人肉海岸にて
海辺に、人肉釣りをしている私と彼女がいました。
私たちは、人肉がよく釣れるこの「人肉海岸」で
日々、自給自足の生活を送っているのでした。
なぜ、ここで人肉がこんなにも釣れるのか、
私たちには検討もつきませんでしたが、
大きな流木に二人で寄りかかって座るのが、
私たちのいつものスタイルです。
今日はもう2体ほど棹にかかり、引き上げたのですが、
まぁまぁ、食べれそうな感じです。
そして、さっそく3体目が・・・。
でも、ちょっと軽いようです・・・。
引き上げてみると、それは中学生の少女みたいで、
さすがにこれを食うのはかわいそうだと、ロリコンは思いました。
まだなんとか蘇生できそうな、きれいな肌の色をしていたので、
一応、人工呼吸をしてみました。
はじめてのことでしたが、意外とできるものだと思いました。
一向に反応がなく、やはり素人ではダメかと思いましたが、
気づくと、さわやかな澄んだ瞳でこちらを見つめています。
少女は起き上がると、いろいろ事情を話してくれました。
はっきりした話し方で、素直ないい子なのだとわかりました。
どうやら両親の仲がとても悪く、絶望して、自殺を試みたようなのです。
でも、今はなぜだか、とてもスッキリした気持ちのようです。
「ありがとうございました」
少女は浜辺から高台に上がるドームのような螺旋階段を登っていきます。
「またなにかあったら、来いよ!いつでも・・・!
たぶん、ここにいるから」
少女は軽くうなずくと、明るく帰っていきました。
たぶん、希望的なことばかりではないとは思うけど、
また、私たちに釣られるとも限らないのだから・・・。
おバカな文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
生きることは、苦しいこともあるけれど、きっとその中に暖かいものもあると思うんです。(作者)