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第四話

人生をかけて信じる。信じ続けたさきに善悪を超えた何かを感じれるかもしれない。

そんな作品です。



よかったと思ったら評価お願いします。


毎週金曜日に更新を予定しています。

  第四話 招待

 

 家に帰った櫻子は真美に言われた通り賢太郎に話をしようとタイミングを見ていた。

 

 夕飯を食べお風呂に入り万理も寝て、二人布団に入る頃賢太郎の方から質問してきた。


 「今日の奉仕というやつはどうだった?楽しめた?」賢太郎

 

 「うん、すごく楽しかったわ。神の為に働くというのは気持ちのいいことよ。」櫻子

 

 「そうか、よかったね。」賢太郎


 「…」櫻子


 寝ている万理を見る賢太郎。

 「万里はかわいいね。本当に癒される。俺達二人の子供、神様も大事だけどこの子をまず一番に考えてあげたいね。」と賢太郎が櫻子に語りかける。


 櫻子は「神にお使えすることが万理の為になるのよ。人の幸せは神から与えられているものなの。」と少し怒ったように言った。


 賢太郎は黙って櫻子を見ていた。

 「櫻子の中で何かが変わってきたのではないか」とこの時賢太郎は感じていた。


 「熱くなってごめん、今日はもう寝ます」櫻子はそういうと布団をかぶって賢太郎と逆方向を向いた。


 「おやすみ」賢太郎


 この日はこれ以上お互い話すことはできなかった。


 

 1週間後


 この日も真美が家に来ていた。

 真美はとても勤勉な女性だ、約束の時間には必ずくるし、礼儀正しく櫻子や万理にも親切にしてくれた。


 真美は来世パラダイス教会が主催している集会に櫻子を誘った。

 「ぜひ行きたいわ、いつ行われるの?」櫻子


 「毎週日曜日の夕方17時からよ」真美


 「その日は夫も夫の両親もいるわ」櫻子


 「難しそう?櫻子にも集会にきてほしいわ」真美


 「行きたいけど夫や義両親に説明するのが怖いわ」櫻子


 「まだ旦那さんに話していないの?」真美は少し呆れた顔をした。

 その顔を見た櫻子は「こんなに良くしてくれる真美をガッカリさせてはいけないわ」と思い「な、なんとかするわ、夫にも義両親にも説明するわ」と言った。

 

 すると真美は嬉しそうに「あら、そう?櫻子の勇気ある行動を神も喜んでおられるわ。うまく行くように神にお祈りを捧げておくわね」と言い櫻子にハグをした。

 櫻子は少し勇気が出た気がした。


 真美が帰った後櫻子はいつ賢太郎に話をしようと悩んでいた。


 「1週間前には賢太郎と宗教の話をした時微妙な空気になったし、奉仕活かせてもらってまだ1週間しか経ってないのにまた話すのは…」と言いにくい気持ちを抱えていた。


 「うまく話せるように神にお祈りしてみよう…」


 そして夜


 「あなた、話があるんだけど」櫻子


 「どうしたの?」賢太郎


 「真美に誘われて宗教の集会に行ってみたいんだけど」櫻子


 「いつなの?」賢太郎


 「毎週日曜日の夕方よ」櫻子


 「日曜日は家族で過ごしたいと思うんだけど、毎週あるそれはどのくらいの頻度で行くの?」賢太郎


 「真美は毎週行ってるみたい」櫻子


 「櫻子も毎週行きたいの?」賢太郎


 「行けるのなら行きたいわ」櫻子


 「それは家族で過ごす時間より有意義な時間なの?」賢太郎


 「賢太郎には悪いけど神に仕える時間は何にも変え難い時間よ」櫻子


 「そっか、とりあえずうちの親には適当に言っておくから」賢太郎


 「行っていいってこと?」櫻子


 「とりあえずね、でもいつかこれからの家族のこと話し合わなければならないね」賢太郎


 「ありがとう賢太郎」櫻子


 櫻子は集会に行けるようになったことを賢太郎に話す前に神にお祈りしたことが聞かれたと確信した。

 このことがますます櫻子の信仰心を強くした。


 そして日曜日


 この日は車で真美が迎えにきた。


 「櫻子、万理ちゃんお待たせ、乗って」真美


 「ありがとう」櫻子

 「集会初めてだから緊張するわ」櫻子


 「今日は一緒に行けて嬉しいわ」真美

 「旦那さんOKしてくれたのね」真美


 「神にお祈りしてから話したからすんなり許してくれてびっくりしたわ」櫻子


 「神が祈りを聞かれていたのね」真美

 「旦那さんも誘ってみたら?」真美


 「今度神に祈ってから誘ってみるわ」櫻子


 「それがいいわ、万理ちゃんのためにも旦那さんも教えを学ぶべきだわ」真美


 「ついたわー」真美


 そこには40人から50人の信者がいた。


 「すごいたくさんの人がいるのね」櫻子


 「愛知県だけでこのくらいの人数の会衆(集会するグループ)が20会衆もあるのよ」真美


 「すごい組織ね」櫻子


 「会衆には会衆内をまとめる長老と言われる人たちがいるのよ、私がいるこの愛知ブロック12会衆では長老は3人いるわ、ほら、あの人よ、紹介するわ」真美

 

 「笹村さん、前にお話した研究生の櫻子さんです。」真美


 「こんにちは、真美さん。まあお話してた方ですね。櫻子さん会えて嬉しく思います、長老の笹村です。」笹村


 「初めまして、まだ学んだばかりで勉強不足ですがよろしくお願いします」櫻子


 「勉強不足だなんてそんなこと気にしてはいけないですよ。神を信じるものを神は愛されるのです。櫻子さんは神を信じますか?」笹村


 「はい、信じています。」櫻子


 「素晴らしいですね。櫻子に神のご加護がありますように」笹村


 集会は2時間ほどで終わった。

                       つづく

 

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