苦渋の未来の分かれ道
運命は時に残酷である...
今まで幸せだった日常をいともたやすく壊していくのだから...
side永琳
...暦との実験を繰り返して早3か月
やっと新薬が完成し所長に薬の結果についてレポートを渡し現在それについて議論になっている...
「ふむ...これで月への移住計画についての資源・エネルギー問題は解決か...よくやったね八意君!」
所長は満足そうにレポートを机に置く...
「ええ...月への移住計画も後僅からしいですし間に合い私も安心しています...」
「うん!私も自分の首がつながってよかったと思っているよ...だけどねぇ...」
所長は視線を下におろす...
「どうかしました?」
「実はね...今日上層部からこんなものが送られてきたんだ...」
所長は白い封筒を渡す...その封筒には八意永琳への召集勅令と書かれている...
「私に勅令?一体これは?」
「...私にも分からない...行ってみたら?上層部は何を考えているか分からないからね...」
「そうですか...」
私への勅令?上層部が?しばらく考えていると私の心に焦りが生まれてくる...
「...失礼します...すぐに上層部の方へ...」
所長の部屋を後にし私は王宮の上層部の人間がいるフロアへ向かう...
(そんな...まさか!)
私の心に残っている不安...それは暦の存在がばれたかもしれないということだ...
いやありえないわ!暦には常に人間の姿でいるようにと指示をしておいたし、暦は下級研究員だ...わざわざ上層部が取り上げるほどの実績もない!
幹部のいる会議室につき扉をノックする...
「...入りたまえ」
中から男性の声が聞こえ私は扉を開ける...中には5人の老人たちがそれぞれの席に座っている...
「失礼します...八意永琳...只今参りました...」
「来たか...まぁ座りなさい...立っているのも疲れるだろう?」
幹部の1人が扉の前の椅子を指差し私はおとなしくその席に座る...
「失礼します...」
「...さて八意君何故呼ばれたか...分かるかね?」
幹部の1人がおもむろに口を開く...
「さ...さぁ...分かりかねます」
声が震える...平静を装うとしてもこの5人の威圧には耐えられない!
暦のことではないようにと私は神に祈る...
「ふむ...では単刀直入にいうぞ?実はの大神暦のことなんじゃが?」
...私の中にわずかに残っていた希望が潰える...
「大神のことですか?私の助手ですが彼女が何か?」
「しらを切るんではない...大神暦は我々とは違う存在なのだろう?」
幹部の1人が書類を取り出す...
「半年ほど前に君はとあるペットショップにてアルビノの狐を購入したね?それはどこに行ったのかね?」
「逃げられまして...」
「フム...まあ良い...だが大神暦という人物は戸籍上存在していなかった...それに我々には物的証拠があるんだ...」
幹部が机にある物を置く...
「!!?」
机に上に置かれたのは暦の写真だ...それも私の家で人間の姿を解いている彼女の姿が映っていた...
「な...これは...」
「うちの諜報部は優秀でね...君のことは2年前から見張っていたよ...国の極秘でね...国家の敵になる恐れのある人物は監視するようになっているのだよ...しかし...狐を人間に帰るとは何とも面妖な...」
...2年前?暦を人間にする前からこの人たちは気づいていたというの?
「...私は」
「じゃが...君は処罰の対象にはせんよ...今回の資源エネルギーには良くやってくれた...貴重な人材を捨てるわけにはいかんからな...じゃが...大神暦は処分の対象となってしまうがの...」
「そんな!彼女は関係ない!!」
「残念じゃが...彼女は我々とは全く違う...生物特有の穢れを体に含んでいるからの...処罰はせんが...月の移住は認めん!それだけは言っておきたくての...では帰って宜しい...」
幹部から言われ私は部屋を出る...
「そんな...」
暦と別れる?月の移住まで後1か月くらいしかない...
まだ一緒に暮らして半年しか経過していないわ!こんなのって...
私はおもむろに依然彼女と一緒に取った写真を見る...
写真の中の私たちは笑っており、まさかこんな未来が来るとは思っても見なかった...
「こよみ...っ!!」
受け入れたくなかった!彼女と別れるなんて...また彼女を独りにしてしまうことが私には耐えれなかった...
しかし時計の針は進み後わずかになった彼女との貴重な時間を一刻一刻と残酷に消費していく...
第一章そろそろ終了します
ではこれにて