第三話 五月祭り
五月祭りが始まった。
本格的な春の到来と、私達の信奉する女神様や春を運んで来る精霊達をお祝いするお祭りだから、デューネやメルたちをお祀りする祭りでもある。
当日は、町の人達によって投票で選ばれた女神様役の女の子が、白い衣装と花束で作った冠を被って、正門から町に入ってきた後、神官や王国軍を引き連れて大通りを行進する。最後に、町の広場に作られた舞台の上で、春の到来を宣言し、夏と秋の豊穣をお祈りして儀式が終わる。
夜になると、女神様の巫女役が松明で明るくした舞台で踊るのだが、時間が時間なので大人限定だ。
女神様役は、十歳以上の未成年の女の子が一回限りで務めるのだが、一七五の会では、ベアトリクス、ヴィル、メアリーがなった経験がある。
四人の男女二人ずつの待祭が、女神様の後に控える四大精霊役を務めるのだが、私はもう一人の娘よりは背が高かったので、水の精霊役をやった。
今にして思えば、その頃からデューネとは縁があったのかも知れない。
「さあ、こっからが本番だな。一丁、やるか!」
行進が始まったのを見届けたマチルダが、自分の顔を両手で、パシパシと叩いた後で、指をボキボキと鳴らしている
全く、出入りにでも行く積りなのか。
「あんたはパウルさんの手伝いだからね。お姉さん達を怖がらせちゃだめよ」
「分かってるよ。ちょっと気合い入れただけだ」
案の定、ベアトリクスに釘を刺されている。
マチルダは銀細工のアクセサリーを幾つか作っていて、出店にも出すのだが、今日は子供をお椀に乗せる役割だ。
一七五の会の店のオープン記念なのだ。狙いは若い女の子なので、武闘派は少しご遠慮願う事にした。
意外と面倒見が良いので、子供の相手をさせるのが一番だ。
予てからベアトリクスが調整してきたように、同業者同士で正門前に出店を並べた。男性用、女性用、年配用、子供用、お金持ち用と、それぞれに得意分野の服を並べ、そこに若い女子用のマーブル染めやアクセサリーを出す。
「では、皆さん。うちで客寄せは担当しますから、頑張って売り上げを伸ばしましょう」
五人いる町の仕立屋さん達に声をかけると、うっしゃあ、と気合いの入った声が聞こえて来た。首を回しながらゴキゴキ鳴らしているのもいる。皆自警団とは言え、どうもマチルダに影響されている。
マチルダは、ウォー・ハンマーでイノシシに殴りかかるスタイルで有名だ。衛兵隊は兎も角も、接近戦で止めを刺す猟師は稀らしい。いまやイノシシ殺しのあだ名がついて、色んな意味でファンがいる。
「デューネ、お願いね」
「分かったわ」
ブツブツと詠唱する振りをして、右手を前に突き出す。ついっと腕を上げると、川の水が移動してきてフワフワになった。
リュドミラとボニーが広場で呼び込みをやっているから、もう少ししたら、行進を見届けた客がやってくるだろう。
フワフワとお椀のお客は主に子供だから、同行は子連れのお父さん、お母さんになる。そこへ若い女子を集めなければいけない。
客寄せの一環として、マルセロ商会お得意の髪染めと似顔絵の即売会もやっている。髪の毛はアンジェリカさんで、似顔絵がベアトリクスだ。例によってキャサリン先生の新しい似顔絵を沢山用意しているから、ファンのオッサン達も来るだろう。加えて今回からはグラディス様も数多く用意している。お姉さん達もきっと来てくれるに違いない。
「これは、ベアトリクスがデザインしたの?」
デューネが着ている服は、水色地に腰から裾にかけて白と黒と濃い青で水が流れて弾けるような模様が染められている。
女性用の服の素材は麻袋では無く羊毛を使った。野戦服と違い着心地も良い。
「そうよ。お祭り仕様なの。気に入ったらあげるから、うちの商品の見本もやってね」
デューネの美貌はグラディス様や黙っている時のヴィルに匹敵する。
加えて、メアリーは自分がデザインした、赤を基調としたマーブル染めを着ている。きっと、若い男性ファンも来てくれるに違いない。
グラディス様はともかく、ヴィルもいてくれればよいのだが、残念ながら町役場の職員は衛兵隊と一緒になって町の警備をやっている。
「お手伝いしましょうか」
日頃から、マーブル染めに参加してくれている五人の子連れのお母さん達が申し出てくれた。新たな職業を手に入れた事で感謝してくれているらしい。
最初のうちは黒紫ばっかりだったが、今では合格品の紋章付きが日産十枚を超えている。紋章付きは銅貨二十枚で売れるのだが、町や村の衛兵隊、王国軍に加えて、中の原猟兵隊が黒紫と併せて全部買ってくれている。日割で支払っているので、生活は安定したようだ。
「いえ、結構ですからお祭りを楽しんでください」
丁重にお断りして、内緒でお椀とフワフワの二回目の整理券を渡してあげた。
子供という一つの夢を手に入れたのだから、その夢を育むために、お休みの日くらい子供と一緒にゆっくり過ごして欲しいものだ。
ベアトリクスも、宣伝やってね、と言いながらお母さんたちの髪の毛を無料で染めていた。
段々とお客さんが集まって来た頃、ヘンリー様御一行が来てくれた。孤児院の出店を手伝っているのだが、こちらの様子を見に来てくれたらしい。
「おお、ジャンヌ。繁盛しておるか?」
「お陰様で、ボチボチ売れてます」
十着ほど用意した女性用マーブル染めは、今のところ一着も売れて無いが、緑マーブルやアクセサリー自体は好評だ。
「どれ、儂らも服を買っていこうか」
「お金はあるんですか?」
「土木工事で結構稼いだぞ。王都までは普通の宿に泊まれるくらいじゃ」
そう言いながら、男性用と年配用をそれぞれ見て廻っている。
お椀に乗ったら、二、三泊だろう。三人分の服を買ったら、あまり残らないような気もしたが、追及するのは止めておいた。
結局、孫に買うんじゃ、と言いながら緑地に黄色の刺繍の入った子供用まで買っていた。メルにプレゼントするに違いない。
しばらくいて、町へ戻っていったと思ったら、今度はロバーツ様とグラディス様が来た。お付きの騎士様もご一緒だ。
男性陣は緑マーブルを着ているが、グラディス様はメディオランドに行く前にメアリーが描いたデザインのマーブル染めワンピースを着ていた。緑地に黒い流線と薄いマーブル染めの模様を入れた大人っぽく上品な物だ。素材は、流石とも言うべきで絹だった。
中の原のお祭りに来るのが二回目になるので、皆慣れたのだろうか。お姉さん方の集団が遠巻きにして見ている。
オッサン達の群れが、さらに後ろで背伸びをしているのは、お姉さん方に追いやられたのだろう。
ヤバい、と思いメアリーを見ると、失神せずに泣いていた。
「どうですか?」
と聞かれるが、満足に答えられないようだ。
「あ、ありがとうございます。素敵です」
ようやく言って、グラディス様に抱き着いている。
慰めて貰って、笑顔になって色々話をしていたが、なにやら耳元で囁かれた、と思ったら失神してしまった。
「大丈夫ですか?」
「ごめんなさい。こんな風になるとは思っても見ませんでした」
「何か、あったんですか?」
「いえ、あの……」
顔を赤くして言い淀んでいる。
グラディス様らしくないな。そう思っていたら、意を決したように言ってきた。
「先ほど、アドルフ様にメアリーの新しいデザインを見せて頂いたのですが……」
グラディス様あてのデザインはアドルフ町長から送って貰っている。
「赤い肩の出た方を私専用の夜着にする、と言ったら、こうなってしまって……ごめんなさい」
メアリーを支えながら、真っ赤な顔で俯いている。
そりゃあ、無理だろう。そんな事を言われて、メアリーが耐えられる訳が無い。
幸せ者のロバーツ様を見ると、ベアトリクスと話をしながら大笑いしている。
男は気楽でいいなあ。
早速、ベアトリクスを呼びつけてやった。
「いいわよ。グラディス様。後は任せて」
ベアトリクスが受け止めて、デューネと一緒に出店の裏に運んで行った。きっと、水をぶっかけるのだろう。
「本当にごめんなさい」
「いえ、気にしないでください。本人も本望でしょうから」
「そうだと、良いのですが」
気にしても仕方ないので、飾っているマーブル染めを一緒に見る。
「どうですか? 売れていますか?」
「今のところ一着も売れてませんが、多分これから売れると思います」
お姉さん達がジリジリと距離を詰めてきている。
緑マーブルも、お二人が買って以来、人気商品になっている。今回もきっと売れるに違いない。
「グラディス様に着て頂いているので、あの人達に売れると思います」
「そうですか。では、少しお手伝いをしましょう」
そう言うと、お姉さん達を手招きして、私達のマーブル染めを宣伝し始めた。
「いずれ、私達が作る服が生活の苦しい女性を救うと同時に、セルトリアの新しい文化を創ることになるかもしれません。気にいっていただけたら、是非買って貰えると、大変うれしいです」
一人、一人の手を握って説明し、買うと言ったお姉さんの体に服を当てて、似合う色合いを選び始めた。
グラディス様にそんな事をされて、買わない女子はセルトリアにはいないだろう。あっという間に売り切れて、買えずに似合う色合いを教えて貰ったお姉さんの予約まで入った。
「ありがとうございます」
お礼を言っていると、ロバーツ様が寄って来た。
「どうだ? 俺の似顔絵は売れているか?」
「今日の分の人気で言えば四番目くらいですね」
「一番は誰だ?」
「グラディス様です。二番目が孤児院のキャサリン先生で、三番目がメアリーです」
グラディス様が頬を染めて、俯いている。
「ジャンヌの絵は売れんのか?」
「ベアトリクスが描かないので。私も断ってますし」
「なんだ、勿体ない。東の原猟兵隊の一番人気はジャンヌだぞ」
思わず顔が赤くなる。
グラディス様がニヤニヤしていて顔を覗き込んで来た。
てっきりアンジェリカさんだと思っていたが、違う様だ。よく考えてみたら、東の原では餌付けの機会がなかったな。
「今日はどうされたのですか?」
「なに、服の宣伝に来たのさ」
そう言って、グラディス様と一緒に遠巻きに見ているお姉さん方を引き連れて行ってしまった。
その直後、青い池のほとりで風の精霊と語らうグラディス様の似顔絵が、ベアトリクスの呼び込みを聞いて殺到したオッサン達に飛ぶように売れていた。
どうも、似顔絵の売り上げは、オッサンに支えられているようだ。
一七五の会のオープン記念は成功と言って良いだろう。客寄せが功を奏したのか、他の出店にも満足して貰えた。なんと言っても、マーブル染めが売り切れたのは大きい。人気が安定すれば、救済策で雇う人の数も増やせるかもしれない。
日が暮れる前に打ち上げを兼ねて、メルも呼んでデューネやヘンリー様達と一緒に幽霊屋敷でパーティーをやる。
明るいうちだったので、バックヤードの花畑の横に布を広げて皆で座り込んだ。
「こういう庭がある家はいいのう」
広大な王宮に住む王族が何か言っている。
「種は何を撒いたんだ」
「キャベツと人参とリーキ」
バックヤードはリュドミラの管轄だ。
畑と山羊とクヌギの木と花畑の面倒を見ている。
そう広くはないのだが、それでも東西方向に大股で十五歩、南北方向に三十歩ほどある。
それを四つの区域に分け、日当たりの良い東北に畑、西北にクヌギと花畑と皆で座れる広場にしている。
南北は木の柵で区切り、幽霊屋敷の陰になる西南に、マチルダが山羊の小屋と石窯小屋を作り、東南は雑草を生やして山羊に食べさせている。
花畑といっても、隅に植えた山取りのクヌギの木の回りを石で囲んだところに、キツネ退治の時に引っこ抜いて来た花を咲かせる野草を植えているだけなのだが、メルが蜜を吸うには丁度良いようだ。ヒラヒラと蝶の様に飛びながら花に顔を突っ込んでいる。
「あら、小鳥が飛んでくるのですね」
小鳥が一羽私の肩に止まったのを見てエレノア様がびっくりしている。
チュルリだ。冬の間はデューネに貸し出していて、暴れる木達の虫取りをお願いしていた。
ボニーが巣箱を作って山羊小屋の天井に吊るしたから、普段はそこにいる。
芋虫を何匹かあげたら、チュルチュルと鳴いてどこかへ飛んで行った。その内彼女を見つけてくるかも知れないな。
「ヘンリー様達はもう王都に帰っちゃうの?」
「そうだな。そろそろ、魔王軍との戦いが再開するだろうからな」
「ヘンリー様達も戦うの?」
何せ元英雄だ。強力な戦力になるに違いない。
「いや、儂らは留守番だ。当代が戦場に行くので、代わりの者が必要なんじゃ。政務は宰相がおるが、他国からの使節が来たら相手をせねばならん」
「面倒くさそうね」
「なに、当代によしなに伝えておくと言って、一緒に酒を飲んでおけば、後は宰相がやってくれる。儂は何もしとらんよ」
ワハハと笑っている。どこまで本当なのかは知らないが、きっと色々と大変なのだろう。
「そう言えば、ベアトリクスは中級魔法使いになったそうね」
エレノア様が早速聞いて来た。ベアトリクスの師匠になる気かも知れない。
「でも、フレイムだから森の中とかで使えないのよ。火事になっちゃまずいでしょ」
「中級魔法を覚えて、魔力制御が上がっているのですから、他の魔法を効果的に使えば良いのですよ」
こんな感じ、とマチルダに持ってきてもらった木の板に向かってウォーターを唱えたら、板に指が二、三本入るくらいの穴が空いた。
「げっ!」
普段冷静なベアトリクスが変な声を出した。
言葉を失ってしまったようで、穴を指差しながら、パクパクと口を開けている。
「へえ、凄いじゃない」
「人間にしてはやるわね」
デューネとメルも驚いたようだ。彼女達なら出来るのだろうが、こちらは人間だ。
「ちょ、ちょっと待ってよ。どうやるの?」
レベルが違いすぎるのか、珍しくベアトリクスが理解出来ていない。
「目にも止まらない速さで撃ちだすのです。速さは攻撃力ですよ」
ウォーターで水を出して見て、と言われて握りこぶし大の水の玉を出す。
「もう少し小さいのを出せるかしら。その半分くらいでいいわ」
手のひらの上に親指と人差し指で輪っかを作ったくらいの水の玉が浮かび上がった。
「あの穴を良く見て。打ち出した水の玉が目にも止まらないくらいに速く目標を捕えて、当たった所を一瞬で撃ちぬくのを想像するの」
一発撃ったが、ビチャッと音がして水が跳ねるだけだ。板にはなんのダメージも無い。
「もっと早くよ。イメージを高めて」
ウンウン、言っている。遅くするよりは早くする方が難しい。目にも止まらぬ速さがイメージ出来ないのだ。
ベアトリクスの額に汗がにじんできた。
いつぞや初めて分裂魔法を使った時と同じだ。
「撃て!」
エレノア様の合図と共に打ち出すと、的に向かって飛んで行くと、今度は、バキッ、という音がして、板にヒビが入った。
ベアトリクスは、ゼイゼイと肩で息をして喘いでいる。
「初めてにしては良い方ですね。もう少し速度と穴を空ける強いイメージが欲しいわ。一日一回は練習しなさい。板が割れたら合格です。でも、上級魔法を覚えるまでは中級魔法でやってはいけませんよ。脳が壊れますからね」
脳が……。
恐ろしい事をさらりと言ってのける。
もしかして、誰か脳の壊れた人を知っているのだろうか……。
「デューネも出来る?」
メアリーが聞いている。水の初級魔法しか使えないから魔物退治に参加出来ない。最近、それをやや苦にしているのだ。
「出来るわよ」
デューネが人差し指を的に向けると同時に、ポン! と音がして指一本分の穴が空いた。確認してみると。穴の部分が、きれいな円筒形になって反対側に落ちている。
「流石は精霊ね。ここまでは人間には出来ないわ」
エレノア様も舌を巻いている。
「私も出来るよ」
メルが羽を生やした姿のままで腕を伸ばすと、同じように穴が空いて円筒形がもう一つ出来上がった。
パウルさんがやると、エレノア様の開けた穴の大きさに板がひび割れた。上級魔法使いでも穴は空かないようだ。
「魔法制御力が違いすぎるな。とてつもない速度で打ち出さねば、エレノア様の真似はおろか、デューネやメルのようにはいかんぞ」
両手を上げて降参している。
リュドミラが挑戦すると、板に当たって派手な音がした。ネズミを気絶させる事は出来るかもしれない。
「ちょっと、待って。私もやってみるわ」
メアリーが頑張って小さいウォーターの水を出そうとしたが、握り拳くらいの大きさしか出せないままで力尽きてしまった。出力の調整自体が出来ない様だ。そのまま飛ばすと、バシャっと板に水がかかっただけになった。初級魔法一個しか使えない者の限界かもしれない。
「メアリーは、まずは小さいのを出すところから始めなさい。でも、あまり根を詰めない様に。そうね、魔法を一回も使っていない日に、一日五、六回程度。やりすぎると気を失いますからね」
「はい……。すみません」
初級魔法一個使いでも、リュドミラがやったような事ぐらいは出来るそうだ。大人がぶん殴ったぐらいの威力はあるらしい。
メアリーの場合、気絶と失神は日常茶飯事だから、是非練習して貰いたいものだ。
「ジャンヌは何も飛ばさないの?」
「私は別に……」
息が戻ったベアトリクスが聞いてくるが、神聖魔法は魔物の類にしか反応しない。マルセロさんのホーリーと比べたら分かるように、小さいよりも大きく太い方が効果も高い。
「あら、ホタルは飛ばせるようになったじゃない」
自分で飛ばせることは飛ばせるが、近くでフワフワ漂わせるだけだ。
「ジャンヌの魔法は、あるべき姿の者には無害よ。だから、木に穴は空かないわ」
デューネが助けてくれたが、これにヘンリー様が反応した。
「面白い事を言うのう。魔物はあるべき姿では無い、という事か?」
「そうよ。あいつらは、本来の姿を見失っているのよ」
「本来の姿とは?」
「例えば、熊……普通の動物の熊が魔獣のクマになるでしょ? 本来の姿が動物の熊で、おかしくなっちゃったのが魔獣のクマよ」
「ふうむ。オーク共もそうかな?」
「オークはオークよ。ただ、あいつらは、本来この世界にいるべき者では無い……つまり、あるべき姿では無いと言って良いと思うわ」
ふうむ、とヘンリー様が腕を組むと、エレノア様が後を引き継いだ。
「オーク達はどこが本来いるべき所なのですか?」
「分からないわ。どこからか湧いてきたのかもね。あれは、この世界にいる何かが変わった者では無くて、変わった何かに生み出されたのか、もしかしたら呼び出されたのかも知れないわね」
召喚と言う言葉がある。この世の者では無い者をどこか別の世界から呼び出す、という意味らしい。
この世には天国や地獄を含め、いくつかの世界があり、女神様も通常は私達と違う世界に住まわれていると教会では説明している。
魔物については普段意識していないだけに、デューネの言葉は衝撃だった。
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