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スケッチ4.肝心要の始めての交わい

 ☆★☆★


 そんな風にして、そう、その時がやって来た。


 ☆★☆★


 だが言葉――言葉はどうか。

 それが何処から来たのかもまた、思考の果ての出来事だった。

 成る程、“SF”や“FS”の様に、某へと由縁する――そう捉えても良いかもしれない。だが、それは霧自体であり、底の底と同じ存在だ。観測しようにも、推察しようにも、及ばないものなら幾らでもだ――勿論考える事は御自由にで――それが名前だとして、何故そんな名前であるのか? その意味は? 意味の由縁は? 意味の由縁の関連は? ヒトデがヒトデであるとして、何故ヒトデと呼ばれなくてはならないのか?

 その他諸々(アンドソーオン)

 だからこそに取るべき道は、諦めるか、我を貫くかの、お決まりとなった二つに一つなのだが――フェリックス・スコープツィッヒに前者を選ぶ気等更々無く、在る訳が無く、無いが為に、無かったが為に、彼はその舌先で、言葉を転がす真っ最中へと至ったのだ。


 ☆★☆★


 時には少しだけ待って貰おう――彼女達は未だ観測の段階で、推察には至っていない。


 ☆★☆★


 末広がる衆人区域(シュプ=ファベイラ)へポコポコと、無闇矢鱈に築き上げられた、似たり寄ったりな筐状の家々――多少の目印、差異はあるけれど、多少は所詮多少に過ぎず、傍目からでは見分けが付き難い砂岩の建造物の、その一つこそ――だが、あくまでそれは外身の話であり、中身を見れば、直ぐに解るだろう――山と積もった真実の欠片、何故拾って来たのか、いやそもそもそれが何であるのか忘失された品々の数々、棚という棚を埋め尽くす推測の残滓(スクロール)その群れ(ファインダー)は、ここが探求者(シーカー)の塒である事を、明らかに告げている。

 そして、そんな一室の中央、今にも崩れ落ちそうな物々に取り囲まれつつも所定位置を変える気は無いらしい、煙草の焦げ跡と酒の染み、自身の☆☆☆☆と他人の★★★★とで、見るも無惨に汚れ切ってしまっている寝長椅子(ソファ)の上でごろり寛ぎつつ、フェリックス・スコープツィッヒは、その左手に握った一物をうっそりと見詰めながら、思案に及んでいた。


 ☆★☆★


 時にはもう少しだけ待って貰おう――各員、丁度共通の人物へと思い及んだ所である。


 ☆★☆★


 一物は、六十()センチ(フィート)程度の長さを持つ棒状の器具だった――明らかに人間の手に合わせて誂えられた握り手があり、そこから先端に掛けて緩やかに湾曲しつつ、先端へと向けて細くなっていく。触れれば硬質な弾力があり、ぐいと力込めて曲げても、直ぐに勢い付けて元の形に戻ってしまう。何処まで持つかは不明だが、ある程度粗野に扱っても何の問題も無さそうだ。尤も、肌に張り付いて来る様な触り心地は決して良いものでは無いので、その辺りは心配するだけ無駄かもしれない。色彩も、微かに付いた乳白色だが、歳月なのか元々なのか、傷んで淀み、お世辞にも綺麗だとは言い難い。その印象は、鼻孔を擽る何とも言い難い生臭さ、いやもっと言って異臭に寄って強められている。抜けは良いけれど、一度嗅いだら、脳裏にべたりとこびり着いて離れない臭い。何に似ているか、と言えば魚ではあるが、それともまた微妙に違っている。ヒトデか、或いはその仲間、にはとても思えないが故に仲間とされている者共の、か。何にせよ、純粋に骨として石として採掘される類では無く、肉も痕もまだちゃんと残っている類を考えれば良いだろう――祭壇に安置、いや封印されていた事を思うと、良くは無いのは無論の事だが。


 ☆★☆★


 時にはもうほんの少しだけ待って貰おう――坂を降るのも、そう楽な事では無い。


 ☆★☆★


 それ――その器具について、フェリックス・スコープツィッヒが知ったのは、何時の何処の誰何からだったか、彼自身も、もう良く覚えていない――それこそは、忘れ去られた某の御座へと赴く為に必要な聖遺物であり、故に、真実を隠そうとする臆病者達は、それを封じた上で、封じたという事実それ自体を忘れ去ってしまったのだ――確か、そんな結末に達した事は、うん、確かに記憶している。その時、誰に、何に酷く酔っていたという事と含めて、だ。誰に対して、何に対して酔っていたかは、酔っていたので覚えていないけれど、ハッキリしているのは、その風説を彼は、彼の魂は真に受け、探索に及んだ末、それが眠っている礼拝堂を見つけ出し、それを叩き起こす手段を講じる事になったという事である。何故と言って、そこまでの過程は素面で書巻に残してあり、その調査に少なからぬ資産が投じられた事実、出来れば認めたくない事実と一緒に記載され、合わせて懐は悲しい程に軽く、妙に寒々しいからだ。今やかつて、ずしっとした存在感と共にそこを温めてくれていた物は、酒代やら衣装代やらの経費と共に別の物へと転じ、その別の物なら、昨夜の彼が気前良く放り投げてしまった。当然、気前は気を良くしたけれど、それを言うなら、手痛い痛みに変わりは無い。が、何、そいつもこいつも仕方無い事。全ては必要だったからしたのであり、そして目当ての物もちゃんと手にしているのだから、何を憂いる事があろうか――また? またか? そう、その可能性は、何時だって完全に消える事は無く、部屋は夢の跡で一杯だ。確かに、だが、フェリックスの霊魂は、その閃きは、今度こそ大丈夫と保証してくれているし、それに、そうまで言うなら、昨夜の事を思い出そう。

 あの時、あの瞬間、何が起きたか? それは、そう、こんな風な具合だった。


 ☆★☆★ 


 衝突(スマック)

 (幸甚……(センシティブ)

 瞬光(フラッシュ)

 (吃驚仰天(ファンタスティック)!!)

 衝撃(スマッシュ)

 (大破壊っ(スペクタクル)!!)


 ☆★☆★


 フェリックス・スコープツィッヒは、その時、その瞬間を脳裏に蘇らせ、バンバンと寝長椅子(ソファ)に一物を叩き付けながら、ゲラゲラと笑った――実際の所、大した火薬量では無く、傍から見ればそう面白い見世物でも無かったが、当の本人が愉しんでいるのだから構うまい――何にせよ目的は達せられ、左手のそれはビンビンと、撓りの良さを見せている。

 後は、こいつが風説通りにちゃんと義務を果たすのを待つばかり、ではあるけれど、その様な気配は未だ無い。嘘偽りかまやかしか、そうで無ければ時間か場所か、他の何かが必要という事なのだろうけれど、その猶予は、彼にとって都合が良いものだった。

 休息以外にもう一つ、やらねばならない事があったからだ。


 ☆★☆★


 時にはもうほんのちょっと少しだけ待って貰おう――嗚呼、本当だとも。後生だからフォー・ゴッド・セイク


 ☆★☆★


 問題なのは、そう、呼び方だった――御大層な風説が有ろうと無かろうと、“聖遺物”だけでは何とも味気が無くて愛着が湧かず、かと言って、一物一物また一物と、繰り返し続けるのもまた馬鹿の様で芸が無い――と来れば、必要なのは名前であり言葉であり、だからこそ彼は戒めを解いた者として、ある種の親として、その名誉を受ける権利を存分に行使している所だったのである――即ち、そう、命名という名の名誉を、だ。


 ☆★☆★


 嗚呼……高々と打たれし物(スラップスティック)


 ☆★☆★


 一頻り、己が活躍に思いを馳せつつ、寝長椅子(ソファ)に優しくない仕打ちを施した所で、フェリックス・スコープツィッヒは、頭上へと掲げたそれへ向けて、恍惚とした様子で言葉を紡ぐ――名にはちゃんと意味があり、と同時に、解り易いものが望ましい。一頻り観察と、そして実験を試みた事で、彼はそれが何に向いているかを理解し、そして本能に従い、その名前を口に含み、舌先で転がした――打擲棒(スティック)、と。それはなかなかに良さそうだったが、同じ本能が、もうちょっとの物足りなさをもまた訴えて来る。どうやら、付け合せが要るらしい。何が良いかと、六条に伸びる虹彩もギラギラと、フェリックスは透かす様にそれの全体を、上から下へと見つめ続け、結果として、相応しい代物を見付けるに至った――断片(フラグ)別け隔てられし物(フラッグメント)。一つきりで役割を全うしないと言うならば、それは、大いなるものの一部でしか無く、そう思って見てみれば、実際に欠片の様な気がしてくる。似ているのは何か、として脳髄に連なるのは肋骨であり、そうと来るなら、もしかしなくとも、某の、である可能性も高いのでは無いか。某が人類を産み出す元にしたと言うのは、泥と砂と、何だったか、良く思い出す必要があるだろう――フェリックスは、そこまで考えてから、笑みも堪え切れずと、その組み合わせられた名前を恭しく口にしようとした、が、待てよと、出掛かった所で、はたと止まる。これだけでも、充分と言えば充分だが、折角の機会なのだ、出来れば後小匙一杯程の手心を加え、口当たりを良いものとしたい――そうして、考えを進ます事、右へ左へ六から四五振り、ピタリ眼の前で棒を止めると、彼はがばっと起き上がり、両の手でそれを支える様にして持ち上げながら、今度こそはと、唇を開いた――これの役目が道案内とするならば、盛り込むべきは旗の要素(フラッグ)だ。今は見えざる神に合わせ、不可視の布地を払っては振り、振っては払い――何れ辿り着くと、その意志を以って契約を求めるかの様な厳かな調子で、彼は名を紡いで見せる。


 ☆★☆★


 御旗と共に(スラップ)高々と主を(スティック)求めて打ち(フラッグ)振るわれし物(メント)


 ☆★☆★


 完璧だった。少なくとも、フェリックス・スコープツィッヒに取っては、これ以上等無い様に思え、彼は自分自身の感性を、自分自身の歓声を使って、大いに褒め称えた。

 外まで響く大音量で(スフォルツァンド)!!

 それからフェリックスは、ヒュンヒュンと振り払ってから、その打擲棒(スティック)を、御旗印(フラッグ)を腰帯の間に差し込むと、踵大きく鳴らしながら、壁際の棚の一つの前へと向かう。

 そして、積み上げられた書巻の束を小脇へ退かすと、その奥の壁の切込にそっと手を入れ、ずいと引っ張り、密かに穿たれた孔を解き放てば、イソイソと這い進み、家の外へと出て行った――ここでの用はこれで終わり、時が遂に訪れたのである。本当だとも嗚呼本当だとも。


 ☆★☆★


 けれど、そこで直ぐに物事が進展を見せないのは、決して時の所為でも、フェリックス・スコープツィッヒの所為でも無い――迷いて言えば、迷路として入り組んだ末広がる衆人区域(シュプ=ファベイラ)の中からぐるりぐるり、相応の暇を掛けて漸くと星なる眼を見出し、正面の扉と屋上の階段、二つ在る出入口を掛け替えの無い同志達で固めさせつつ、自身も一角たる物陰から機会を伺っている、セネティアス・フィドゥシアンの主観に寄る所が大きかった。

 勿論、彼女は愚賽(ファンブル)の使徒であり、偏った考え等持ち合わせている訳も無い――無い、が、しかし、それはさて置き、この区域とその住人達は、何と無く我慢が出来なかった。

 無論、産まれと育ちの場所である試みなかった孤人区域(セイラム=フォウラム)とその住人達とに比べれば、そのし易さは比べくも無い――父、即ち、セネティアヌス・フィドゥシアンや、母、即ち、セネティアス・フィドゥシアン、そしてそんな彼氏彼女の不愉快なお友達が興じている、万物の太母たる土地と人材を賭金とした無意味な卓上遊戯に自分も参加する等、彼女にはとてもとても、考えられない話だった。それは不健全で、非道徳的な行いであり、自らそうする位であれば、あえての孤独を、その誹りを選んでも構わない。

 嗚呼構わない、けれど、ならば何故、大多数の市民達は、大衆は、そんな馬鹿げた行為へと律儀に付き従って居るのだろうか。秩序体系(システム)に属する、その事自体が良い事なのは当然だとしても、物事には限度がある筈だ。この世の理と、真理探求の様に諦めていると言うのだとしたら、それもまた不健全であり、非道徳的だと、言わざるを得まい。

 そう言う事だ――故に一抹の躊躇が産まれ、時に暫しの待ったが掛かり、フェリックス・スコープツィッヒは名声(フェイム)を、セネティアス・フィドゥシアンは羞恥(シェイム)を得る事になる。

 元を正せば、強いて強いて言えば、全て主観の所為には違いないが。


 ☆★☆★


 そう、そしてその時、フェリックス・スコープツィッヒが、人目の及ばぬ壁の孔から這い出て来たのも、眼で見て触れる事の出来る確たる証があった事を示しはしない。

 彼は常日頃からこう推察していた――自分が、真に秘められた世界の謎に触れる様な事があれば、その時は必ずや、自身を追って来る者が現れる筈だ、と。

 きっと大体これ位の時間が経過してから、彼等は現れる筈だ、と。

 そんな追跡者の名を愚賽(ファンブル)の使徒と呼ぶ事を知らず(何せ彼等の数はとても少なく、その諸活動も秘匿傾向にあった)、幾度と無くこれ幸いと孔を潜っては時が至ってないのを認め――また? そう、そしてまだだ――すごすごと戻って後に、今日は囚えられなかった自分に乾杯する事を繰り返して来たけれど、フェリックスはやはり決して諦めなかった――追い付かれてからでは遅いのである。

 しかしてそれも、今やかつての出来事だ――彼は声も無く、ほくそ笑む。眼前には、曲がり角の向こうに集中し、無防備な姿を晒している蒼い背中がある。月と太陽に先んじ、追い付かれる前に、逆に後ろへと追い付いたのだ。これがどうして、笑わずには居られまい。

 フェリックスは、そう静かに這い出ると、己が勝利を祝う様に、その勝利を齎してくれた腰元の打擲棒(スティック)を、その柄の辺りを、指の腹を用いて、すりすりと愛撫した――そう、後に続く行為に関しても、詰まる所はそんな行いの、延長線上にあるものであり、悪意も他意もあった訳では決して無い。いや、多少はあったかも知れないが、それとて、相手が自分の存在に気付いていれば、相手が女性だと気付いていれば――後者に関しては流石に酷と言わざるを得ないだろう、唯でさえ彼我の差著しい、その長身、その巨体を見て、誰が女性だと思うのか、しかも後ろを向いている状態で――中途でこう思い留まった事だろう。

 どうせならば道具等使わず、平手でやった方が余程愉快に決まっている――後々、実際にそうして行く事となる訳だが、しかし何にせよ、それは所詮もしもの話であり――詳細は、真相は、別段留まる事無く御旗印(フラッグ)を左手で引き抜き、ポンポンと軽々しく、掌へと打ち付けた所にある――遂に至った鬨の声を、盛大に響き渡らせたいという欲求に――小憎らしい程豊かに生い茂る樹上の緑も遥か遠い、俄に同じ人類とは思えないこの追跡者に対して、お前を出し抜いた、そう声高に知らしめたいという一念に――だから彼は、フェリックスは、大きくゆっくりと、その腕を振り上げたのだ――思い返して見れば、この時点で解っても良かったかもしれない、やや前屈みに身を乗り出した事で確かな丸身を帯びた輪郭を見せる一部位へ向けて、行きつ抜き足戻りつ差し足、昨夜よりも余程慎重に、けれど大胆に近付きながら――息を潜め、機を伺い――そこで傍と振り返られるなら、馬も脚止める眩い娘々(ファム=ファタル)か、意外と整った相貌の内に銀灰と煌めく、鏡面越しの瞳の奥に、ぎょっと身を強張らせる己の姿が映り込んで――しかして、予想だにしない事態に凍り付いたのは彼女、セネティアス・フィドゥシアンも変わらず、時既に至ってもう辛抱堪らなければ、最早フェリックスに出来るのは、へらへらと媚びた笑いに、失礼(ソーリィ)、という形だけの台詞であり――そして。


 ☆★☆★


 絹を引き裂く様な悲鳴(スパンキング)


 ☆★☆★


 音と声を耳にした六人の奉公人(サラリマン)が、片手を臀部に、蹲る主導者の元に集った時、曲者の姿はもう何処にも見えなかった――長居は無用、気配を察知するより前に増援が来るのを推し量るなら、いち早くこの場から逃亡を計ったのだ。地の利は彼の、フェリックス・スコープツィッヒの方にある。追い付くのはまず無理だ。今はもう、少なからず。

 それは誰の眼に取っても明らかで、だがしかし、数十秒の時を経てからゆっくりと、その威容を知らしめる様に立ち上がりつつ、鼻先の角縁眼鏡を指先で――むっつりと無言(シレンシオ)に――押し上げるセネティアス・フィドゥシアンの瞳は、そうでは無いと語っている。

 一瞬の邂逅だったが、その姿はしっかりと刻み込まれ、忘れ去る事は当分出来そうに無かった――一瞬子供と見間違えてしまった、人を馬鹿にしているにも程のある矮小な体躯。獣の血肉に似た生々しさが、華の名前とまるで不釣り合いなその髪の色。存在し得ぬ尾を持つ星の魚めいた、冒涜的な六条の軌跡を描く碧眼。そしてあの笑顔。

 そしてあの笑顔!

 体の内側から迸る熱に気圧される様に、側へと駆け寄っていた使徒達は思わず停止を余儀なくされた。瞬時に目配せが交わされ、最も背の高い、と言っても、セネティアスには頭一つは確実に及ばない一人が、咳払いをする。忠実なる、と言う事は、己の頭で思考する事は不得手とする部下として、次なる指示を言葉も無く乞い願った。

 それは返事の無い返答に寄って、待つ必要も無く直ぐに叶う事となる――目元を上に、口端を下に、きつく硬く締めた彼女は、慌てて追い縋る男達を引き連れ、大通りへと出るべく足早に、大股に歩き始めた――途中、物陰に身を潜めるフェリックスの眼前を横切るもそれに気付く事無く、星字(サイン)を切りながら出て来た彼が、幻の都の(パセリ)恋人達に(セージ)想いをそっと(ローズマリーに)馳せる様(タイム)、鼻歌交じりと、異様に愉快な様子で戻って行く方向とは反対側へと。


 ☆★☆★


 そんな風にして、そう、その時は過ぎて行った。

 だが、寂しがる必要は無い――もう次なる時が、直ぐ側まで差し迫っている。

 今度は直ぐに来て貰おう。また長々と待たせるのも、余り気分は良くないものだ。


 ☆★☆★

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