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かわいいのは、あなたですよ!


蒼井林檎。二十歳。今、幸せです。楽しいっ!


ジェットコースター楽しかった。

隣で固まっている、…エイスケさん。


きゃっ、下の名前で思っちゃった。

私も、林檎って呼んで欲しいけど…

前、呼んでくれたと思うんだけど……

でも、良いか。この人とは、多分、時間がかかると思う。


相手が(しょじょ)なのだし


あ、でも、休憩の時。

「蒼井さん。コーヒー買ってきたよ。」

千葉さん…エイスケさんが売店からコーヒーを買ってきてくれた。


「ありがとうございます。で、蒼井さんって。」

「ん?」

もう、鈍感男っ!そこが良いのだけど。


「呼び方…」

「あー、そっか、り、りん、ご……さん。」

めっちゃ照れてるやん。


「あ、無理しなくても良いですよ!え、エイスケさんっ!」

笑顔で、私の彼氏を見る。

「エイスケさんっ?、やばっ!」

ん、何がヤバいの?

「今日も…ってから来たのに。やばい。やっぱ蒼井さん可愛すぎる。」

ぶつぶつ何言ってるの?意味わかんないけど、可愛すぎるって聞こえたよ?


嬉しいな。


「よく考えると、千葉林檎になったら、蒼井さんって呼ぶの俺だけになる?なんか特別感ある?」

ん、千葉林檎?結婚しちゃってる?


もうっ、妄想が爆発してるよ!

でも、きゅんってするなあ。

もう、蒼井さんでも良いよ!



で、ジェットコースターに乗ってくれました。

イヤそうだったけど、私の為に頑張ってくれたのね!


脱け殻のエイスケさんの手を引いて、

「次は、あれ行きましょう!」


お化け屋敷に連れて行きました。


きゃーって言って抱きついてやるんだ。

こうでもしないと、手を繋ぐ以上にいけない気がする。


私より大きな、ち、じゃなくてエイスケさんに抱きつける思うとドキドキするなあ。



…と思っていた事もありました。


「ぎゃー」

と言って、涙目で私に抱きついてくる、私のおじさん。

「エイスケさん?まだ、入ったばかりですよ。」

「蒼井、さん、ダメだよ。もう出る!」

「はいはい。次行きますよー。」

「あ、置いていかないで!」

私に抱きつく手に力が入る。

「痛っ!…あ、大丈夫ですけど。」

「あ、ごめん。でも……」


最初、力強くてちょっと痛かった。でも言ったら、しがみつく力がやさしくなった。

ん、お化け来るよ!大丈夫?


「ぎゃー!」

力が入る?いや、頑張ってやさしいまま。


うわー、泣きそうになってる!

「大丈夫だから。」

頭を撫でてあげる。うぅ、私の母性が目覚めるわ。


私が抱きついて、大丈夫だよってやさしく抱き返してくれる。

ってのを期待してたのに……


「うわー。もういい、もうダメ!」

必死に私にしがみつくも、痛く無いように、頑張ってこらえてる。


…なにコレ!

きゅんきゅんするよ。


可愛すぎるんですけどー。


魔法少女(アップル)になった私を、かわいいってみんな言ってくれるけど……

さっき、可愛すぎるって言ってくれてたけど…


本当にかわいいってのは、このおじさんみたいなこと言うんじゃないかな?



お化け屋敷を出ると、ちょうどお昼。

まぁ、大変だったから、一休みするべきだし。

すぐ絶叫系行ったら、もう死んじゃうかも?


「落ち行きました?」

「あぁ、カッコ悪いとこ見せちゃったな!」

いえいえ、私的には、良かったですよ!

「お化け苦手だったんですね。」

「うん、前に莉乃と入ったときもダメだった。」

「……莉乃ちゃんにも抱きついたの?」


エイスケさんがはっとする。

「はっ?怖くてそれどころじゃなかったけど、抱きついてましたよね?」

改めて言われると恥ずかしいです。

「ええ、可愛かったですよ!」

「ぐぐっ。ごめんなさい!変なとこ触ってないですよね?」

変なとこ?エイスケさんにさわられて嫌なところはひとつも無いですよ。

「大丈夫でした。エイスケさんとても紳士でしたよ。」


抱き付きながらも、気を遣ってくれていた。


ん、気が遣えるの?

じゃあ、あの莉乃(ペアー)ちゃんにしちゃうラッキースケベ的なのは?


わざとかーい。。

いや、違うと信じよう。この人を信じると決めたんだからね。


「なに食べましょう?」

って聞いてみたけど。あれっ、スマホ見てる…


「あの、」

エイスケさん。言いにくそう。

「ベジタリアですよね。莉乃ちゃんが戦ってるの?」

最近多発しているAランク相手には、私では役不足。通知も来ない。なんか寂しいけど、引退の時期かなと思ってる。


「うん。行かないと。」

なかなか動こうとしない。ここは、私が……

「行ってあげて!私も魔法少女だから、わかってるから。」


「うん、すぐ戻るよ!」

「はいっ。待ってます。」


後ろ髪引かれるような感じで、エイスケさんは行ってしまった。

サクラちゃんに血を吸われて、莉乃ちゃんにオサワリしながら戦うのだろう。


何か、なにか、心が、グッとなる。


私には、通知もなければ、林檎の妖精も来ない……

エイスケさんが好きだし、エイスケさんに抱いて欲しいと思ってる。本当に潮時なんだろう。


今後エイスケさんと付き合っていけば、こんな感じで置いてきぼりになることも、多々あるだろう。


私、これからも笑顔で送り出せるかなぁ。

ちょっと自信ないな。


行って欲しくないなって、ちょっとイヤな女になってしまう。

戦ってもらわないとダメなことは、6年も魔法少女やってた私が一番よく知っているはずなのに…


ままならない自分の気持ちに、涙が溢れてしまった。



林檎ちゃんパートでした。


この妄想女子は、私のお気に入りです。

私が付き合いたいくらい。ん?


ここまで読んで頂きありがとうございます。

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