12 平和な森での平和な時間
因みに陽菜さん。
現実でも動物に好かれやすい体質です。
そこんとこ、よろしく。
( ˘꒳˘)
「……とりあえずさ、ヒナちゃんがテイムしている様子をさ見せてくれない?」
そう言われた私はナナちゃんと共に平和な森へと向かった。
ミカヅキ平原の南東に隣接するこの平和な森。
ミカヅキ平原と生息している魔物や動物は異なるが同じく温厚。
このゲームにおける唯一の癒しスポットだ。
「うさぎさん達の名前も決めておこうかな……」
「そう言えばテイムした魔物って名前変えれるんだよね」
ナナちゃんと歩きながら以前捕まえた6匹の角うさぎ達の名前を考える。
全員うさぎさん、と呼んでいたら誰が誰なのか分からなくなるからだ。
「そして歩く時は常に角うさぎを抱えてるんだね……」
歩く際は常にもふもふを抱えていないと落ち着かなくなってしまった。
ここが角うさぎの定位置だ。
「とりあえずこのいつも抱えているうさぎさんは『ラビ』って呼ぼう!!」
『テイムした『角うさぎ』を『ラビ』と命名しました』
対応が速すぎる!!
そしてその後ナナちゃんと歩きながら角うさぎ達の名前を考えた。
その結果、『フワン』『シロ』『チーノ』と3匹は名ずけた。
残りの2匹は?というと。
残りの2匹は他の個体と少し違った容姿をしていたのだ。
1匹は目が赤色であったため『アカメ』と。
もう1匹は体毛がピンク色であったので『ピンキー』と名付けられた。
いわゆる突然変異というやつだろう。
そういう名前に決めたことをナナちゃんにいったら「安直」と言われた。
しーらないっ。
・ーーーーー・
平和な森。
穏やかな心地よい風が木々の隙間を縫うように吹く。
母に抱かれる赤子のように葉がゆさゆさと揺れ、木漏れ日と相まって神秘的な空間を生み出している。
そんな落ち着いているこの森。
今。
「あれも可愛い!これも可愛い!!ぜーんぶ可愛い!!」
1人の少女によって乱されていた。
「ちょっ、ヒナちゃん。少し落ち着いて!!」
ヒナが手を広げ「かもーん!!」と言うと周りに群がっていた魔物や動物達が一斉にヒナを求めるが如く突っ込んでいく。
その光景を見たナナは魔物と動物に嫉妬した。
「あぁっ、このクマももふもふ!この鹿もふわっふわ!!オオカミもしっぽさっらさら!!すごい!!もふもふふわふわさらさらパンデミックだぁ!!」
興奮しすぎて訳の分からない言葉を発するヒナ。
嫉妬を抱きつつも、このやばい光景に驚愕するナナ。
「てか本当に魔物とも仲良くしてるよ……!?」
魔物や動物達がヒナのお腹を突っつく。
テイマーの感が何かに気づいた!!
「テイムして欲しいの?」
するとロックスターもびっくりするような驚きの速さで頭を上下にぶんぶんっ、と一斉に降り始めた。
「え?この量を……ヒナ、テイムするの!?」
「え?当たり前じゃない、仲間はずれは悲しいでしょ?」
そして「テイム!!」と発するとその場にいた全生物が全てヒナの元へ……。
その数合計15匹。
始めて3日のプレイヤー、しかもゲーム初心者がついにベータテスターの記録を塗り替えた歴史的(?)瞬間を目の当たりにしたナナは、何も見なかったことにした。
『レベルが上がりました!!』
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<名前>ヒナ
<種族>エルフ
<職業>テイマー
<レベル>3……あと180で上昇
<ステータス>
HPー50
MPー50
STRー15
DEXー25
VITー15
AGIー30
INTー30
MNDー25
LUKー30
<スキル>
・テイム……角うさぎ×6 大鹿×4 ピースフェンリル×3 ピースベアー×4
リス×2 馬×1 猿×1
<称号>
・生物に愛されし者
・幸運の使徒
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大鹿が経験値20。ピースフェンリルが30。
ピースベアーが50。リスが5。馬が50。猿が30。
レベル1が上がるのに必要なのは100。
1レベル上がっていく事に50ずつ必要数が増えていきます。
レベルが位置上がるにつれHPMPは10、その他は5あがります。
誤字報告、ありがとうございます!!
( ˘꒳˘)




