魔法少女ラズベリー。草加紅乃。
ピーマンが撃破されて、一年半。
そんな間もいろいろありましたけど、今日は紫乃ちゃんと卒業式ですの。
進路はすごく考えましたわ。
「東京の大学に進学しよ!紅乃ちゃん。」
紫乃ちゃんが、東京の大学に進学することにして、私も一緒にって思ってたらしいんですの。
私は、
私は、そろそろ、紫乃ちゃん離れしないとダメな気がします。
私は、何がしたかったのだろう。
紫乃ちゃんを守りたかった。紫乃ちゃんに守って欲しかった。
それだけ、それだけの人間だった。
昔から可愛いお嫁さんになりたかった。
紫乃ちゃんと結構できないって知ったときのショックは、半端ありませんでした。
今はできれば、莉乃ちゃんのお父様にお嫁さんにして欲しいと思っていましたの。
でも、あの人は、莉乃ちゃんを選んでますわ。
こんな空っぽの私なんかじゃダメなんです……。
私は、私。草加紅乃という人間になる。ちゃんとした一人前の人間に!
だから第一歩として、紫乃ちゃんと離れる。
涙が出てきます。卒業式だから、泣いていても自然かなと。
「なんだよ。泣くくらいだったら、一緒にいけば良かったのに……」
紫乃ちゃんに言われたけど、紫乃ちゃんがハンカチを渡してくれる。
「だ、大丈夫。紫乃ちゃんも涙。拭いて…」
紫乃ちゃんも泣いていますもの。
「二人とも、おめでとう。」
佐藤五花先輩。いや、今は比留間五花さんか。
相変わらず、何言ってるか聞き取りにくいんですが。
「ありがとうございます。」
比留間家の新婚生活は、とっても幸せらしい。
いいなぁ。私なら……。っと、あの人を思い浮かべるけど、あの人は、莉乃ちゃんの婚約者……。
「おめでとうございます。」
莉乃ちゃんだ。花束を持ってきてくれました。
「莉乃ちゃん。今までほんとにありがとう。」
莉乃ちゃん。複雑な思いがない訳じゃない。けど、私は、このコが大好きなの。
後ろには、来年から桜花高校に来る桃子ちゃんがいる。魔法少女になれなくなった莉乃ちゃんだけど、桃子ちゃんは、相変わらず慕っていますの。なんだか羨ましい。
桃子ちゃんは、私達よりパワーも上になってるし、このコがいれば、この地域は大丈夫。
ちょっと影あるけど、莉乃ちゃんの愛が包んでくれるかな。
だから、紫乃ちゃんも私も、この地域を離れることができる。
みんな元気でね!
次の日、紫乃ちゃんとは抱き合って別れた。
また、きっとすぐ会えるし。
私は、フルート星人の依頼で、魔法少女の少ない地方の町に行くことにしたの。そこで、みんなを助けながら、自分を見つけるつもり。
赴任した地方の町は、海沿いの娯楽の少ない町だった。
ついてきてくれた木の実の妖精ラズちゃんが教えてくれる。
「なんかねー。あの、純潔な中高生が少ないのよねー。」
性に奔放な土地柄らしいのね。で、少し見た目の良いコは、すぐに経験しちゃうんだって。
そんな中、30まで守りとおして、魔法使いになったお兄さんが、この地方を支えているらしいの。
引っ越しが終わって、休憩していたら、早速、ベジタリア星人が来た。
「敵のランクも低いし、様子みよう。」
ラズちゃんが言うならそうしましょう。
魔法少女と魔法使いのペアがいる。
「あの、杏さんは?」
お、ここには、黒いチェリーさんがいるわ。男の魔法使いがいるのって珍しいのね。
「あんずちゃん。彼氏できたって言うとったー」
ミカンの魔法少女が答える。まだDランクかな。
「く、Cランクまで上がってきたのに、みんなCランクになるといなくなる……。しゃあないなぁ、ミカンさんいきますよ。」
「はーい」
相手は、Cランクかな。
なんとかなるかなって思っていたら、敵が増えてきました。
「ラズちゃん。いきましょう。」
「そうだね。じゃあ!」
ラズちゃんに血を吸われる。気持ちいいっ!
でも、アレってもっと気持ち良いのかなぁ?
満足そうなラズちゃんにちょっとイラッとするけど。
ワラワラわいてきた敵は多い。
ま、でもAランク魔法少女ラズベリーの敵ではありませんわ。
敵を一掃。そして振り替えって、黒いチェリーさんと相対する。
なんか、あの人の面影感じる。
「助かった。君は?」
「ラズベリーです。しばらくこの地域にお世話になります。」
「チェリーです。助かります。……あ、危ない!」
敵が残っていて攻撃してきた。
私ならこの程度の攻撃大丈夫!
って思っていたら、黒いチェリーさんが庇ってくれた。
「イタッ!」
ダメージ受けてる黒いチェリーさん。私なら無傷だったけど、でも、あの人でも庇ってくれたな。
「えいっ」
敵を倒した。
「イテテテッ。あ、大丈夫?」
いや、大丈夫じゃないのはあなたでしょ。
でも、こんなところまで、あの人みたい。
いや、この人はこの人。あの人じゃない。
でも、なんか温かい。やっぱりあの人みたい。
黒いチェリーさんを見る。
あ、この視線。あの人も私達をチラチラ見てたな。
こんな土地柄で純潔のお兄さんって、ある意味なんだか心配だったけど、この人もちゃんと健全な男の人ってことで……
五花先輩みたく大きくないけれし、莉乃ちゃんとか蒼井お姉様くらいあれば、せめて紫乃ちゃんくらい…。って何いってるの私……
それでもなんか、新しい物語が始まる気がして、胸がドキドキします。
えっと、
スターフルーツ
アップル
ペアー
ピーチ
ブルーベリー
ラズベリー
の順です。
って何が?
わからなければ良いです。
ちなみにGスタートで、大体一サイズづつって感じかな。
だから、ラズベリーちゃんでも十分だよ!




