表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/23

scene4 チラシ募集

挿絵(By みてみん)


「30個覚えたら終わりだな」


「えー!そんなにやるの?絶対むり!」


「ちゃんとやっていれば覚えるよ」


ユウはノートと教科書を取り出して、覚え始めた。


喫茶店は、小洒落た洋画の飾ってある、少し古びた建物だった。


この辺りでは、喫茶店といえばここであり、私達はよくここを利用する。


「あ、待って!まず喫茶店に入ったんだから注文しないとね!私ココアにしよっと。ここのココアおいしいよ」


「じゃあアメリカンコーヒー」


忘れてた。

ユウはコーヒーが好きなんだった。


高校生のくせに生意気だな。


でもちょっとコーヒーが画になってしまうのが悔しい。


注文した後、コーヒーとココアが出てきて、1時間ぐらいが経った。


やっぱり無理だ…


全然おもしろくない…


教科書越しにユウを見ると、ユウは携帯をいじっていた。


「あー!サボってる!」


「俺はもう覚えたからいいの。早く覚えないとココア冷めるよ」


「分かった!でもとりあえずちょっと休憩ね」


出入口付近にあった雑誌を持ってくる。


雑誌なんて普段お金無くて買わないから、こういうときに一気に読んでしまう。


ペラペラとめくっていると、男性読者モデル募集という記事が目に入った。


読者モデルって、シロウトの読者が雑誌のモデルとして出る、副業みたいな職業のことだ。


シロウトでも、一応はモデルなんだから、それなりに外見が良くないとなれない。


「何見てんだ?」


ユウが私の本を指で押さえて、チラリと覗く。


「読者モデル?」


「そう。ユウなら出来るんじゃない?まあまあイケメンだし、背も高いし」


まあまあっていうのは、嘘。本当はすごくイケメンだけど、そんなことは言えない。


「そんなのやって何になるんだ?興味ないね」


「んー、アルバイトみたいなもんじゃない?でもそこから芸能人デビューとか出来ちゃうかもよ?」


「芸能人なんて、ますます興味ないね」


全く浮き世離れしている人だこと。

一度はみんな、有名人には憧れるでしょ。


「高校生でもなれるって書いてあるよ」


チラリとユウを見た。

ユウはもう自分のケータイをいじっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ