正月明けの門松処理戦線、今年も異常なし。
門松っていつしまうんだっけ?
大丈夫。門松警備隊が教えてくれます。
えぇ。分かってますよ」
私は言った。
目の前に立つ作業服の男──いや、“門松警備隊”に向かって。
「……あんた、門松警備隊でしょ〜。ご苦労さん」
正月明けに突然やってくる、門松の監視者。
“まだ片付けてない家”をそっと見張り、無言のプレッシャーをかけてくる存在──と、私は勝手に呼んでいる。
「今、片付けますからね」
そう言いながら、私は庭の隅に立てっぱなしの門松に手をかける。
しっかりしてる。……まあ、プラスチック製だからね。
「午前中に、って決まってたわけじゃないですよね?」
念のため聞いてみる。
門松警備員は無言でうなずいた。……この人、本当にどこから来たんだろう。
「そうそう。ここ、東京だから今日が正解なんですよ」
うっかり日付を過ぎると「いつまで飾ってんの?」って言われるけど、
地域によっては15日まで飾るところもあるって聞いた。
「関西は、15日らしいけど……え? 大阪まで出張かい?」
驚いて声が出た。
「そりゃ、大変だ」
もしかしてこの人、本当に全国区で門松の見回りしてるんだろうか。
謎すぎる職業だ。
「コスト削減で、門松もプラスチックさ。寂しいもんだね」
つい本音が漏れた。
昔は近所の竹林から切って作ったりしたのに、今じゃ量産型。
それでも飾るのは、ちょっとした心意気だ。
「どんど焼き? しないしない。来年も使うから」
燃やすどころか、箱に戻して押入れへ。
プラ門松、耐久年数10年。
門松警備員は、静かに敬礼して去っていった。
その背中に、私はそっと一礼した。
「今年も一年、よろしくお願いします」
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