40才童貞。魔法使いになる!
とりあえず投稿。
話のストック無しなので、不定期投稿になります。
私の名前は、千葉詠介。
いちおう娘がいるが、血は繋がっていない義理の娘。莉乃って言うんだけど、可愛いんだよ!
親バカと言われるかもしれんが!
20才半ばで、娘を引き取って育ててきた。気が付いたら、今日が40才の誕生日になってしまった。
少し残業したが、帰りを急ぐ。莉乃が、なにか準備してくれているかもしれない!
まぁ、もうそんな年頃ではないか…
駅から出たところ、ここからが徒歩で10数分で家に帰れる。そんな場所で、コトはおきた。
一時、暗闇がすべてを覆うと、元に戻った。
これって、あの、もしかして、あれか?
ここは、現代の日本が舞台なんだけど、ベジタリア星からの侵略を受けていた。ベジタリア星人からの攻撃から守るため地球は、フルート星から援助をもらっていた。
話には聞いていた。ベジタリア星人の攻撃を被害なく受け止めるための、異次元空間に来たようだ。もとの世界に模した世界がここにある。
初めて入ったな。ニュースとかでは聞いていたけど、本当にあったんだこの空間。今そして、そこでは、豆?のような化け物が暴れていた。
この空間の、破壊率が一定を越えると、空間が元に戻り、現実世界に被害が出るらしい。
今まで、現実世界でも、数件の被害が確認されている。
そして、その野菜のような化け物に対抗するのが、フルート星から力をもらった魔法少女達である。
「皆さん、あちらに避難してください。ここで食い止めます。」
梨色(ちょっと濃い黄色)のコスチュームに身を包んだ少女が現れ、一般人を誘導してくれた。
「魔法少女ペアーちゃんだ!」
誰かが言った。それぞれの地域を守る魔法少女がいて、アイドルみたいな扱いをされているらしい。
ペアー?梨かな?
写真を撮ろうと、スマホで撮している青年がいる。
「危ないので、下がっていて!」
魔法少女さんが、その青年を注意する。
豆の爆弾が飛んできて、すぐそばの建物が破壊された。
ちょっと、ぼっとしていた。逃げないと!
その青年を連れて、逃げる。
でも、あの少女!
莉乃に似ている?
…そんなわけないか。
物陰から戦いを見つめる。
豆の化け物は、爆弾攻撃が主のようだ。
向かってくる豆爆弾に対して、魔法少女は、液体のようなものを手から水鉄砲のように、飛ばして防いでいる!
…梨汁?
あの少女の仕草、イライラした時に髪をさわる癖、娘の莉乃の癖だ。
やっぱり莉乃なのかっ?外見はちょっと違うが…
…でも、莉乃があの仕草をしている。
授業参観で答えられなかったとき。
運動会で、転んでしまったとき。
初めてアレがきたときに、男親の俺には言えなくて、悩んでいたとき。
莉乃がどうしようもない時にする仕草!
あ、爆弾が一つ当たった。ううっ、胸がギュッと苦しくなる。
いてもたってもいられない。駆け出しそうになる。
「大丈夫。ペアーちゃんだから…」
隣の青年が呟くが、根拠がないぞっ!
爆風が晴れると、魔法少女ペアーは、倒れることなく、立っている。
でも、表情は晴れないっ。どうなってる?
梨汁は?もうないのか?
一方、豆の化け物の方を見ると、着々と豆の爆弾が用意されていく!
…ヤバイのでは?
莉乃を引き取ってから、俺が守るって決めたんだ。
あの笑顔を一生かけて守るって決めたんだ。
なのに、今、俺は何をしている?
莉乃に守られて、こそこそ隠れてる。
俺が盾になる。豆の化け物の前に行って、爆弾を防ぐんだ!莉乃を守る。莉乃のためなら何でも出来るんだ。
決意は固い。
物陰から飛び出したその時。
サクランボ?の妖精みたいなのが俺の前に現れた!
「力が欲しい?」
うわっ!サクランボがしゃべったぞ!
力?欲しいさ、莉乃を守る力を!
「おめでとうございます!貴方は、晴れてこの瞬間、純潔のまま40年過ごされました!」
うっ。純潔って
…泣いてもいい?
莉乃を育てるために、そんな暇なかったんだよ!
お金もいるから、風俗にも行かず。
「まぁ、30才でも魔法使いにはなれるんだけど、へぇー。キスもしてないの?えっ、うわぁー」
心読めるの?
俺の純潔?ぷりに、サクランボがドン引きしている。
…なんだコイツ。人の傷口を!!
食ってやろか!
「あー、ごめんなさい!純潔度が高いほど力が強くなるのよ。あなた凄いじゃない。じゃあ契約しましょう。」
誉められてる?のか。。
何でだろう?良い気がしないな。
「契約?」
「難しいことじゃないよ。この力を使ってベジタリア星人と戦ってくれってのと、この力を悪用しないこと!」
「ベジタリア星人を攻撃するのは、悪用ではないと?」
「難しいことを言うね。この力は、ベジタリア星人と戦うための力、それ以外には使うなってこと!もちろん大切な人を守るとかで、やむを得ない場合は大丈夫よ!」
あ、豆の爆弾が増えていく!
考えている時間はない。
「…契約する。」
「まぁ、時間もないし、報酬とかの細かいとこは後でね。ちょっと血をもらうね。」
サクランボの妖精さんは、俺に近づき
「カプッ」
と、首筋に噛みついた。チクッとするが、嫌じゃない。むしろ気持ちが良い!
「やっぱ、ドーテーのオッサンの血は最高だわ!」
酔いしれるサクランボ!うるさいって、黙れ!
「これで変身できるわよ。念じるの!」
莉乃を助けるんだ。力が込み上げてくるのがわかる!
そして、俺は変身した。
40才童貞、魔法使いになる!
よろしくお願いいたします!