俺は、2連射できる男!!
莉乃が帰ってくるまでの数分間で済ませましたっ!
…ギリギリだったけど。
ちょうど帰ってきて、ただいまーって可愛い声聞きながら…
40過ぎたけど、まだまだイケるぜ。
娘になに考えてるのって言わないで…
血い繋がってないし…
この際関係ないっか。
大好きだったお義姉ちゃんにそっくりになってきて…
それも関係ないっか。
うん、そうだよ。柔らかかったな。ちょっと恥ずかしがる莉乃を思い出す。
仕方ないよ。俺だって男だい。
ま、賢者タイムに降りかかってくる後悔の念を抑えて、莉乃と接する。
まー、こっちの莉乃は、うん、まだまだだな。
「トイレ、トイレっと」
「なにしてんの?早く行きなよ。」
ん、なにか気付いた?いや、大丈夫だろ。
莉乃見てたら、あの感触思い出して……
賢者タイム早くも終了なのか……
う、エイスケ40才。まだまだ青春まっしぐらです。
……2連射か。まだまだいけるもんだな。自信ついたよ。
その週末。
今日は、蒼井さんとの初デート。
いろいろ考えたけど、遊園地に行くことにした。
蒼井さん。いや、あえて下の名前でいこう。林檎が…
いや、まだ照れるな。蒼井さんが住んでる駅まで言って待ち合わせて行くことにした。
そうだ、お弁当持っていこっと。思ったけど。
「デートに弁当持ってくる男がどこのいるのよ!」
って莉乃に止められた。
「いや、デートってか。遊びに行くだけで……」
娘にデートに行くって知られるのは、なんか恥ずかしい感じだな。ちゅうか、蒼井さんとの事、バレてるのかな?
さて、電車に乗り込み、窓に映る顔を見る。
40才男性って、感じか。でも、少し若く見えるよな?
あんな美人で若い娘と、俺が釣り合うわけ無いんだけど……
でも、俺だってまだまだイケてるはず。
なんたって2連射できたんだからね!
若いもんには、負けんよ。
「あー、ダリいな。」
近くの若者が話している。
「どした?」
男の二人組だ。
「いやー、昨日、女が寝かしてくれんでさ。寝不足なんだよ!」
「なんだよ。自慢か?」
「なんかさ。5発目位から何発やったかわかんなくなってよ。」
えっ。5発?マジですか?
「すげえな。俺なんか3発でもういいかなって」
……。
2連射の自信が……
根本から崩れ去りました。
あ、でも、あの感触とか蒼井さんとか思い出すだけであれから毎日だし…
妄想だけで毎日って、40才にしては、元気なんじゃん?
「でも、お前、それ毎日なんだろ?毎日は、流石に無理だわ。」
「う、まぁな!3発はノルマってか!」
「俺だったら、一発の日もあるしな!」
……
もういいです。
その後も、コイツらに精神を削られ続けました。
で、待ち合わせ場所には、蒼井さんが既にいた。
30分前だよ。
無表情で冷たい感じの美人さん。でもね、
「こんにちは、早いね。ちょっとお茶して待ってようと思ったんだけど…」
声をかけると、パァーっと表情が明るくなる。
まぁ、付き合うことになった俺の彼女だけど、自惚れて良いよね!2発しか出せんけど……
蒼井さんにとって、俺は特別だって!
「いえ。私も今来たとこです。楽しみ過ぎて早く来ちゃいました。」
とはいえ、なんだろ?ずっと待たしていた感じがする。気のせいかもだけど。
楽しみ過ぎるって、嬉しすぎるよ!
2はつっ……は、もう良いか。
駅前に遊園地はある。
大人二人と乗り放題のパスポート?乗り物券?
どうしたら良いのかなぁ?
莉乃と来た時は、パスポート一択なんだけど…
「どうする?」
って聞くけど、優柔不断な男には、見られたくないところ。
…優柔不断でなけりゃ、とっくに、まぁ、卒業できてたんだけどね。
でも、でも、俺には、この美人さんがいる。
時間の問題だな。
「ふふふっ。実は、券貰ってきたんですっ。」
「あ、そうなんだ。」
あ、これじゃあ、蒼井さんのぶん出せないや。
「おとうさん!女の子に財布出させたらダメだからね!」
莉乃が言ってたけど、ま、次の機会だな。
「何乗ります?」
…絶叫マシーンは苦手。お化け屋敷怖い。
楽しむ莉乃を、カメラで撮る役だったから……
「あれ、」
蒼井さんが、指差したのはジェットコースター。
「…うん。」
明らかにイヤな顔しちゃったよ。
「は、後で良いですね。まずは、あれ行きましょう。」
池があり、2人乗りのペダルこぎボートがあった。
あれ、俺が苦手なの察してくれた?流石は俺が惚れた女!
ボートに二人乗り込む。
ペダルボートなので、並んで座る。
……何話して良いかわからん。
少しの沈黙。どうしよう。面白くない男って思われるかなぁ?
うぅ、ペダルとハンドルに集中だ。
ふと、蒼井さんを見ると
俺を見上げる、少し丸顔、キレイな黒目。か、かわいいっ!
蒼井さんと目があった。みつめあう二人。
ガガッ
「あ、」
池の真ん中にある島に、接触してしまう。
思わず蒼井さんを支える。
ボートは少し揺れたけど、問題なかったようだ。
あ、蒼井さんの肩、掴んだままだった。
「ごめん。大丈夫だった?」
「あ、いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」
はにかむ蒼井さん。かわいいのね。
んー、もう正直に言おう。DTなのはバレてるんだし。
「蒼井さん。俺、あの、女の人あまりなれてなくて。」
俺の話を聞こうと俺を見る蒼井さん。う、もう惚れてます。
「だから、うまくできないこと、いっぱいあると思う。でも、蒼井さんのこと大切にするから。よろしくお願いします。」
蒼井さん。笑ってくれた。
「はいっ。私も彼氏できたの、初めてです。こちらこそ、です。」
「初めてが、こんなおじさんでごめんね!」
俺も笑う。恐る恐る、隣の手を取る。
握り返してくれた。
時間まで、手を繋いで、はにかみながら、たまに見つめあって…
会話は、あまりなかったけど……
幸せな時間だった。左手にぬくもり感じながら。
それから、差し障りの無いアトラクションいくつか乗ったんだけど……
めちゃジェットコースター気にしてる?
エイっ、男は根性だ。
「あれ、乗りたい?」
遠慮してくれると助かる。。
「良いの?」
その笑顔、ズルいぞ。
数分後。
満足げな蒼井さんと、脱け殻になった俺…
「気持ち良かったっ!」
あ、なんか、ヤバいテンション。
「次、あれ行きましょう!」
え、あ、それダメ。それだけは……
でも、この手離したくない。
脱け殻となった俺は、美人さんに手を引かれて、お化け屋敷に。
怖くて、小学生の莉乃に抱きついて泣いた記憶が……
ヤバい。頑張れるのか、俺……
いや、数分後の俺、頑張ってくれ!
恋愛パート続きます。
バトルシーンが楽しみな方、スミマセン。
ペアーちゃんに、おっさんがおさわりするのが楽しみな方、もう少しお待ちください。
と言うわけで、ここまで読んで頂きありがとうございます。
評価、ブクマ。ありがとうございます。
小躍りして喜ばせて頂きました。




