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2話:東日本大震災後の避難

 そうしているうちに14時半になり、滝山が俺におごらせろよと言いカフェの

精算を済ませデパートを出た。寒いのでコートの襟を立てて、みなとみらいの方

へ歩き出し数分が経ったころ、歩道が揺れ出し、あっという間に、すごい揺れで、

思わず立ち止まり、智子は、滝山に抱き付き、「怖いわ、怖いわと」叫んだ。


 数分して、揺れが収まると、どうしようと、智子が言うと、

「こういう時は、安全で広い場所、そー、ここなら、パシフィコ橫浜へいこう」

と言い、早足で、歩き出し、途中のコンビニで、飲み物、コップ、おにぎり、

唐揚げ、パンを多めに、素早く買い、外にあった段ボールをもらい、

パシフィコ横浜に入った。入ってから、

「僕が。この場所を確保してるからトイレを利用して来い」と言い、智子は、

トイレを済ませてきた。


 智子が戻ると、段ボールをしいて、座る場所を確保していた。

 その後、数時間して、お腹が空いたので、おにぎりと飲み物で、夕食を

済ませた。夜10時頃、横浜市の職員の方が毛布と水を持って避難所に現れ

、避難者に配ってくれた。寒かったので毛布が本当にありがたかった。


 この日は、雪が降る様な、寒い日だったので厚着していたがコンクリート

の床に座った状態で身体の芯から冷えてた。市営地下鉄が動いたらしいと、

話し声が聞こえた。その後、市の職員の方が

『横浜市営地下鉄が動きました』と言うアナウンスを

ハンドマイクで流し始めた。滝山が智子に

「子供さんはと聞くと既に結婚して勤めていると言った」。


 自宅は、どこと聞くと、

「新横浜の近くというので、とにかく家の近くの新横浜駅まで行こう」

と言う事になり、電車に乗って、新横浜へ向かった。新横浜駅では、

駅待合室を開放しており、水とダンボールを配布していた。既に毛布は

底をつき、段ボールを床に敷いて横になっている人、待合室のテレビを

食い入るように見ている人など様々だった。


 そして、テレビに映し出された光景に、目を奪われた。東北の大都市、

仙台市での大火災の映像、恐ろしい津波の映像ばかりで、その映像を無言

で食い入るように見ていた、滝山は、

「目に涙を浮かべて、会社の連中大丈夫かな」と、つぶやいた。そして、

「ここで、ちょっと待っていて」と言って、場所を離れた、10分後、

戻って来て、「会社に電話したが、勤務する仙台営業所には繋がらなかった」

そこで、東京の本社に電話すると、

「物が散乱して、ひどいが、本社の連中に怪我はないようで安心した」

と言った。


その後、智子が、

「当分、仙台に帰れない、もし良かったら私のマンションに来ませんか」

と言ってくれた。それを聞いて、滝山が良いのかと聞くと、

「私1人で住んでるから滝山さんさえ良かったら大歓迎よ」と言ったので、

「じゃー決まった、行こう」と言った。


 新横浜駅を出て大きな道を少し歩き右折して数分のマンションに到着した。

 帰ると、やはり食器が落ち物が散乱していたので、土足で入り、滝山が、

「ここは、俺に任せろ」と言い、

「持って来た段ボールを組み立て、壊れ物を入れた」。


 懐中電灯の場所を聞いて、懐中電灯を片手に今度はブレーカーを見に行くと

、落ちてないので、キッチンの電気をつけるとついた。その後、千葉に住む、

谷川智子さんの息子さん谷川久夫さんと電話がつながり、無事で自宅に帰って

きたと連絡がついたようで安心していた。

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