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東方五行大神伝 過去の章  作者: べネト
第1章:生まれた狐と天才の出会い
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実力と幸運のDNA

物語は更に進んでいく...

side永琳


「暦~!ご飯よ~!」


私は暦の部屋の外から声をかける...


最近暦の様子がおかしい...本を大量に買い込み一日中勉強している...それがもう1か月も経過しているのだから心配にもなるわ...


「わかったー!」


彼女は部屋から出てきていつもの席へ向かう...


「どうしたの暦?最近部屋に籠りっきりだけど?」


「ただのお勉強だよ?最近楽しくなってきたの!」


暦は茶碗を持ち笑う...何か隠しているのかしら?危なそうなことはしていないみたいだけど...




「...あまり無理しないでね...ふー...」


肩が痛くなり私は肩をほぐす...仕事の量が最近になって増え始めている...何故かは分からないけど上層部の方で何かもめているらしい...恐らくそれが激務の原因でしょうね...


「どうしたの?」


「少し疲労が溜まっただけよ...」


私の言葉に暦が笑う...


「大丈夫!そのうち私が手伝いできる日が来るよ!」




「手伝い?何の?」


「内緒!後1か月待ってね!」


暦はいたずらっ子のような笑みを浮かべ口元に指をあてる...


1か月ね...まぁ暦にできることは限られているしあまり期待はしないわ...


「まぁ...期待しているわ」


「うん!期待しててね!」


...この時の私は暦の実力を充分に測りきれていなかった










そして1か月後



「さて...終わりね...」


今日の分の調剤を終え研究室の片付けを始める...


暦と今日は何をしようかと考えていると研究室の扉が叩く音が聞こえ始める...


(八意君!いるかね?)


...この声所長の声だ



「はい局長...何か?」


私の目の前には大柄の初老の男性がいる...この人はこの研究所の所長...つまり私の上司である


「ああ!八意君!君に朗報があって来たのだよ!」


「...朗報?」


「ああ!君は助手が欲しいと言っていただろう?実はね!つい3日ほど前にとある研究者を雇ってね!学歴は無いが中々優秀でね...君にぴったりな子だと思ってね...どうだろう?」


...新しい研究者?この研究所に入社できるのだからかなりの子だと思うけど...話が急ね


所長は誰かを手招きする...私の方からでは確認できないがカツンカツンっとヒールの音が聞こえる...相手は女性のようだ...そして所長がその巨体を横に移動させるとその研究者の姿があらわになる...



「...え?」


「どうも初めまして!本日からこの研究所に配属されます...大神暦と申します!八意永琳さん!宜しくお願いします!」


私の目の前にはスーツに白衣姿の暦がいた...いつもの姿とは違い狐耳・尾がなくなって完全な人間の姿になっている...


何で暦がここに?とりあえず今は知らないふりをしておきましょう...


「ええ...宜しく」


「自己紹介は済んだようだね!...では宜しく頼むよ!」


所長は所長室のある方へ向かう...


とりあえず暦にはこのことを説明してもらわないと...


「暦...入りなさい」


「はい!承知しました!」


暦はおとなしく私の研究室に入り私は誰もいないことを確認し研究室の扉を閉める...







「ふ~ん...これが永琳の研究所か~!」


研究所に入った暦は辺りにある機材を見る...


私は扉に鍵をかけ暦の方へ行き...そして







パァーン!!



暦に平手うちをする...



暦は驚いて後ろに下がり頬に手を当てる...


「え...永琳...何を!?」


「何でこんな軽率な行動をしたのよ!」


研究室内に私の怒鳴り声が響く...


「軽率って...私は危ないことはしていないけど?」


「私の職場に来たことよ!私以外の人間に貴女の正体がばれたらどうするのよ!!貴女の存在は非合法的な薬を使ってるのよ...それがばれでもしたら...」


...恐ろしくてこれ以上は言えない暦の方も動揺し始めている









「ご...ごめん...只私...永琳の力になりたいと思って...永琳はっ!私の命の恩人だから...最近疲れてそうだからその負担を減らそうと...」


暦はポロポロと涙を流し始める...




...暦が私のことを思ってこんなことを?


(大丈夫!そのうち私が手伝いできる日が来るよ!)


あの時の言葉はこれのことを...


私は暦のことを優しく抱く...


「馬鹿ね...別に私のことは気にしなくていいのよ...」


「ふぇ?」


「今の私が辛いことは貴女がいなくなること...私のそばにいてくれればそれでいいのよ...」


「永琳っ!ごめんなさい!」


暦はすすり泣く...もうこうなってしまった以上後には引けない...暦を私の助手にするしかないようね...


私たちは研究所を後にして帰宅する...











「で?どうやって私の職場に入社できたのかしら?」


自宅についた後私は暦に事の成り行きを聞く...


暦は1枚の紙を私に渡す...


(研究員大募集!知識の高い人ならだれでもOK!皆の力で未来を発展させていこう!)


と書かれていた


「うちの社員募集のチラシ...これで?」


「...1000人程の応募があってその中から選ばれてここに来たの」


だからこの1か月ずっと勉強していたのね...いくら才能があるとはいえ学歴のない暦がここまで来るのは少し驚きね...



「倍率が低いのによく入れたわね...」


「...只運が良かっただけよ...生まれてまだ数か月の私がこんな多い抽選の中で選ばれた事自体が奇跡に近いよ...そしてまた運よく永琳の助手になれただけ...抽選に落ちていれば私の馬鹿な行動が止められたかもしれないのに...幸運どころか不運だよ」


暦は溜息をつき椅子に座る...そうとうショックを受けているみたいね...怒り過ぎたかしら...





「運も実力の内というじゃないの!気にすることはないわ!」


「...でも」


「...ほら元気だして!これから私の助手になるんでしょ?期待しているわよ!」


「...期待してくれるの?」


「私の助手だもの当然よ!」



暦の顔が少しずつ明るくなっていく...


「...そうだよね...元は永琳の力になるためにここまで頑張ったんだもの...過ぎた事をクヨクヨしたところでどうにもならないよね!」


「そうよ!暦!さて...この話はお終い!夕飯の準備をしましょ!」


「うん!」


...少々色々とあったけど何とかなったわね...これからも暦と共に働けるのは内心嬉しいけど...これからも一層バレないように気を付けないとね...





カシャ...




さてもう少しで物語の流れが変わり始めます!


ではこれにて

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