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ドS、強請られる

PCがイカレて修理に。原因はタバコのヤニwwマザボとファンに詰まって稼動してませんでした。今は快適です。

令の事務所が漸く機能し始めた頃、最初に訪れたのは招かざる客だった。人相の悪い男達が事務所の扉を開け放ち、ズカズカと無遠慮に足を踏み入れる。


「おい、兄ちゃん!店主を呼びな。」


談話室の椅子に腰掛けていた令に、乱暴な調子で呼び掛ける男。


「店主は私だ。用件を聞こう。」


「若けぇな。そんな歳でこの一等地に店ぇ構えるとはやるじゃねぇか。」


「諸君に誉められて喜ぶ程落ちぶれては居ないつもりだ。」


「んだとー!」


「客でないならお引き取り願おうか。」


男の激昂にも動じず淡々と応答する令。だが相手は令が恐怖を押し殺していると誤解したようだ。


「へへっ…いつまでそんな減らず口を叩けるか見ものだぜ。てめぇ、俺達が誰の使いでやってきたか分かってんのか?」


「知らんな。寄越したのが貴様ら程度では、上も大した人物では有るまい。」


皮肉混じり切り返された男が鼻白む。


「ぐっ…俺達はなぁ!この界隈を仕切るロブロさんの使いなんだよ!」


「で?」


「で?じゃねぇよ!」


男はテーブルを荒々しく叩き声を荒げた。


「出すもの出せってんだよ!ロブロさんの縄張りで商売するんなら、それなりのもんを納めるのがスジだろうが!」


「要はみかじめ料を取りに来た訳か。まどろっこしい奴だ。それならそうと言え。」


「てめぇが混ぜっ返したんだろうがよ!」


男にとって令は相当疲れる相手だった。恫喝にも堪えた様子はなく、微塵も焦りを見せない。逆に涼しい顔で皮肉を返す始末である。いっそ手っ取り早く腕力に訴えるべきか。


「なあ兄ちゃんよ…俺たちゃそう気の長い方じゃないんだよ。舐めた態度は止めて、素直に払った方が身のためだぜ。」


「生憎だが金を払うつもりはない。貴様らの上司には糞でも食らえと言っておけ。」


「なっ!?」


本日も令の舌は切れ味抜群である。暴言を食らった男は顔を赤黒く染め、令の胸倉を掴む。


「てめぇ!殺すぞ!」


男が令に向かい拳を振り上げた。


「お前!旦那に何してやがる!」


令を狙う拳が振り下ろされる事はなかった。いつの間にか現れたバルトが、男の腕を掴んでいたのだ。


「ククッ、ご苦労バルト。」


「ご苦労。じゃありませんぜ。こんな雑魚、旦那なら者の数じゃねぇでしょうに。」


男の腕を押さえたまま呆れるバルト。その間にも彼の部下達が不埒な客を取り囲んでいく。


「な、何だよてめぇらは!」


続々と事務所内に流れ込んで来るバルトの部下達。数の利が覆された男は、動揺のためか声が裏返っている。


「『何だ』はこっちの台詞よぉ!うちの旦那に手を上げてどうしようってんだ!ああっ!?」


「…ぐっ…」


ドスの利いたバルトの怒声は完全に男を圧倒していた。彼とその部下達は以前のような山賊の風体とは異なり、現在は傭兵と言って差し障りない出で立ちをしている。


身なりを整えさせた効果は意外にも大きく、悪漢には威圧感を、一般人には頼もしさを与えていた。


「この良く吠える駄犬は私を殺すとかほざいていたな。」


「本当か?」


「くっ…俺達はロブロさんの使いだぞ…」


劣勢となった男は頼みの綱として、再度上司の名を口にする。


「それは聞いた。残念だが我々はそのロブロ某とかいう者に屈する気はない。出直して来い。いや、来なくて良い。貴様みたいなキャンキャン吠える駄犬は居るだけで近所迷惑だ。」


「クソッ!後悔するぞ!」


男達は捨て台詞を残し事務所を後にする。


「逃がしても良かったんで?」


「構わん。むしろ泳がせておけ。真っ先にそのロブロとやらに泣き付く筈だ。部下に奴らの後をつけさせろ。それと情報も欲しいな。」


「分かりました。」


バルトは部下に尾行とロブロについての情報収集を命じた。


「しかし早かったな。もう少し後だと思っていたんだがな。」


「ロブロを知ってるんで?」


「いや、単にああいう手合いも居るだろうと予想していただけだ。お前は知っているのか?」


「一応、名前と噂くらいなら聞いてますぜ。この界隈を裏で仕切ってる男です。」


「ふむ。」


ロブロの部下やバルトの話から察するに、彼らは地球でいうところのヤの付く自由業に近いのだろう。


「裏に関わるのはもっと後の予定だったんだが…まあ良い。折角の機会だ。遊んでやるとしよう。」


「普通、あんな連中と関わってりゃ、遊びじゃ済まないもんなんですがね。」


裏社会で幅を利かす相手に対しても遊びと称する上司。頼もしくもあり呆れもするバルトだった。





「それで?対策は考えて有るんでしょう?」


令とバルトは陸の経営する娼館に戻り、対策を練り始める。


「前みたいにやっちゃう?」


「へ?そりゃどういう意味ですリクの旦那?」


「俺達の故郷にもそういう裏家業の人は居たからねー。」


膝に乗せている娼婦の乳房をコネ回しながら語る陸。


「はぁ…その時はどうされたんで?」


「確か令ちゃんが親分動けなくして、二人で奥さんと娘さんを目の前でヤッたんじゃなかったかなー。」


「フッ、そんな事もあったな。」


発端は些細な諍いが原因だった。末端の構成員が女性連れの令と陸に難癖を付けてきたのだ。その場で返り討ちにしたが、後に上役と共に報復にやってきた。あの時は根から叩いて…いや、叩き潰してやった。


「さ、さすがは旦那達だ…」


話を聞いたバルトが顔を引きつらせる。一度は自分も敵対した身だ。他人事とは思えない節もある。味方に付けた自分は、かなり幸運だったのかも知れない。


「今回はただ潰すのではなく、奴の身代をごっそり頂くとするか。」


街を仕切っているロブロの収入源が店のショバ代だけの筈が無い。もっと手広く、恐らくは貴族や商人とも手を結んで、非合法な商いを行っているに違い無い。令はそれらをそっくりそのまま貰い受けるつもりだった。



出来たシナリオをSofTalkに読ませると句読点のおかしいトコや、誤字に気付けるのでオススメです。

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