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お兄さん?

お兄さん?とな。


目の前にいる少女は、確かに莉乃なんだが、違う気もする。

莉乃は、ただただ可愛いが、この少女は、美人さんだ。


莉乃から見てもこの姿は、(エイスケ)には見えないのだろう。


「じゃあ、お兄さん。本当にありがとうございました。」

はにかみながら、魔法少女は去っていった。


あんな笑顔、見せてくれたことないのに…


でも、お兄さん?ってことは、やっぱり俺だと思ってないだよな。



しばらくすると、元に、戻ってる?

着ているのは、赤い学生服ではなく、普段着ている紺のスーツだった。

「魔法少女になってくれた人には、普段の生活を守ってもらうために正体が、わからないようになっているのよ。」

赤い髪をしたお姉さんに、話しかけられた。

「えっ、あの、どちら様で?」

「わからない?チェリーちゃんだよ!」

よく見ると、顔は、確かにあのサクランボの妖精だった。

「正式に契約をしようと思いまして」

急にかしこまるサクランボ。

「私の事は、サクラとお呼びください。この姿では山方サクラと名乗っております。」

名刺を差し出してきた。


ー防衛省 特務対策課ー

「防衛省?」

「ええ。自衛隊とは別組織で、防衛省の管轄下に入っております。予算確保の意味があるそうで、私たちのようなものからは理解できませんが…」



ファミレスに入って、話をすることにした。

「この話し方、堅苦しいから戻して良いですか?」

サクラが言う。パフェやらなんやら、一杯注文してやがる。

俺は、ドリンクバーだけで、コーヒーを入れてきた。

「あぁ、かまわないよ。で、どういう話なんだ?」


魔法少女は、政府が身分を保証した存在らしい。

「国家公務員?」

「えぇ、防衛省の管轄ということになるわ。少女達は、学校に行っている場合が多いのだけど、授業を抜けたり、早退や遅刻なんかをしても大丈夫なことになっているのよ。」


他にもいろいろな条件もあったけど、長くなるので…

その都度説明していこうと思う。


って、誰にや?


とにかく、国家公務員ということになり、俺も明日から部署が変わるなどして、割りと自由に動けるようになるとか。

野菜の化け物を倒すと、経験値が得られ魔法がレベルアップしたり報酬が貰えたり。命を懸ける報酬として、妥当な額かはわからないが、俺が気になるのは、

「これで、莉乃を守れるのか?」

「えぇ、まぁ、あなた次第なんだけど…」

莉乃のために何かできる、それだけだ。


スマホに、魔法少女フルートって言うアプリを入れて、事務手続きは終了した。

「まぁ、娘さんが待っているようだし、早く帰ってあげることね!」

あ、やばっ、こんな時間か。

話し込んでると、9時を回っていた。


「ただいまー」

と、アパートのドアを開けて入ったんだけど、返事がない。


入っていくと、なにやら、部屋が散らかっている。

飾り付けしようとしていたのか?

莉乃は?

スゥー、スゥー

寝息が聞こえる。

視ると、ソファーに力尽きて眠る莉乃がいた。

毛布をかけてやり、髪を撫でてやる。

「んんっー」

あ、起こしてはいけないな。疲れているんだろう。

可愛い寝顔だ。引き取った3才の頃と変わってない。

これを見て、命かけてこの子を守っていくって決めたんだっけな。決意は、今も変わらないよ。



台所に行くと、シチューが作りかけで、置いてあった。

俺の好物を作ろうとしてくれていたらしい。父ちゃんは、それだけで嬉しいよ!

火は安全装置が働いて止まっているようだ。

玉ねぎと肉なんかは、十分に火が通っているかな、

完成させるか。


娘との共同作業だな。なんだかうれしいぞ!


シチューが完成して、風呂に入ってくると


「お父さん。おかえりなさい!」

「あぁ、ただいま!」

「あの、寝ちゃってて、ごめんね。」

「いや、気持ちだけでうれしいよ。シチュー完成させたから食べよう!」

「うん、ありがとう。」


まぁ、中学生の娘とそんなに会話が続くわけもなく、

「美味くできたな。」

とか

「仕上げ、何か入れたの?」

とか、会話はたどたどしい…


「ごちそうさま!」

まぁ、半分は娘の手作りだ。不味いはずもなく、嬉しくないはずもない!

「あのね、去年、ちゃんと言えなかったから」

莉乃が、ドギマギした感じで言う。

「お誕生日、おめでとう。お父さん。」

冷蔵庫からケーキを取り出してきて、包みを一つ持ってきた。

お、これは、アレだな。

「これ、どうぞ!」

「ありがとう!」

開けると、結構高そうなネクタイが入っていた。

「これって?」

「お小遣い、貯めてたんだからね!」

これは、小遣いを貯めて買えるものではないんだが…

「ありがとう!でも、これ、高そうだな。」

魔法少女の報酬だろう。もし知らずにこれを貰っていたら、どう思ったのだろう?

「大丈夫だよ!」

まぁ、食費や生活費も渡しているので、何とかすれば買えるかも知れないか。

まぁ、良いや、考えるのやめよう。首につけてみる。

「似合うかなぁ?」

「うん、良いと思うよ」

でも、一言だけ

「あんまり無理するなよ!お金も、余ったら自分のために使って良いんだからな!」

「ん、変なお父さん。無理なんかしてないよ。わかってる」


目を合わそうとしない莉乃は、本当の事、言えずにいるんだな!

俺が、魔法使いになったと言えば、本当の事言ってくれて、莉乃の荷も降りるのだろうか?


「あのさ、」

と言う声が届く前に、何か変な空気を察したのか

「ごちそうさま。じゃあお風呂入ってくるね!」

と部屋から飛び出して行ってしまった。


まぁ、また言う機会もあるだろう。

その時は、そう思ったんだけどね……








説明回は、ダルくなるので避けたかったのですが、中途半端になったかもしれない…


次回、挽回するぜよ!

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