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結論からいうと、どうすることもできなくなってしまった。
ドタドタと走ってきたのは本人ではなく、もっと沢山、しかも出てきたのではなく入っていった。
この世界は訳がわからない。感覚はあるのだが、あんな魔法みたいなものが自分に命中しても痛みの一つもないのだ。
まあそれはそれとして、物理攻撃?も痛みを感じないようだ。二回戦のことを彼からベラベラ話してもらったが、いくら攻撃を受けても痛みはないみたいだ。それがよくわからない術式だろうが剣だろうが。
と、思っていた矢先だった。
三回戦の試合中、待機室的なところで待っていたのだが、警備員みたいな人が沢山走っていった。まわりは若干騒がしい程度だったが、数分後に幾人もの警備員?が走っていってからは本当に騒がしくなった。
誰もが何かが起きたことは分かっていた。
ただ、関わりたくないのだ、当たり前だが。
当然、私もそうしていた。
そして、友人はいなくなった。
よく知らないが事故らしい。
この世界に痛みが今のところないので、死はいつ訪れるか知らないが、限界を超えたのだろう。何も考えられなかった。






