チェリーさん登場。
あれから、何度か野菜の化け物を倒してきた。
EランクやFランクの野菜たち。
もう、難なく倒せるようになってきた。
でも、チェリーさんは、来てくれない。
「あー、逢いたいなー」
あ、つい心の声が…
「ん、莉乃?どうしたの?」
ちょっとポッチャリめの友達の陽菜。
美人の舞、癒し系の優香と4人グループなんだけど、経験無いのは、陽菜と私。
「んー、何でもない。」
「莉乃も恋してるんかな?」
優香が会話に入ってきた。チェリーさんの顔が浮かぶ。
「コクってみたら。莉乃なら大丈夫だよ!」
舞は、おっとりとした癒し系の可愛いコなんだけど、幼馴染の彼氏がいる。煮え切らない幼馴染に、優香から迫ったんだって!
幼馴染で、可愛い彼女と優しい彼氏。いいなあぁ。
その日の夜に現れた、ベジタリアン人はけっこう強くて、手こずってしまう。
「Dランクなんだけど、Dランクの中でもかなり強いな。」
ナシオが言う。
「前ほど、怖くないけど、私の攻撃が効いてないみたい!」
どうしよう。このままじゃ、勝てない。
フィールドの破壊率だけが増えていく。フィールドが壊れると現実世界に被害が…
それは、避けないとだね。
エリンギみたいな化け物が、攻撃体制をとる。
そういえばキノコって、野菜なの?
「要するに、あいつらは、ヘイトを集める食材に変身して、襲ってくるんだよ。力が集まるらしいね。」
以前、ナシオが言ってた気がする。
いままでと違う攻撃を受けると、力が抜けていく。あぁ、チェリーさんに助けてもらうのと逆だな。凄くイヤな感じ。
「リノ!大丈夫か?このままじゃ、ジリ貧だなぁ。まぁ、応援は呼んでる。もう少し粘ってみて…」
もう少しって。力もでないし、もうダメかなぁ…
チェリーさんに、もう一度逢いたかったなぁ。
急に、温かくて優しい光が私を包む。
エリンギの攻撃は、すべて弾かれ、力も戻ってきた。
あ、あ、もしかして!
「間に合ったか、大丈夫か?りぃ…ペアーさん。」
あれっ、この前は、莉乃って名前で呼んでくれた気がするんだけど。でも、優しい声。懐かしい気もするんだけど…
赤い学生服のチェリーさん。
やっと、やっと逢えた。近くに行きたい気持ちを抑えて、
「ありがとうございます。」
「ペアーさん。手を貸して。」
「莉乃で良いです。私のこと、知ってるんだよね!」
「えっ、あ、じゃあ莉乃。いくよ」
繋がれた手から、温かくて優しい力が入ってくる。
「直接繋いでやると効果があがるのね。」
チェリーさんの優しい声、温かい手。熱いものが顔まであがってくる。顔が赤くなってしまっているのがわかる。
チェリーさんを見ていたいのに、恥ずかしくて、顔があげれないよぉ。
「敵の攻撃がくるよ!」
チェリーさんの声。今は、敵に集中だよね。