やさぐれメイドと
短編って意外と楽しい。
やさぐれメイドってのが好き。でも私の中でのやさぐれメイドってこれ、読んでみて♡
「おかえりなさいませ!ご主人様」
ペコリとお辞儀をして、ご主人様を迎える。
基本外にいるため、帰ってくるのは夜。
その間に、家事やらなんやら済ませておく。ご主人様が帰ってきた時、綺麗で清々しい思いをして頂くためだ。
「あぁ、ただいま。君達お疲れ様。今日はもう上がりなさい」
「かしこまりました。先に失礼いたします。」
お辞儀をして、部屋を出る。今日の仕事はおしまいだ。
「はぁ.....,くっっっっっそダリィ」
煙草を吸いながら愚痴をこぼしてしまう。
もう仕事は終わったから、私の自由だ。そして至福のひとときのはず。だけど愚痴が零れる。
「そもそも私にはこんな仕事向いてねぇんだっての!スラム街上がりの女を普通メイドにするかって話だろ....」
自室で一人、ダラダラと愚痴をこぼしている。
「でもまぁあっちよりはマシだからなぁ」
煙草を口に咥えぼやく。殺るか殺られるか
の死の世界よりはずっとマシ、平和すぎるくらいだ。私は改めて感じる。
「おいおい、一人でなぁにほうけてんだぁ?」
「げっ、アージャス....なんでいんのよ」
サングラスをかけ、茶髪に髪を染め固めている男が私の部屋に侵入していた。全く気配が無いため、ぼやきを聞かれていたようだ。全く腹ただしい。
「まぁまぁそんなこったぁどーだっていいじゃんよ?メイカこっちの世界どうよ?」
「どうって、あんたが無理矢理連れ出して来て....。まぁ平和ね、バカになりそうだわ」
「ハハっそいつぁいいねぇ。それに約束だったろ?俺に負ければ俺の言う通りにしろって。」
「言ってたわね、それでどーしてメイドなんかやらなきゃいけなかったわけ?」
「んぁ?そりゃぁこっちの仕事でメイド欲しいつぅからだよ」
「他にいい女いるでしょ?ゴミダメ場から出た人間よりね」
「いやぁ俺の職業病ってのかなぁ?やっぱメイドでも強い方がいいじゃんよ?可愛さばっかでも何もできなければ意味ねぇ。だったら多少顔を捨ててでも強い奴選ぶってもんよ」
「へぇ私の顔より、力だったのね!」
少々苛立ったので思いっきり蹴りをかます。そして腰につけてる銃を抜き出しアージャスに向ける。
「いやぁそうは言ってねぇよ。可愛いもちゃんとある、普通に可愛いから安心しろ、そんで銃を向けんな。あぶねぇだろ」
そう返事を返して来た。
「まぁ俺に勝つにはぁまだ早ぇはな?」
私の額にリボルバーを向けて。
私の銃はアージャスの手で打てなくなっている。全く化け物だわ。
「まだ早いかぁ。あんたに私は借り(負け)があるからねぇ。早いとこ返したいんだけどね!」
「まぁそう焦んな、メイカが強くなるまで待ってやるからよ」
笑って私の頭をぐしゃぐしゃッと撫でる。荒いんだね....
新たに煙草を取り出し、吸う。ストレスが溜まった時に紛らわすためだ。
「俺にも一本くれ」
「ん」
一本箱から出しアージャスに渡す、ライターで火をつけ、ベランダで吸う。
「んてかよぉ?メイドが煙草吸ってていいのか?」
「知らないわよ、ルール無いでしょ?てか真面目にメイド業する気ないし、金もらえるから出し」
「はいはい、」
他愛もない会話を私達はした。
私、メイカはアージャスの賭けに負けイヤイヤながらメイドをすることになった女。好きなものは煙草と体を動かすこと。
ぶっちゃけ私のプロフィールとか要らないわね。
「おはようございます!ご主人様、朝食の準備が出来ましたのでお呼びさせてもらいます」
次の日の朝、私はメイドとしてご主人様(名前忘れた)を起こしに行った。はよ起きろやボケ、などと思ってない。思ってない。
ただ昨日アージャスと戦ってボコボコに負けたため、少々イラついている。ほんと強い。
「あぁ.....すまないねぇ、おはよう」
「はい!おはようございます!ご主人様」
やってらんね。と内心で思いつつ顔は笑顔。
その後身支度を済ませ、仕事に出かける時間だ。
「いってらっしゃいませ!ご主人様」
一人で行けや.....こほん!
後は部屋を掃除するだけだ....
まぁ部屋を掃除し終え、片付けて、ご主人様も居ないし、煙草を吸おうと思い、外に出た。
「はぁ全くやってらんねぇな....」
煙草を口に咥え遊んで居たら、
「そこでなにしてるの?お姉さん?」
「あぁん?」
おっと昔の口調が出てしまった。てか子供?この館の子か?会ったことねぇな。
「ガキが、ここにきてはいけないね。さっさと戻りな」
「えぇー、やだよぉ!」
「いいから、戻りな!」
「ヤダァ!折角メイドさんから逃げ出したのにぃ!」
「は?」
今この子メイドって言ったか?逃げたって?
「あ!ここにいたんですか!全く!探しましたよ!アリトン様!」
おっとメイドが走ってきた。おそらくこの子のメイドか。
て、やば煙草消しとかなきゃ!
「わぁ!見つかっちゃった。むぅー」
「早くお部屋に戻りましょう、そこの貴方もサボらず仕事しなさい」
「はいすいませんした.......」
「あ、お姉さんバイバイー」
「バイバイー」
「なんて口の利き方!貴方知りませんよ!?」
何かまずいこと言ったか?あのガキが息子とか?ハハッねぇな、似てねぇだろ。好青年過ぎだ。
「まさか....な」
その夜、私はご主人様に呼び出された。
どうやら大事な話らしい。
(まさか、あのガキ関係か?息子に対する言葉遣いが悪いから首とかか!?)
とまぁ内心ビビってんだな。
まぁ覚悟決めるしかねぇよなぁ!
「失礼いたします。」
「うむ、よくきたな。ここに呼んだ意味わかるかな?」
「すいません、よくわかっていません。」
「ははっ、そうだろうね。今日アリトンって子に会わなかったかい?」
「っ!会いました。」
「そうか。あの子は私の息子でね。それで、タバコを吸っていたのわ事実かい?」
うっそだろ。マジかよ、マジで息子だったよ。しかも煙草のことバレてるし!あのメイドだろ!クソが!
「とんだご無礼を!すいません!後煙草は事実です。こんなメイドは失格ですよね、首にしてください」
はぁもう終わったわ....またゴミ溜め行きかなぁ....
なんて思っていたけども、ご主人様から返ってきた言葉は違った。
「ハハッ何を言うか!私はその程度で首にはせんよ!それにな、珍しいんだよ、アリトン自身が興味を持ったことにな。」
「はぁ....ってどういう意味でしょうか?」
「あぁ、君はね、明日からアリトンの世話係になってもらうことになった。これはアリトンからのお願いでね、あのタバコ?を吸ってるお姉さんに変えて!って言ってね。ははは!」
笑えないんですけど。首じゃなくてガキの子守しろってか?ゴミ溜めの女にやらせることではないでしょ。
「はぁ、精一杯努めさせてもらいます。」
「頼むよ!」
はぁ憂鬱だ....
次の日
「失礼します、今日からアリトン様のお世話係になります。メイカと申します。」
「あ、タバコのお姉さんだ!わーい!」
「タバコのお姉さんではありません。メイカです。」
「メイカさん?メイカお姉さん!」
「はい、なんでしょう?」
「これからよろしくね!」
「はいよろしくお願いします。」
ガキの世話生活が始まった。
数年後
「おーいメイカ、タバコ」
「あー?ガキには早えよ。」
「俺一応吸えるとしだけど?」
「不健康になるぞ」
「メイカねぇさんみたいになりてぇんだよ」
「私よりご主人様見習え、ガキ」
「メイカねぇさんと結婚してぇんだよ!」
「ゲホッゲホッ!!!」
「タバコもーらい!」
「バカか?クソガキ!」
とある館の一部屋、館の主人の息子は、ある女性に恋をしていた。
お久しぶりです。ナスです。
忙しかったのですよ。すいません。
なんで短編でゆるちて、次こそ書くからぁ!