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会敵、そして発砲

こんにちは。今回でプロローグ含め3話目になりますが、ここまで書くのに半日近く掛かってます(´・д・`)



そして他の作家様達の苦労が分かってきたかもと思う今。



このク○小説を書くのにこんなに苦労するなら、他の作家様達はもっと苦労しているに違いない。



そんな訳で第3話です。

ビィィィィィィィ……


カタカタカタカタカタカタ……



俺は低速で市街地に戦車のエンジンと地面を噛むキャタピラの音を規則的に他の部隊の戦車と共に響かせ、作戦の予定地点へと向かっていた。稀に道の脇に避難民が乗り捨てたであろう、車の警報器が戦車の通る際に起きる振動を感知し鳴ったが、それ以外の音は聞こえないく、まるで人類が滅亡したかの様な雰囲気を醸し出していた。




あの日の事件から、日本は近隣諸国と戦闘状態に入った。狙いは勿論日本に埋蔵されているメタンハイドレートだ。海上自衛隊と航空自衛隊は近隣諸国の同盟軍の迎撃を行っていたが、敵の数にモノを言わせた人海戦術で徐々に自衛隊を追い詰めていき、開戦から僅か半年で陸軍の上陸を許してしまった。しかし、本土の兵器工場をフルに稼働させ、兵器や弾薬を製造し、部隊に回し、部隊もそれを惜しみ無く使い同盟軍の進行は遅れ、今や膠着状態となっている。



俺も駿も揃って25歳になった今年、我々の部隊にも遂に実戦参加する事となった。

今回の作戦のは石川県の千里浜で上陸してくる敵の機甲部隊の迎撃だ。本来なら特科の自走砲や対艦ミサイルで敵の揚陸艦艇を沈める作戦になるはずで、戦車はあくまで保険的な要素が強い。



しかし、同盟軍は日本中の海岸で防衛戦が行われており、敵の数も多い為、おのずと撃ち漏らしが出てくる。そうした撃ち漏らしを排除するのが今回の作戦における戦車部隊の役割だ。


本来なら戦車はこの手作戦で移動する際は、専用の運搬車や鉄道網を利用し展開させるのだが、それらの車両は度重なる本土戦で損失や別部隊の用途に使われ、比較的作戦地域に近い俺達の部隊の戦車は自走しながら目的地へと向かっている。



そして、先行する中隊長の戦車が全体止まれのハンドサインを後続の戦車に送る。それを受けた他の車両の車長も続いて後続の戦車にハンドサインを送る。 俺もハンドサインを受けた駿の指事通りに愛機である10式戦車にブレーキを掛ける。



キィ……!と徐行に近い速度で走っている戦車は音をたてて一瞬で止まる。以外と知られていないが、戦車の制動力はとても高く、自衛隊の戦車に関して言えば全速力て走っている走ってる際に急ブレーキを駆けるとキューポラから上半身を乗り出した車長がケガをするほど強く、殺人ブレーキとも呼ばれているくらいだ。



後に無線で駿が何故停止の指事を出したのかという理由を聞くと、後続の車両でエンジントラブルが起きたらしく、復旧まで少し時間が掛かるそうだ。それまでの間は小休止という事で戦車のエンジンを止め、他の隊員達は車外に出て他の戦車のクルーとこの作戦についての話や世間話などをしている。俺も他のクルーと同じく、戦車から降り、砲塔に登り駿達と束の間の顔合わせをするのであった。



「もう丁度1年だな...」 駿が呟いた。




「海さんと空さんは相当敵を沈めたらしいが、今でも上陸してくる部隊がいる。兵士は畑から取れるとは、昔の将校さんは良く言ったもんだ。」



「ああ、全くだ」



皮肉混じりの世間話をしつつ、俺はふと戦車の停止している場所の目の前にあった高校と思える敷地のフェンスの掲示板が目に入った。それには「入学おめでとう!」と言う大きな張り紙の下に貼られていた部活動への勧誘の張り紙だった。一部は剥がれ落ちていたが、ちゃんと雨対策の加工もされており、まだ張り紙に書かれた文字やイラストがハッキリと見える。



この市街地は海岸に近いと言うこともあって、避難命令が出されてたのが連中の上陸が始まった1年前。たった1年しか経っていないが、街中に放置されている一部の車のタイヤの空気が抜けてパンクしている状態で汚れや埃を被っており、道の脇や割れ目からはうっすらと草が生えている。



このような光景を見るとゴーストタウンになったと言わざるおえないが、こうした張り紙や街路樹として置かれた桜が花を咲かせているのをみると、まるでこの街が未だに活気付いた時の光景が脳裏に浮かぶ。



そんなこと考えながら黄昏ていると、無線で中隊長が「各車運転よぉい(用意)」と指事を出す。どうやら後続の車両の復旧が終わったみたいだ。その無線を聞いた俺や他の操縦手が一斉に戦車に乗り込み、中隊長が「始め!」と号令を出すと同時に


ヴゥォォォォン!



黒い排気ガスと共に再び轟音を轟かせる。そして車長の「前進!」と指示が入ると再び戦車部隊はカタカタカタカタ、とキャタピラの音を響かせながら前進する。千里浜の防衛線まであと12キロだ。



俺達の戦車部隊は目的他である、千里浜に着いた。そして中隊長の指示で千里浜の海岸に侵入してゆく。この砂浜は本来なら「なぎさドライブウェイ」と言う観光道路である。



ここの砂浜の砂は、砂同士の密度がとても高く、普通車は勿論、大型のバスやトラックですらスタックすることもなく走ることが出来るため、今回の作戦で戦車部隊を展開させるにはもってこいの場所だ。そして各車が砂浜に入りある程度進むと事前に配布された資料に書かれた陣形に車体を向ける様に指示が出された。その直後、中隊の戦車合計18両が一糸乱れぬ動きで旋回し、波打ち際で停止した。表現するなら、かつて戦車戦で使われた「昼飯の角度」で戦車部隊が海の向こうを睨んでいる。



なお、本来の自衛隊の戦車中隊の編成は基本的に14両だが、今回は臨時編成という事で18両となっている。今回は27式戦車6両と10式戦車12両という編成だ。その後ろにある「のと里山海道」に特科の自走砲3個中隊が鎮座しており、何時でも主砲を発射出来る体制でいた。








それから20分ほど経っただろうか、無線で敵部隊を確認したとの報告があった。その瞬間、



ズグォォォォォォン!!!!



後ろに待機していた特科による一斉射撃が行われれた。砲撃は絶え間なく行われ、自走砲の発砲音はそれなりに距離のあるのにうるさいと思えるほど凄まじく、車内の操縦席でハッチを閉めてる俺にも火薬の臭いが分かる程だ。これ程の砲撃を食らわされても殲滅仕切れないほど敵はおおいのか?と思っていると、駿が



「敵影確認!」



と叫んだ。他の隊員も確認出来たらしく、目視で観測出来る距離に入ると自走砲部隊は次なる砲撃ポイントに向かい走り出す。

そして、敵部隊との距離が五キロを切った位のタイミングで、


ヒュン ズブァァァァン!!!!


敵戦車から発射された砲撃は俺達の乗る戦車の目の前に着弾した。



「っ!攻撃だ!被害状況を報告しろ!」駿がとっさに叫ぶ。



FCS(火器管制装置)T-ReCs(戦車連隊指揮統制装置)の通信感度良好、作動確認!異常ありません!」と砲手が答えると、俺も続けて



「エンジン、駆動系に異常なし!何時でも行けるぞ!」と答える。



「よし! サボ(APFSDS)は入ってるな!?敵の揚陸艇のクッションを狙え! この距離だとMBT(主力戦車)には有効打は与えられん!」と駿の指示に「はっ!」と短く答えたら直ぐに主砲を放った。



バァン!シュゥゥ……、凄まじい発砲音が一瞬響き、砲身から発砲煙が吐き出される。



10式戦車から放たれた120mmのAPFSDSは瞬く間に目標のクッション艇のクッション部に大きな穴を開けた。まるで風船に穴を開けたような勢いで空気が抜け、戦車を二両積んだクッション艇は浮力を失いあっけなく海へ沈む。他の戦車も次々に砲撃を加え、各車初弾命中を叩き出す。初弾で一気に18隻の揚陸艇を沈めることに成功した。しかし敵の数は凄まじく、いくら特科の支援が有るとはいえ、まさに多勢に無勢な状況であった。






そう、まだ戦いは始まったばかりなのだ。


読んで下さりありがとうございました。



この次でやっと主人公の士道がやっとアリアスに会います。



戦闘シーンって思ったより上手く描写出来ないモノですね()

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