲームなどで俗に言うフレイム!的な魔法も、プレイヤー側からしたらスキルということにします。

プレイヤーが使う際は、『』で表します。

一方知性のある魔物、今回で言うベルフェイゴルなどの悪魔に関しては、彼らはスキルではなく、魔法という上位の魔物だけが使える能力が備わっていることに。

それは≪≫で表すことにします。

よって7大悪魔の魔法である地形変更も≪≫で表すことに。


長文失礼しますん。


( ˘꒳˘)


少し戦闘の熱が冷めてしまった私達と違い、殺意がもりもりっと盛り上がっていて熱気がむんむんしているベルフェイゴルさん。

最初は寡黙そうで冷酷な性格だも思っていたが、実はめちゃくちゃ怒りっぽかったとか運営は憤怒と間違えたのだろうか。


『何故だァ!!何故我の怨刀が当たらんのだァ!!』


己の力に任せて剣を振り回し始めるベルフェイゴル。

最初の方は冷静に考えることが出来たから恐らく剣の捌きも上手かったのだろうが我を失い始めてからはそれが少しも見られない。

筋肉むきむきマッチョメンが自分の力に振り回されている構図と化していた。


バキィ!!、と巨大な音を立てて床に、壁に剣をぶつける。

その攻撃がヒナ、ナナに当たらないことに更に苛立ちが増して冷静さを欠く。

既に部屋は剣をぶつけた時の衝撃でボロボロ。

いつ崩れてもおかしくない状態なのだ。


「ヒナちゃん、準備はいい?」


「……うん」


『ヒナ様!!私も精一杯サポート致します!!』


「バフルゥゥゥン!!」


ヒナもホーリータイガーも、シルフも準備万端。

ナナはそれを確認すると。


「私が注意を引いている間に、ナナはベルフェイゴルの鎧のヒビに!!」


そう言いながら、ベルフェイゴルへと突っ込んで行った。


ベルフェイゴルに向かって加速するナナ。

今までにないほどの速度でベルフェイゴルへと突撃する。


『策もなく突っ込んでくるとはァァァァ!!終いにしてやろう!!』


冷静さを欠いたベルフェイゴルが愚直にナナを追いかけ、剣を振りかざす。

ナナはそれを先程とは違ってスレスレで避ける。


背中を巨大な剣が通過していく感覚は、鳥肌モノだった。

怖いのなんのって。


『どうしたどうしたァ!!疲弊しているのかァ!?このままでは我の怨刀で真っ二つだぞぉ!!!!』


手当たり次第にナナへ向かって剣を振るベルフェイゴル。

冷静さを欠いていなければ魔法を使ってナナを牽制しつつ、1番の脅威となりうるヒナを剣で狙えただろうが、そこまでの考えには今のベルフェイゴルでは至らない。

ただただ己の怒りに身を任せ、敵をぐちゃぐちゃにするまで剣を振るうだけ。


怠惰ではなく、憤怒の権現のようだ。


「くらえっ、『スモーク』!!」


ナナがベルフェイゴルに向かって火と水の複合スキルを使う。

水蒸気による煙を発生させ、視界を悪くしたのだ。

たちまちベルフェイゴルは前が見えなくなり、先程よりも乱雑に剣を振るう。


『何処だァ!!隠れていないで出てくるがいい!!!!』


剣をひたすら振るうベルフェイゴルが探している怨敵の1人、ナナはというと。


安全な剣のリーチの届かない範囲で傍観していた。

そりゃぁね?あんな危ない地獄のような場所に誰が好き好んで突っ込むんだって。


煙の持続する時間はあともう少しある。


「?」


ヒナの方を振り返ってみてみると、ヒナは何かを考えているようだった。


少し心配になったので近寄ってみよう。


・ーーーーー・


先程覚悟は決まった、と言ったが実はまだ決まっていない。


ゲーム内とはいえども相手は『悪魔』。

今まで自分が関わってきた可愛らしい魔物や動物ではなく、完全な恐怖の塊である。

勝機を見出すまでは相手の攻撃を回避したりすることに必死で感じなかった恐怖が今になって押し寄せてくる。


……もし失敗したら。


ヒナはもちろん、ナナもゲームオーバーだ。


ゲームだから死なないと分かっていてもやけにリアルなこのゲームが死の恐怖を倍増させるのだ。


……怖いなぁ、怖いな。


怖いよ、怖い。


……。



出来ない。

私には。


こんな、大役。


無理に決まってるよ。


私なんかが出来るわけが無い。

私は怖いから。

あれが怖いから。


『逃げないで下さい!!』


怖い。


逃げたい。


ここはゲームだ、ログアウト出来るよ。

そうだ。

逃げよう。


『逃げたらもう、立ち向かえません!!』


うるさいな。

何なの、さっきから。


もう私には無理。


できっこない。


『出来ます!!』


何を根拠に。


そんなこと言えるのだろうか。


『ヒナ様は出来ます!!だって……』


『私達に愛されているから!!』


その声を聞いて、ふと思い出す。

かつて同じことを言われたことを。


『陽菜ちゃんは皆に愛されてるよ!!……だから、触ってみて!!』


……!


「出来るよ」


『出来ます!!』


……できる……かな?


「出来る!!」


『絶対に!!』


声が2つ聞こえる。


1つは、もふもふの、ホーリータイガーの声だ。

もう1つは。


「ヒナちゃん、ヒナちゃんなら出来るよ!!」


昔から変わらない、昔から私の支えとなってくれた。


唯一無二の親友。


「……ナナ……ちゃん」


「自信を持って!!前だって出来ないことが出来た!!……なら今だって出来ないことが出来るはずだよ!!」


根拠もないその自信。


でも昔から、奈々ちゃんのその声に。


「助けられて……きた……!!」


「助けるよ!!ヒナのためなら、何度でも!!」


……出来る。


私なら、いや。


私とナナちゃん、そして。


「皆となら、出来るよ!!」


「その通り!!ヒナちゃん!!」


『ヒナ様ぁ〜!!』


びびっちゃだめだ。

だって。

ナナちゃんが言った通り。


「ここはゲームだもんね、ナナちゃん!!」


「あっ、そうだった」


「えっ?」


あれ?

ナナちゃん?


「いやー、余りにもヒナちゃんが怯えてる顔してたから昔のこと思い出しちゃってさ、現実と混同しちゃってねぇ?」


「……」


『……』


いたたまれない様子のナナちゃん。


「……さ、さぁさ!気を取り直して、最終決戦と参りましょうかい!!」


「……はっ!そうだね!ごめんナナちゃん……」


私は言う。


「もう大丈夫!!……行こう!!」


「『おー!!!!』」


叫ぶ!!


『クソっ!!前が見えぬ!!切り裂いても切り裂いても眼前に広がるは煙!?』


未だにベルフェイゴルにはナナのスキルのスモークがまとわりついていて、時間を稼いでいた。

まるで変身するヒーローの変身時間を待ってくれている敵のようだ!


「行くよヒナ!!とーつげきぃぃぃ!!」


「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


最初はナナちゃんが気を引く作戦だったけど。

一緒に倒した方が、同時に倒した方が達成感あるから!


最後のベルフェイゴルの無駄なあがきである剣の振り回しを華麗に回避し。


飛んできた破片を避けて。


ついに霧が晴れたベルフェイゴルの目の前には。


幸運の使徒とその仲間達が迫っていた。


「「おりゃぁぁぁぁぁ!!」」


聖属性をエンチャントした聖なる『十字架』が入った宝玉が。


かの供物のように岩……いや、鎧の隙間、その奥にある闇に飲み込まれていく。


すると。


『……ッ!?こっ、これはァ!?聖属性にっ……『十字架』……!?何故我の弱点を見破ったかァァァァ!?』


……あれ?


「ナナちゃん、今、ベルフェイゴルさ。」


「……」


「十字架弱点って言わなかった?」


「……」


『くっ……む、無念……!!……しかし我は7大悪魔の中で最弱!!……我が敗れたとしても第2第3の悪魔が必ず貴様らとこの世界、最後には女神を滅ぼすだろう!!』


盛大なセリフと、ベルフェイゴルの爆発音をバックにし。


「ナナちゃん、十字架無かったら勝てなかったんじゃ?」


「……」


「ねぇ?」


「…………わ、私の作戦勝ちぃぃぃぃ!!」


「ナナちゃーん!!待てぇぇぇぇぇ!!」


激しい戦闘の余韻に浸ることなく。

2人は仲良く追いかけっこを始めたのだった。


・ーーーーー・


『……念話が切れた。……やられたか、ベルフェイゴル……』


『しかし奴は7大悪魔の中で最弱……!!』


『第二第三の悪魔である我々が、必ずや仇を打とうぞ!!』


『しかし……』


『まずはな……』



『『『『『『封印を解かねば!!!!』』』』』』


~7大悪魔の密会(?)~





シリアス入れたけど空気に耐えきれなくなってしまった。


因みに途中に入れた過去話のようなものはいずれ書きます故。


まぁ、勘のいい人は『触る』だけで分かるでしょう。


( ˘꒳˘)

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