魔法少女ペアー!
2話目。
週4~5話を目標にします。
できたら毎日…
私の名前は、千葉莉乃といいます。
本当の両親はいなくて、育ての親であるお父さんに育てられている。他には特に変わったところもなく、どこにでもいる中学生なんだけど、故あって魔法少女やってます。
魔法少女になったきっかけは、友達を守るため。
皆で、下校途中に野菜の化け物に襲われたんだ。
そこで、梨の形をした妖精?みたいなやつに聞かれた。
「力が欲しい?」
って。正直、力なんて要らなかったけど、野菜の化け物が私達を襲ってくる。
「あ、舞ぃ!」
友達の一人、舞がキャベツの葉っぱで包まれていく
「速くしないと、あのコ、吸いとられちゃうよ。」
梨にせかされるけど、怖いよ!
「何で、私なの?」
これは、巷で噂になっている魔法少女のことなんだろう。ニュースでもたまにやってるけど、違う世界の話のようで他人事だった。
「魔法少女はね、純潔じゃないとダメなんだ。今、魔法少女になれるのは君だけなんだよ。」
えっ、嘘。と言うことは、優香も、舞も、えっ陽菜も?
処女じゃないのかー?なんか複雑。まだ中学生だよ!
「あと、コスチュームが入るって条件もあるけどね!」
ちょっとポッチャリめの陽菜。良かった、処女は私だけじゃないのね。
それで、契約ってのをして魔法少女になったんだ。
首筋を噛まれて、血を吸われた。
あぁ、なんだか気持ちいい!でも、
「かぁー、やっぱ処女の血はサイコーだな!」
って梨が叫んでたのは、なんか納得いかなかったけど。
それで、友達の事、助けられたから良かったんだけど。
いままで、数匹の野菜の化け物を倒してきた。
経験値ってのと、お金の報酬貰えて、ランクが上がって、なんか、魔法少女が楽しくなってきたところだったんだけど。
命かけてる事、忘れてたな。
いや、考えないようにしていたのかな?
で、今、大ピンチです。
今までは、なんとなく倒せてきた野菜の化け物なんだけど、今回の豆の化け物には、私の攻撃が効かないのね!
豆の化け物の放つ、豆爆弾。私が戸惑っている間にすごい数になっている。一個当たっただけでもヤバかった。あれ全部受けたら死んじゃうかも…
「リノっ!しっかりするんだ!」
話しかけてくるのは、あの梨の形をした妖精?みたいなやつ。
ナシオって呼んでる。
「でも、ナシオぉ。もう、ダメだよ。ナシ・スプラッシュ効かないし…」
私の唯一の攻撃手段。水鉄砲みたいに、液体を飛ばす。
今まではこれで倒せてきた。
「敵も魔法少女に対抗して、ランクを上げてきたんだ!」
魔法少女には、ランクがあって私は今Eランクらしいのね。
それで、今までは、EとかFとかのランクの敵だけを相手にしてきたから
「目の前の敵のランクはD!応援要請するから、リノは時間稼いで!」
「えっ、でも、爆弾が…」
無数の豆の爆弾が向かってくる!
あぁ、ダメだよ。助けて、……おとうさ
いつでも助けてくれた。
授業参観の時、張り切って手を挙げたのに答えられなくて困ったとき
運動会の時、コケちゃった時も
初めてアレがきたときは、…役に立たなかったか。
とにかくいつも、お父さんが助けてくれた。
でも、無理だよね。先に死んじゃったらごめんね。
せっかく買ったケーキも潰れちゃったし。
豆爆弾で潰れたケーキの箱が、目に入る。
お父さん、ごめんね。去年、意地張って、誕生日祝ってあげられなかった。今年は、魔法少女の、報酬でお金もあるし、去年の事、謝りたかったのに。
本当は、大好きだよ!
今までありがとう!
今回は、…来れないよね。助けてくれないよね。
座り込んで、頭を抱える。
豆の爆弾が飛んできて、爆発、吹き飛ばされる。
……はずだった。
何も、おきてない!
恐る恐る顔をあげると、バリアみたいなのが貼られていて、爆弾から身を守ってくれた。
「はやく立って!これで守れるの、たぶん一回だけ!」
見ると、赤い応援団みたいな学生服を着たお兄さんがたっていた。
魔法……少年
そんなのいるんだ。でも、ちょっとカッコいいかな!
立ちあがり、豆の化け物を見る。
「僕は、攻撃能力がないみたいなんだ。莉乃!いけるか?」
なんで、私の名前を…そうか、ナシオが呼んだ応援の人かな?
「でも、私の攻撃効かないんです!」
学生服のお兄さんが、サクランボの妖精となにやら話している。
「君の力は、補助に特化しているようだね。魔法使いチェリー!」
「チェリー言うなって!じゃあ、莉乃を強化できるのか?」
「物わかりがよくて助かるわ!力を使うのよ!」
「やってみる。」
お兄さんの体が、ピンクがかった赤くひかりだす。
すると力が湧いてくる気がした。
「リノ!ごめん。助けはしばらく来ない。時間稼いだら、逃げていいって。って、どうなってる?」
ナシオが帰ってきた。
「あのお兄さんが助けてくれた。」
「あれ、チェリーじゃん。なんでお前が…」
「あら、ペアー君。ごきげんよう!話は後ね。」
私の攻撃は、今までの苦戦が嘘のように、あっさりと豆をやっつけたのだった。
「あの、ありがとうございました。お兄さんのおかげです。」
「お兄さん?いや、どういたしまして。君が無事で良かった。」
「あ、(ケーキ屋さん閉まっちゃう。)このお礼は、ちゃんとします。ちょっと急いでいますので、ごめんなさい。」
「あ、大丈夫。早く帰った方が良いよ」
世界がもとに戻る。
変身が解けて、制服姿に戻る。お兄さんはもういない。
ケーキ屋さんの方へ、走っていく。
体が熱くなっているのは、戦いがあったからと、ケーキ屋さんまで走ったからだよね。
ケーキ屋さんについても、からだの奥は熱いままだった。顔まで赤くなってるの、自分でもわかる。走ったからだよね!
ケーキを買いながら、頭に浮かんでくるのは、優しいお父さんの顔と、私を助けてくれて、カッコ良かったお兄さんの顔だった。
お父さん大好きって言われたい!
娘いないし、妄想ですが…