おめでとうの気持ち。フクザツな気持ち。
やっぱり変だ。
桜花高校の見学会の日。少し遅く帰ってきたおとうさんは、お風呂で鼻唄を歌ってる!
ごきげんじゃん?
あの様子だと、蒼井さんにめちゃ怒られたんじゃないかと思ったんだけど…
「こーいしちゃったんだー♪この気持ちぃ♪はやくぅ気付いてよー♪」
鼻唄じゃなくて、女の子向けの恋うたをガチで歌ってやがる…。
選曲が乙女だぜっ。何があった?とうちゃん!
お父サマ!お風呂上がりもご機嫌だなぁー
「りーのちゃん。今日もかわいいねぇ!なんだろう。すべてが美しく見えるよ!」
ん、美しいって何?バカなの?かなり酔ってるみたいだね!
「おとうさん!楽しそうだね。なんかあった?」
「ん、そうかな。でも、何も無いよ。」
ま、何もないわけ無いよね。
……ま、相手が蒼井さんなら。
仕方ない。か。
なんか、フクザツだけど、私にはチェリーさんが…
ま、戦いの時しか会えないけれど。
蒼井さんが、おかあさんになってくれるなら私も嬉しい?
うん…、嬉しいと思うから、頑張ってね。
んん?こんな夜に通知だ。
「あ、ちょっと、出てくるね。」
今、9時回ったところ。こんな時間から出歩くのダメだけど、魔法少女関係の事だと、何故か納得してくれる。
授業抜け出したり、電車が止まったこともある。
何か凄いチカラを感じるよ。
でも、おとうさん。何か考え事?スマホ見てる…
魔法少女関係だよ。おKでしょ?
「ん、そうか。気を付けてな!無理するなよ。」
無理するなって?変な感じ。まぁ、いいか。
「うん。いってきます。」
外に出るとナシオがいた。
「ごめんね。ちょっと強敵だから。今、ベリー姉妹が足止めしているんだけどね。」
ナシオに血を吸われる。
あぁぁ。気持ちいい。でも、やっぱり満足げなナシオには
なんだかいらっとするよ。
現場に到着すると、赤と紫の光が錯綜してとってもキレイ。
二人の美少女が、目眩ましして時間を稼いでくれていた。
「お、莉乃!来てくれたね。」
紫乃さん。魔法少女ブルーベリーは、小柄だけど格好いい感じ。女の子達から絶大な支持がある。
「はいっ!敵は?」
「Aランク。茄子ですわ。覚醒して麻婆茄子になってる…」
紅乃さん。魔法少女ラズベリーは、とにかく可愛い。
アップルさんも可愛いけど、ラズベリーさんも負けてない。
私、ペアーは、比べると少し大人な感じ。魔法少女というよりは、魔女?いや、まだ少女だよっ。
ま、一番年下なんだけどね。
こういうスタイルになれるかもって未来は、少し楽しみ。
麻婆茄子ってもう料理じゃん。
攻撃は?うわっ。挽き肉飛んできたよ!
覚醒したところで、私にはなし汁……
スプラッシュしかないから、打ち落とすか
と思ったら、優しい光。あ、チェリーさんだな。
「莉乃!大丈夫か?…あ、ベリーさん達も?」
チェリーさんの光は、飛んできた挽き肉をすべて消滅させた。
「「チェリーさん!」」
チェリーさんに気付いたベリー姉妹もこちらに寄ってくる。
「援護いただけますか?手を…」
「直接触った方が、効果出るんだろ?腕貸して!」
あれっ、二人ともチェリーさんに触りに来てる?えっと、援護貰いに来てるだけだよね!。
「わかった。おいで。」
チェリーさん。やさしいから…
二人は、チェリーさんの両側に来て、それぞれ腕を組んでいる。
あれっ、私には?
「うふん。優しい感じ。力がみなぎってきます。」
「おおほっ、よし、イケる。でも、私らは足止めかな?」
二人がチェリーさんから離れ赤と紫の光を発して、麻婆茄子に向かっていく。
「よし、じゃあ、莉乃だね」
チェリーさんが背後に来た。これから、何時ものように背中に手を当てて援護してくれる。
私も腕組みたいな。
って思ったんは確かなんだけど。意識せず……いや、めっちゃ意識したかな。手を当ててくれるタイミングで、私もチェリーさんの方へ体を動かした。…無意識だよ。
ちょっとチェリーさんに、寄りかかりたかっただけなんだけど…
「あっ…、」
チェリーさんに、後ろから抱き抱えられる格好になり、背中に伸ばしたはずのチェリーさんの手は、何故か胸に…
元の莉乃だと、まだほとんど無いけど、高校生になったら急激に育つのかな?ちゃんとある胸に、チェリーさんの手が……
「うっ!」
当たってる。あれ、なんか、なんか、揉んでる?援護のチカラが入ってくるし気持ちいいよ。
「あ、ごめん。いや、そんなつもりじゃ」
しっかり揉んだくせに、離れようとするチェリーさんの手を掴んで、胸に手をあてさせたまま。
「こ、このままでっ…このままで良いです。」
「えっ?…あ、じゃあチカラ入れるね。」
時々、チカラが入るのか、胸に当たってる手のひらがヤラしく動くけど、…まぁ、仕方ないよね、若い男の人なんだし…
いつもより、援護のチカラが増している気がする。
「紅乃さん、紫乃さん。もうイケます。いきますよ!」
ベリー姉妹が、左右に別れ、攻撃の道筋をつけてくれた。
「ナシ・スプラッシュー!」
麻婆茄子は四散。Aランクですが、一撃でした。
「紅乃ちゃん。あれ、どう思う?ペアーの胸揉んでたろ。」
「ただのラッキースケベではありませんわね。主人公特性なのかしら。」
二人が何か話している。まぁ、チェリーさん、童貞さんなんだろうけど、スケベなのに違いないよね。
でも、全然イヤじゃなかったし、うん、触ってもらって嬉しかったな。
「あ、なんか、ごめんね。気を付けて帰ってね。」
チェリーさんが謝ってくる。
「いえ。ぅれしかったし…いえ、なんか、効果上がった気がしました。」
「そうなんかな。また、よろしくな」
チェリーさんが去っていく。
ん、またよろしく?
また、触りたいってこと?
…
……
………
…今度は、偶然のラッキーじゃなくて、触りに来るのかな?
心の準備をしておこう。
家に帰ったんだけど、
「ただいまー」
あれっ返事がない?
しばらくすると、どこかスッキリした感じで、少し疲れた感じのおとうさんが部屋から出てきた。
「お、おかえり。大丈夫だった?」
「うん、問題ない。」
「そっか、あ、俺トイレ行くんだった。」
ふーん。なんか変なおとうさんっ!
目線、なんか胸の方見てたし……
蒼井さんと違って、ペタペタで悪かったわね。
もうちょっとすれば、あれくらいにはなるんだよ!
まったく、娘が戦っている間に何してたんだか。
酔っぱらいだったし、ま、私には、チェリーさんがいるから良いけど。
ん、酔っぱらいだったよね?
酔いってそんなにすぐ醒めるのかな?
シリの次は、ムネ…
早くもネタ切れだな。
莉乃さんの感じるところ開発せねば…
……これは、父娘の成長物語なんですっ。
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