魔法勲章もらったよ。でも、本当の宝は。
魔法少女が生まれて20年がたち、ベジタリアとフルートの戦いは続く。
そんな中、俺は、50才になった。
20周年を記念して、歴代の魔法少女、魔法使いに感謝の気持ちを込めて、勲章が送られることになり、盛大なパーティーが行われた。
今日は、二人の娘を連れて参加した。母親である莉乃は、訳あって欠席。
「パパ。パーティーって、あっちかな?」
長女…じゃないな。三女は、藍乃と名付けた。今、5才。ちょうど莉乃を引き取った時に5才だったか。うん、似てきたな。かわいいっ。
「そうだね。あ、」
「パパぁ、ねーね。まってぉー」
次女、じゃなくて四女の幸乃。まだ3才で、ちょこちょこ頑張って歩く。こっちは俺似かな。
二人とも正真正銘、俺と莉乃の娘。
あ、莉乃と桃子も、俺の娘なんだけどね。
莉乃は、嫁でもあるんだけど。桃子は養女で。
父娘って結婚できるの?って。普通ダメだけど、本当の娘じゃないから…。
「籍は入れれなくても良いかなぁ」
って言ってた莉乃。でも、パスポート取りに行った時、戸籍謄本みて、
「おとうさん!私を養子にしてなかったの?通りで…生活苦しかったのね」
児童手当から扶養控除とか、一切無かったから、ウチはあまりお金無かったんだよって、めっちゃ怒られた。
すまぬ。要らん苦労をかけたな…。
「あ、でも、おとうさんとは、他人?」
え、他人って言わないで!最愛の娘に他人って言われると地味に、いや、めちゃ傷つく。
でも、そんなわけで無事結婚できたので、逆に褒められました。
よくわかんねぇ。
パーティー会場では、歴代活躍した魔法少女がパネルになって展示されてる。
★魔法少女ペアー。ピーマン大帝を撃破。
おっ、莉乃だ。やっぱ可愛いな。
あ、今の姿も当然可愛いんだけど。
「これ、ママ?」
藍乃が魔法少女ペアーの写真を指差す。
「うん。そうだよ」
「あ、まま、まま。かっくいー。」
幸乃もわかるのか?
★魔法少女ブルーベリーとラズベリー。セロリ総督を撃破。
紫乃ちゃんと紅乃ちゃんも、あれからまた強くなったんだ。可愛さも爆上げだなぁ。
でも、この戦いで、限界突破して引退したんだっけな。
「あれ、千葉さん?」
紅乃ちゃんだ。
「私もいるよー。」
紫乃ちゃんもいる。二人も表彰されるもんねぇ。
「あ、これ、俺と莉乃の娘。挨拶しなさい」
二人の娘に言う。
「千葉藍乃。5才です。」
「ちあ ゆきの 3しゃい。」
良くできました。
「ちゃんと言えたね。北野紫乃です。よろしくね」
「二人とも、かしこいね。高井紅乃です。よろしくね。」
二人とも結婚して名字が変わっている……。
一旦は離ればなれになったんだけど、セロリ襲撃時に合流して、戦ったらしい。
で、魔法少女の引退も一緒。そして、結婚も一緒。
旦那さんも魔法使いで一緒。旦那さんの年はだいぶ違うけど。
紫乃ちゃんの旦那さんは、紫のチェリーさん。Sランクの姉メロンさんの強い魔力を、普段から浴びていたせいで、10代で魔法使いになった天才さん。
紅乃ちゃんの旦那さんは、黒いチェリーさん。この人は、普通?に30才で魔法使いになったんだけど、魔法少女の少ない地域で皆を守っていた頑張りやさん。
どちらも素晴らしい人だよ。良かったなぁ。
で、お腹の膨らみ具合も、一緒なのか?
俺が、お腹を見ているのがわかったのか、
「6ヶ月だよ。」
「私もほぼ同じですの。」
おー、なんか凄い。
「じゃあ、ウチと同級生かもね!」
保護者として学校で行事とかで会えたりするのかなぁ?
話は尽きないけど、二人と離れる。
二人とも幸せそうで、良かった。
★魔法少女メロン。キャロット公爵を撃破。
この人、まだ魔法少女なんだ…。一度だけ会ったことある。すげえ美人で、スターフルーツだった比留間さんよりおっきいんだよな!
「パパ、どこ見てるの?ママに言うよ!」
くっ、ママに言うって技、どこで覚えたんだ。あ、多分、桃子だな。
「ぱぱー。おっぱ、すきー!」
こらっ。好きは好きだけど、というか、とっても好きだけど、声が大きいよ幸乃!
「こんにちは。千葉さん。」
あ、蒼井さん。じゃなくて草加林檎さん。
俺の初彼女だった人。この人と、比留間五花さん。ほんで、次女?の桃子で、県庁の魔法少女の支援部署でお仕事してるんだよ。
「莉乃ちゃんは?…そっか、もうすぐだ。あ、そうだ、挨拶しなさい。」
「草加真莉です。」
蒼井さんを俺から寝取った?のは、なんと紫乃ちゃん紅乃ちゃんのお兄さんだった…。
で、結婚して草加さんになったんだよ。真莉ちゃんは娘さん。もう小学生らしい。紅乃ちゃんの面影もあり、とっても可愛らしい。
なんか、魔法少女って、魔法少女になるときは処女だけど、子ども生むのみんな若い気がするな……。
まぁ、いいか。
あ、桃子からメール来た。
桃子は、高校に入った時に、俺の養女になった。
ちゃんと養子縁組して、戸籍上は俺と莉乃の長女ってことになってる。今は3姉妹?俺にとっちゃ4姉妹?
どうでもいいか……。
桃子は、23才になったけど、まだ魔法少女やってる。親としては、そろそろって思うんだけどね。
いい感じの奴はいるらしいけど、せっかくSランクになったんだから、Sランクのベジタリア星人を倒すまではやめられないんだって。
そんなの他の魔法少女に任せて、俺に結婚式で泣かせて、孫の顔を見せて欲しいよ。
でも、藍乃と幸乃の面倒をよく見てくれる。良いお姉さんになってる。助かってるし、4姉妹が楽しそうに過ごしていると、娘にして良かったとつくづく思う。
あ、メールの内容だった。
ーママがもうすぐだって言ってるけど、パパはそこにいて良いよ。私がついてるからね。
えっ、もうすぐって。じゃあ、早く行かないと。
桃子は、相変わらず隙あらば俺から莉乃を取ろうとするけど、実は、早く来てほしいから、こんなメールを送ってくる。
なんだかんだ親なんだ。わかるよ。
あ、ほら、電話。
「ぱぱー。でんわーなってうー」と幸乃。
「お、桃子ねーちゃんからだよ。」
「早く出て、ママのことじゃない?」
藍乃がでるように催促する。
「あ、パパ。」
二人が生まれてから、桃子も俺の事パパって呼んでくれるように。うぅ、嬉しいです。
「そっから帰ってくる位の時間は十分あるみたいだけど、こっちは私いるから大丈夫だから、帰ってこなくて良いからね。」
これ訳が必要だな。
まだ時間あるけど、不安だから早く帰ってこい!
ってか。
「わかった。すぐ向かうよ!それまで頼むな。」
「うん。ありがと。」
素直になった。
「あ、エイスケさん。予定日まだ先だったんだけどね。来ちゃったみたい。まだ、もうちょっと大丈夫だけど。」
莉乃だ。桃子から替わった。
普通は、名前呼び→子どもできて→おとうさんって呼ばれる。
俺は、おとうさんって呼ばれてたけど、今は愛情込めて名前呼び!
どうでもいいか。でも、幸せだから良いじゃん。愛されてる感アリで!
「わかった。二人連れてすぐ行くよ。」
「ありがと。」
受付の人に
「千葉ですけど、急用ができたので帰ります。」
入り口には、紫乃ちゃん、紅乃ちゃんや知り合いがいたので事情を話す。
「早くいってやんな。」
「それは、早くしないと」
「うん、じゃあなね。また連絡するよ。」
勲章より、賞状より、大切なものってあるよな。
「あい、ゆきっ。帰るぞ!」
「パーティーもうすぐじゃないの?」
「えー、くんちょーは?」
「違うよ。君たちの弟くんが、少し早くなったけど、産まれてくれるんだよ!」
「あ、すぐ帰る。何してるの早く!」
あいちゃん。なんか、莉乃と桃子みたく俺をしりに敷こうとするのやめようね。
「おとうとー。やったー。すぐ、かえゆー」
ゆきちゃんは、お姉ちゃんになるんだよ。
両サイドに、幸せのかたまりを抱えて、愛する妻と、娘、そしてまだ見ぬ息子に会いに、はやる心を押さえながら、華やかな会場をあとにする。
二人の手を繋ぎながら、もう一人を繋ぐ手はどうしよう。なんて、どうでも良いこと考えながら。
今まで、読んでくださり、ありがとうございました。
ただ、もし娘がいたら
「おとうさん。大好き!」
って言われたい。という願望で書き始めました。
次回作からは、ちゃんとプロット作って、話が迷走しないようにしたいとか、思ったり。
とにかく、どうにか、ハッピーエンドに持ち込むことができました。
ご意見等あれば、次回作にいかしていきたいので、感想なんかいただけると嬉しいな。なんて。
では、またの作品でも、よろしくお願いします。




