いち
うん・・・・飽きちゃったな。
さっきまでは愛しい気持ちで満たされていたのになあ。この子なら一生愛でる事が、出来ると思ったんだけど違ったみたい。
「サーシャ」
「ん?何アシュタルト?」
「ごめんね?君は何も悪く無いんだけど」
「え?」
「もう、興味が無くなっちゃった」
「・・・・・・え?」
2年前、一番最初に出会った時。
「君を保護しようか?」
ボロボロになっていた少女はこちらを見る。絶望から細い希望を見出だした者の目だ。
「ただし!君に飽きちゃったら、その時は君の心臓を貰うよ。私の心臓と交換だ!」
悪魔だから、本物の悪魔の微笑みを少女に向ける。少女はコクンと頷いた。
ねえ、思い出した可哀想なサーシャ?真っ青になるサーシャ。
優しくサーシャを抱き締め自由を奪う。サーシャに維持の魔法術式を唱え額に染み込ませる。安心させる為に微笑むと、同時にサーシャの胸に私の手が沈む。
「う・・」
サーシャの口から血が溢れる・・ゴボッ・・・・。
「い・・痛い痛い痛い痛い痛いあああああああ!!」
サーシャの絶叫が響く。ミチップチプチッと血管や筋組織が切れる音が聞こえる。
ブチブチブチブチッ!
「ギャアアアアアアアアアア!」
気絶はしないみたいだ可哀想に。
次に、自分の8つある心臓の1つを魔法で左手に乗せた、青い血で満たされた心臓を、サーシャの体にに埋め込むと途切れた血管や筋肉が絡み合うように繋がった。
私は一瞬でサーシャの心臓を自分の中に取り込む。手慣れたものだ、だって心臓の交換はサーシャが初めてではないのだから。
お互いの心臓がドクンと脈打つ。サーシャには心臓の中に残っていた青い血が、私にはサーシャの赤い血が体を巡る。
サーシャの血を悪魔の体が餌として取り込み、サーシャの心臓はあっという間に組み込まれ、新しい私の心臓として機能する。
うああああ・・・・痛い・・・・伝わってくる、サーシャの絶叫が心地好い。
サーシャの体は、悪魔の心臓を拒絶している。青い血がサーシャの体を内側から焼いていく。
「教えてあげるよ、可哀想なサーシャ、その心臓はね・・」
その心臓は、悪魔の心臓。
悪魔が戦い破れ、体の中の心臓全てが動かなくなった時、交換した心臓から悪魔が蘇る、交換する心臓は大切な保険。保険は沢山あればあるほど安心だろう?
だからね、サーシャも僕の為にいつか死んで?
読んで頂きありがとうございます。完結させる練習をしてます。6話くらいで終わる予定です。