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Another world...  作者: 珀夜
Adventure
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意外とこの世界は

 意外とこの世界は過ごすのが楽です。いや楽ではないのですけれど思っていた以上にというか、非常識に簡単です。

「地球の一部の物理法則が迷子になってる」

 そんな気にしかなりません。ともあれ、私が拠点を作るまでのダイジェストに行きましょうか。


 まず原木を採取します。そのあたりに生えている樹を手でぺしぺし。しばらくすると取れます。

 原木をぎゅーってします。木材4つに変化します。別に皮剥ぎなんてやってませんしカンナもかけてません。不思議。

 木材を4つ、手で固めるようにぎゅーってします。作業台に変化します。天板の模様(3x3の将棋盤?)はどこから出てきた?

 木材を2つ、手で固めるようにぎゅーってします。棒4本に変化します。固めているのに細くなるという物理法則の無視。

 ここからはさっきの作業台の出番。

 作業台に、木材3つと棒2つ、いろいろな並びで置きます。木の斧、木のツルハシになります。研いでも結んでもいないのに。

 木のツルハシで石を採取し、さっきの材料を石と棒で。石の斧、石のツルハシになります。いろいろ疲れます。

 ヒビの入っている採取した石、丸石というのですが、これを作業台に8個、「ロ」の形に並べます。かまどになります。接着したっけ?

 かまどで原木を、木材原料で焼いてみました。木炭になりました。いやあなた燃焼していたでしょ。

 棒と木炭を、手で固めるようにぎゅーってします。たいまつ4本になります。木炭の粉にした覚えはないのだけれど。

 砂漠から取ってきた砂をかまどで焼きます。ガラスブロックになります。ブロックと言う時点でおかしい。

 例えば木材と木材、同種を並べると、まるでプロのお仕事のように切り目が全く見えなくなります。いやだから接着していないってば。


 こんなふうに、不思議なことがいっぱいの製造過程。慣れないけれども、とてもとても面白い。

 知らないことが、こんなにも面白いことだとはおもえませんでしたよ? 不思議が不思議を呼ぶ、ヘンな感覚です。

「ある意味、ファンタジーな世界よね」

 木材とガラスとだけでつくった簡単な防壁。6方面、四方に上下を木材にしたので寝っ転がっても土の湿気る不快感やキツイ日差しもありません。

 ただ、生活感がないなぁ、とは思います。

「そういえば、森の方に牛と羊がいたわね・・・」

 あと、砂漠には竹みたいな植物。更にいろいろ作れそうな気配です。とりあえず、ベッドぐらいは作りたいね。

 そうと決まれば

「武器。石武器でいいから何か作らないと」

 鉄はどこにあるのだろう? やっぱり地下なのだろうか?


   †


 結局石武器を作るのはやめました。重いし、何より

「斧でいいじゃない。ある意味武器よ武器」

 戦斧とか投斧とか地球にはあるぐらいにメジャーな武器、斧。これで十分。

 羊さんや牛さんには悪いけれど、何匹かは狩らせてもらう。もらえるのかな。というか、自分にそれができるか心配になってきた。

 なんとか・・・なるのかな・・・


 ・・・

 ・・・・・・

 なりました。いやよかった、血がぶしゃーとかそういったグロテスクな感じにはなりませんでした。

 なんでだろね? そういう世界だから、で納得するしかないんですけれど

「でもこれで・・・」

 羊毛、羊の肉、牛の皮に牛の肉。羊毛があれば

「ベッドが作れる。焼き肉できる」

 帰ってサクッとつくり...


 ました。

 木材3つと羊毛3ブロック分でベッド。

 お肉は単にかまどで焼いて焼いた肉。これは地球のほうが美味しいなぁ。せめて塩がほしい、続くと飽きそうです。

 短期的な食糧問題はなんとかなったので、長期的な計画も進めます。

 そのあたりの草を刈ると見つかるいろいろな種。なんの種かはわかりませんが植えてみれば分かるはず。畑を作るためには

「棒を2本と石2つ。"「"みたいにおいて・・・石のクワ、ね」

 これで土を掘り返して、水を用意すればなんとかなります。家の裏手に池? みたいな場所がありました、その周辺を農地にしましょう。

 基本的にこちらにはいないことを想定して、どれだけの範囲なら畑として継続して使えるかも検証します。

 池を中心に、とりあえず10mかな。クワで耕して・・・

「ふっ・・・せーのっふっ・・・」

 これを100m2かぁ。疲れるなぁ。


 その日のうちにはなんとかなりました。

 クワで耕すと、耕していない硬い土と違い柔らかい黒い土が顔を出します。

 そこに同じに見える種をある程度まとめて植えていく。判断に迷うところですけれど、池を中心に8方向に、1方向に1種類で試してみました。

 あ、ちなみに距離は水場から4m以内なら畑のままみたい。水やりしなくて良い分楽になります。

「はぁ、これで一日が終わりかぁ・・・」

 たった一日で木材で箱を作り、ベッドを準備し、畑まで作れる。ファンタジー以外の何物でもないですこんなの。

 でもファンタジーだからこそ助かっている部分も多々あるのですよね。

 そのあたりはまた明日。

「なんか、心地いいな。疲れてるんだけれど、どこか気持ちいい」

 会社というかなりウザったい組織に属することなく。上からも下からも、廻りからも何も言われることなく。ただただ自分がやりたいことをできるというのがココまで気持ちいいものだとは思いませんでした。

 当面帰らなくてもいいかなぁとは思うけれど、もうしばらくはこちらにいよう。

「・・・いずれ妹もつれてきたいな」

 ふと思い出した妹。最近は誰かのことを考えることもなかったのですけれどなんとなく思い出し、考え始めた頃には眠気に襲われベッドで眠りにつくのでした。

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