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ドS、王都へ

王都に着いた令一行は、先ず金銭的な問題に直面した。街には入り口に関所が設置されており、中に入るには入国料を払わなければ成らないのだ。


「それじゃ旦那、俺達はここでお役御免って事で。」


到着を機に別れを切り出す山賊の頭目、バルト。約束を果たした彼は子分を連れ元の山賊生活へ戻るつもりでいた。


「待て。そう焦るなバルト。貴様らも来い。」


「ですが、この大人数じゃ入国料も馬鹿になりませんぜ?」


バルトの子分は15名。全員の入国料ともなればそれなりの大金となる筈だ。しかし令は任せろと言わんばかりの自信満々の態度だった。


「私に気を使うとは殊勝な事だ。漸く獣にも知恵が付いたと見える。だが心配するな。」


「ぜ、全員分払うつもりですかい?」


「金は無い。今はな。しかし当てはある。それに良いのか?入国後は娼館を貸し切って到着を祝う予定なのだがな。しかも高級娼館だ。貴様ら山賊が一生掛かっても抱けないような美女ばかりだぞ。」


「ゴクッ…」


思わず喉を鳴らすバルト。道中の村で寄越してくれた女も上物だった。間違いなく自分が抱いた女の中でも上位に付ける。だが令はそれ以上を用意してやると言うのだ。


「貴様らも期待しておけ。」


子分達にも言い放ち、全員が期待を込めてバルトを見やる。ここで断れば自分が彼らの反感を買いそうだ。


「はぁ~分かった。分かりましたよ!付き合えば良いんでしょう。」


「大分物分かりが良くなったな。安心しろ。私は期待を裏切らない男だ。」


バルトの了承に薄く笑う令。


「令ちゃん令ちゃん。」


「あれあれ」と、関所の方を指差す陸。彼が示した先では身なりの良い商人風の男性が、入国手続きの順番待ちをしていた。


「うむ。」


令が商人風の男に歩み寄り、二言三言言葉を交わした後、男が令に金を渡す。


その動向見守っていたバルトは大いに首を傾げた。


「確かこの国の金の単位はギルだったな。」


戻って来た令が金を数える。パッと見、入国料には十分な額である。


「旦那、あの商人とは知り合いで?」


「いや初対面だ。」


「それじゃ何で金を?」


「さぁな。余程親切な人物なのだろうな。」


「んな訳あるかよ!」


何処の国に頼まれて大金を渡す商人が居るだろうか。バルトの経験上、商人というのはがめついのが相場と決まっている。そんな人種が二、三言葉を交わした程度で金を渡す筈が無い。


「ククッ…理由が知りたくば私に忠誠を誓うのだな。」


「チッ、分かりましたよ。今は聞かねぇで置きます。」


「中々分かるようになったな。この十日で随分進化したのではないか?スライムからウェアウルフ程度にはな。」


「どの道獣じゃねぇかよ!」





入国料を払った令達一行。彼らは真っ先に色街に向かった。到着したのは国一番の高級娼館。


「こ、ここが娼館かよ。」


貴族の屋敷にも似た佇まいの建物を目に、若干気後れするバルトと子分達。


「何をヒビッている。貴族を相手にするくらいだ。この程度の美観は当然だろうに。」


「いや、けどこんな場所、俺らは初めてで。」


「やれやれ情けない奴め。貴様らは泣く子も黙る凶悪山賊ではないのか。女の前で勃たないなんて事になるなよ。見ろ。あいつを。」


娼館の扉の前では、陸が落ち着き無くはしゃいでいた。今にも中へ飛び込みそうな勢いである。


「令ちゃん早く早く!うひょー!娼館なんて初めて!風俗とは違うのかな?楽しみー!!」


待ちきれない様子の陸。先の村から四日が経っており我慢の限界だった。


「な?」


「あの人は特別ですよ。」


娼館に入ると先ず店主を洗脳した。先客を追い出させ店を貸切にする。お楽しみの最中を邪魔されゴネる客も居たが、そういう輩は令が有り金を全て没収の後、排除した。


「大丈夫なんですかいレイの旦那。追い出した奴らには貴族も居たみたいですぜ?」


「問題無い。奴らは自分がここに居た事さえ覚えてはいないからな。」


令の策には抜かりはない。報復などを防ぐ為、追い出した客には娼館での出来事は全て忘却して貰った。


「それより貴様も楽しめ。女ならば腐る程居るだろう?」


そう言って椅子に腰掛ける令の足元では、店一番の娼婦が彼の足に舌を這わせていた。

奉仕しているのは、貴族ですら機嫌を窺うと言われる娼姫。一般の娼婦とは違い、気位が高く一夜の額も桁違いだ。


「んっ…はぁ…レイ様ぁ、綺麗になりましたぁ…」


「次は左だ。男に股を開くしか能が無い牝豚が、私の足を清められるのだ。しっかりとやれ。」


「はい…れぇる…んっ…ピチャピチャ…」


「あんた王様かよ。」


令の口振りと娼姫を隷属する様に呆れるバルト。


「失敬な奴だな。王なんぞ私の足元にも及ばん。せめて神くらい引き合いに出すのだな。」






「そろそろ行動を起こそうと思うのだ。」


娼館を強引に貸し切って三日目の朝、娼婦の背中に座った令が言う。


「行動?やっぱ何か当てがあったんだ。」


娼婦と繋がったままの陸が、腰を振りつつ返事を返す。


「ああ、実は日本には帰れんと言ったが、全く当てがないわけでもない。この世界には魔法というものがあるのでな。もしかしたら私達が帰る事の出来る魔法も有るかもしれん。」


「そだねー。今後はそれを探すんだ?」


「うむ。まぁ、期待は薄いが可能性はある。当分はこの国で過ごしながら、ゆっくりと帰る方法を探す事にしよう。異論は有るか?」


「無いよー。」


二人にしてみれば特に元の世界に未練が有るわけでも無いので、実際はそれ程切実な問題ではない。帰れれば帰ろう。帰れなければ、それはそれだ。なかなか来れない異世界を体験出来るのだ。こちらの世界を楽しめば良いと思っている。


「で?これからどうすんの?」


「仕事を始めようと思っている。」


「仕事?どんな?」


「交渉人だ。」


「交渉人って、あのドラマで犯人と話したりするアレ?」


「いや、もっと広い意味での交渉だ。」


この世界はまだ文化的に未熟である。トラブルなども多いだろう。だが一般人はそれらを全て自分で解決せねばならない。そんな時、仲介役として矢面に立ってくれる存在はありがたいはずだ。しかも令の能力を活用すれば依頼は100%成功する。


「良いねー!令ちゃんにぴったりじゃん!」


「だろう?お前はどうする?」


「そうだなー。娼館の裏番なんてどう?」


「国中の娼館を裏から支配するか。フフッ、それこそお前にお似合いではないか。」


「いつでも好きに女の子抱けるなんて最高っしょ?あ、令ちゃんは一番のVIP客ね。」


「ああ。その時は頼むぞ。」


国という玩具をどの様に遊び倒すのか?娼婦を手慰みに二人の会議は続くのだった。


キャラのリクエストとか有ったら感想下さい。こんなドSプレイ有りますよーって方も大歓迎です。採用されましたら本編をお読みの際にニヤリとして下さい。

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