20 怠惰の悪魔 ベルフェイゴル
初めて戦闘シーンを書きます。
書き終わって思ったこと。
戦闘もの書く人、凄いなぁ……。
( ˘꒳˘)
低い声で唸り、静かに憤りを露わにする悪魔。
ゆっくりとその巨体を椅子から立ち上がらせ、私たちを見下す。
その血のように赤い眼光が私たちを睨みつける。
『クエスト『7大悪魔の討伐』が発生しました!!これは強制受注となります!!』
と、クエストの発生を知らせる通知が目の前に現れたと同時に。
『長い間封印されていたことで丁度腹が減っていたのだ……まずは貴様らで腹ごしらえと行こうではないか……』
悪魔 ベルフェイゴルが動き出した。
「ヒナちゃん!!走って!!」
開始早々ベルフェイゴルはその巨腕を振るい、ヒナとナナのいた場所を打ち砕いた。
ナナの声に反応したヒナは、何とかそれを回避する。
難なく回避したナナはまずベルフェイゴルについて分析を始めた。
悪魔ベルフェイゴル。
その名前から恐らく『怠惰の悪魔 ベルフェゴール』をモチーフとした魔物なのだろう。
元は神であったが卑小化されて悪魔に成り下がったもの。
……一体どうしたら倒せるのだろうか。
ナナが色々考えている中、ヒナは。
「ひえぇぇぇ!!」
『ちょこまかと……小賢しいわ!!』
自分に自己強化を掛けて持ち前の身体能力と合わせて広々としたこのフィールドを駆け回り、ベルフェイゴルの攻撃を全て外させ苛立たせていた。
ベルフェイゴルが右腕を大きく振りかぶり、それを勢いよく振りかざす。
それをぴょんっと、避けるヒナ。
ベルフェイゴルの一撃は重く、速かった。
速さと火力が合わさり、その一撃は地面を大きく抉る。
でもなぜだかヒナには当たらない。
直撃はしてなくとも、その一撃の余波で何らかの影響を受けているはずだ。
しかし何故か受けていない。
その理由は……。
『ヒナ様ー!サポート致しますー!!』
そう、何かと便利!!神獣 ホーリータイガーくんである!!
ホーリータイガーが自身の力を使い、ベルフェイゴルの一撃から発生される余波を全て吸収していたのだ。
『……!!この感じは神の使いッ!!……忌々しい!!……ということはそこの娘が女神の使徒であるか!?……確かに微小ながらに彼奴の力を感じる……!!』
憎しみを全面に出し始めたベルフェイゴル。
『えぇい!!手加減はもうやめだ!!存在ごと消し去ってくれよう!!』
するとベルフェイゴルは素手での攻撃を止めて、右手を見えない何かに刺しこんだ。
そこから、禍々しいオーラと共に何やら1本の剣が出てくる。
『封印されて以来、振るうことの出来なかった……剣も飢えているぞ……』
刀身は血のように赤く、御札で巻かれた持ち手。
呪いを宿したその剣は、まるで怨刀のようにも見えた。
『ヒナ様!!馬を足の代わりにしましょう!!』
「えっ、……うん、わかった!!」
ホーリータイガーにそういわれ、すぐさまスキルを発動し馬を呼び出す。
「お願い、私と戦って!!」
「バフゥ!!」
ヒナの頼みに答えるように、勇ましく鳴く馬。
足の蹄を地面に打ち付け、戦意を滾らせる。
『ヒナ様、このままではダメージを与えられません!ヒナ様にとりあえずこのスキルを教えます!!』
そういわれホーリータイガーから渡されたのは『エンチャント 特殊属性』というスキルだった。
そこには『聖属性』と記された欄があった。
「ヒナちゃん!!どうしたの!?」
「ナナちゃんっ、これを!!」
ヒナが反射的にナナの武器に聖属性を付与する。
2本の刀身が眩く光った。
「……っ!!ありがとう、ヒナちゃん!!」
「ほらっ、貴方にもあげる!!」
続いて馬にも聖属性を付与した。
すると脚部、蹄の部分が光り輝いた。
どうやら蹄で攻撃するらしい。
『ヒナ様、訳あって私はこいつとは直接戦うことは出来ませんが、援護はするつもりなので安心して攻撃なさってください!!』
「わ、分かった!!行こう、ナナちゃん!!」
「了解!!」
『滅せよ!!女神の使徒よ!!』
ベルフェイゴルが剣を振り下ろす。
「『跳躍』!!……からの、『神速』!!」
ナナはベルフェイゴルの攻撃を跳躍で高く飛ぶことで回避し、神速で一気に距離を詰める。
「っからの、……ッ!?」
『遅い……≪ダークネス≫!!』
ナナが次のスキルを使おうとした瞬間、想像以上の速さで身を躱されて黒い炎を撃ち込まれる。
「くぅっ……あぶなっ」
神速を使い、すれすれの所で回避する。
しかしその後先程の剣の振り下ろしとは比べ物にならないほどの速さで剣をナナに向かって振り払ってきた。
「ふっ!!……くあっ!!」
ギリギリの所で回避したが、最後の一撃がナナを掠める。
「…………掠めただけで3分の1削られた……!?」
それはベルフェイゴルの攻撃を1度でも食らったら終わり、ということを示していた。
『ほう、中々やるな……この我の攻撃を回避するとは……』
ナナに緊張が走る。
次はどんな攻撃が来るのか、自分に対処できるのか。
と、考えを巡らしていると。
「ナナちゃーんっ!!どーいーてぇー!!」
と。
ヒナが馬と共に、ベルフェイゴルに向かって正面から突進して行った。
「えっ!?」
『何っ!?』
ベルフェイゴルもまさか正面から堂々と来るとは思わず、驚きを露わにした。
『だが、それがなんだと言うのだ!!ヌゥンッ!!』
ベルフェイゴルはヒナを正面から捉えるつもりなのか、勢いよく剣を振り下ろす。
それでもヒナは減速せずにベルフェイゴルに向かって突進をする。
「危ない!!ヒナちゃん!!」
そう思った瞬間。
ヒナの足下……正確にはヒナが乗っている馬の足下から。
何かが出てきて、ヒナと馬は空高く跳んだ。
「えっ……あれって……まさかヒナが今までテイムしてきた魔物!?」
そう、ヒナは馬の足元にテイムによって仲間にした魔物達の脚部を配置し、剣が振りかざされる前に魔物達の脚力によって高く跳び上がったのだ。
魔物達に施した強化と聖属性エンチャントにより、通常よりも高く飛び、そこから落下の重力をも生かし。
「今だ!!踏み潰せぇ!!」
聖属性の馬の蹄がベルフェイゴルの胴体をしっかりと捉えた。
『グホォッッ!!!!』
盛大に血を吐き、仰け反るベルフェイゴル。
流石の7大悪魔もこれには応えた様子だ。
『……許さぬ、許さぬぞぉ貴様ァァァ!!!!』
しかしまだ倒れない。
その身に強烈な殺意を身に宿し、ヒナを睨み付ける。
先程穿たれた胴体は、身に纏っていた鎧がその部分だけ砕け散り、その奥には皮膚が露になっている……と思いきや。
その奥には何やら黒く淀めいた何かが存在していた。
『オオオオオオッ!!』
ベルフェイゴルが叫ぶ。
『地形変更!!≪怠惰の寝室≫発動!!』
そして、7大悪魔の力をついに披露する。
・ーーーーー・
ベルフェイゴルの鎧に入ったヒビ。
それを見て、ナナは。
「……ッ!!……勝てるかもしれないッ!!」
と、勝機を見出したのだった。
私はw〇kiと戦います。
ベルフェゴールについて調べる戦いを……!!
ベルフェイゴルなどの知性のある魔物(悪魔等)がスキルを使う際には≪≫で表示することにしました!意見をくれてありがとう……(´;ω;`)
( ˘꒳˘)




