千葉藍乃。5才です。
完結させたら、pvが結構増えたので、お礼に一話。蛇足かも知れないけど。
「はやく、はやく。」
「あやくー。あやくー。」
安全運転のパパを、急がせる。妹のゆきちゃんも私の味方。
「あいちゃん。落ち着いて。ママが言うにはまだ大丈夫って。」
「でもー、早く赤ちゃんの顔みたいよー。」
「みたいー。」
「そうだね。パパも見たいけど、まだまだらしいからね。」
パパを揺すって、急がせたいけどジュニアシートに括りつけられて動けない……。
「赤ちゃん。楽しみだなー。」
しかたないので、お話を変えよう。
「そうだね。男の子だって。弟だよ。」
ウチは、ちょっとフクザツで、ママが一番上のお姉ちゃんで、次が桃子ねーちゃん。そしてずっと年が離れて私。ゆきちゃんは一番下の妹。
男の子は、初めて。
ママは、一番上のお姉ちゃんだけど、私とゆきちゃんのママで、パパの本当の子どもじゃないから、ママになったんだって。よくわからないけど。
幼稚園入る前だったかな。
「ママが、パパとケッコンできるならー。あいちゃんもパパと結婚するー。」
って言ったことがあるけど。パパは
「やったー。嬉しいな。あいちゃんが大きくなったらねー。」
って喜んでくれたのに、ママは
「あいちゃん。ダメよ。パパはママのだからね!エイスケさんも喜ばないの!」
って、めっちゃ怖かった。ゆきちゃん泣かしたときに怒られた時よりより、ずっと怖かった。
じょ、冗談だよ。笑ってママ。
あ、その後、パパもめっちゃ怒られてた。
「ごめんな。あいちゃんとは、結婚できないんだって…」
パパが謝ってきたけど、そんなの知ってるって。
桃子ねーちゃんは、ヨウジョってやつなんだって。いつもパパとケンカしてる。でも、あいちゃんは、知ってるよ。桃子ねーちゃんもパパと結婚したいんだよねー。だから、あいちゃんとは、なかまだね。でも、やっぱりママが怖いのかな?
いっぱい遊んでくれて、いっぱい可愛がってくれる桃子ねーちゃんは、だいすきっ。
運転してるパパの顔が鏡に写ってる。
幼稚園のパパの中では、一番トシが上なんだって。
でも、ぜんぜんカッコいいんだけどね!
パパもいっぱい遊んでくれて、なんでも一緒にやってくれるし、いつも元気だし。
ゲンキっていえば、最近はあんまり見なくなったけど、あいちゃんがオフトンに入った後で、よくママとお遊戯してた。
パパは、オウチであいちゃんとゆきちゃんと一杯遊んでくれる。ママとは遊ばなくても良いのって、思ってたけど、ちゃんとママとも遊んでたんだね。よかったぁ。
でも、桃子ねーちゃんにこの事聞いたら、顔真っ赤にしてた。桃子ねーちゃんもパパ大好きだから、一緒に遊んだらいいのにね。
「あいちゃん。あの遊びは結婚してないとできないの。この事は内緒にしておこうね!」
だって。わからないけど、内緒にしてる。あ、だから桃子ねーちゃんもパパと結婚したかったのかな。パパと遊びたくて。
「うん。ないしょ。」
「そうだね。ないしょ。」
桃子ねーちゃんとヒミツのヤクソク。なんかドキドキして楽しい。
「何してるの?」
あ、パパだ。
「なんでもない。ねー。」
「ねー。」
桃子ねーちゃんと笑いあう。なんか、楽しい。
みんなでお話してる時。
「あいちゃんは、誰が一番好き?」
パパが聞いてきた。パパが一番好きだけど。
「うーんとね。ももこねーちゃん!」
ガックシなパパ。
「よっしゃー。あいちゃんありがとう!」
桃子ねーちゃん喜んでくれる。たぶんこれが正解。後で、お菓子買ってくれたし。
「次は?」
パパ。しつこいよ。
「えー、ママかな。」
ママはうなずいている。これも正解だね。
「ママか。それは仕方ない。じゃあ」
「ゆきちゃん!」
でしょ。とうぜん。
「えっ、次は?」
「えーと。ひなせんせい!」
幼稚園の先生。ママの友だちなんだって。ふっくらしてて抱きつくと気持ちいいの。
「あと、りょうせいくんかなぁ」
かたまるパパ。
「んだと、誰だそれは?」
「あ、優香の子ども。幼稚園一緒なんだー。って一緒に遊んだことあるでしょ!」
ママがパパに教えてあげてる。
「知ってる。りょうせい君良い子だよ。知ってるけど!…あのさ、パパは?」
ひっしか!って突っ込みたくなるけど。
「えー、わかんない。」
って言っておいた。更にガックシなパパ。
後で、ちゃんと
「パパは、トクベツだよ!」
って言って、魔法少女ステッキのオモチャ買ってもらいました。ちょろ。って言うのかなコレ?
そんなことを思い出しながら、
運転するパパの顔をもう一度見る。
パパの一番は、ママのくせに、欲しがりすぎだよ。
「パパはね。男の子ができても、あいちゃんが一番だから、あいちゃんが赤ちゃんの事可愛がってあげてね。」
だから、パパの一番はママでしょ!
でも、それ、知ってる。ゆきちゃんが産まれて、ママがゆきちゃんに取られて寂しかったけど、パパと桃子ねーちゃんは、あいちゃんのこと、一番にかまってくれた。だから、ゆきちゃんにも、出来るだけ優しくするの。
………たまに泣かしちゃうけど。
………たまにイジワルしちゃうけど。
でも、あいちゃんももうお姉ちゃんだもん。
「わかってる。もうお姉ちゃんだもん。」
「そうだね。お願いするよ。」
隣で、寝ているゆきちゃんを見る。ゆきちゃんも同じ気持ちになるかも知れないから、あいちゃんもゆきちゃんの事、いっぱい可愛がってあげよ。
「あ、そろそろ高速降りるから、もうすぐだよ!」
「うん、いそいで!」
あ、また、違う車に抜かれた。もう、このパパはー。
でも、大好きだよ。
「ん、何か言った?」
「ううん。なにもー」
まだ、言ってあげない。
あ、でも、魔法少女の変身セット欲しいかな。
そんとき言うね!
5才ですが、平仮名ばっかだと読みにくいと思って漢字入れました。
あいちゃんは、とってもお利口さんなので、これくらいの漢字は読めたりします。
…無理かなぁ。
パパ大好きっ!
聞いてみたい……。




