月の頭脳のお仕事
さて!どんどん行きますよ!
side永琳
暦と暮らして一か月が経過する...
定期的に体を検査しているが特に体の異常はないみたいだし心配はなさそうね...
この1か月彼女を観察していたがこの子はIQ値高いことがわかった。
暦は現在ソファに座って読書をしており、その読んでいる本は細胞・DNAに関する図鑑だ...
一見パラ見しているにしか見えないが内容を理解している辺り生まれて2か月の元・狐だということを忘れてしまうわ...
「♪~」
(...思ったよりこの子良いかも...将来の私の助手に丁度いいわね)
ふと時計を見ると9:00...そろそろ出勤の時間ね...
「暦~私は仕事に行ってくるから家でおとなしく待つのよ~!」
「う~ん...OK~!」
暦は本を読みながら手を振る...
そんな暦を見た後私は王宮の研究所へ向かう...
王宮にて
王宮に到着し私は自分の研究室に向かう...
「さて...今日も新しい薬の開発をしないと」
研究室の扉を開け中に入るとそこには...
「永琳~!お邪魔しているわよ~!」
私の目の前には研究室の椅子に座りコーヒーをすすっている長い髪の少女...こと蓬莱山輝夜がいた...
とある名家の娘であり、立場上私の主でもある人だ...
「か...姫...何故ここに?」
「暇だったから来たのよ...貴女最近休暇を取っていたみたいだし来ちゃった!」
「貴女のお父様に怒られるのは私なのよ...勝手にここへ来て...全くもう...」
まぁ...今頃彼女の護衛が血眼になって探しているだろうし、ここへ来たら引き渡しましょうか...
私は机へ向かい新薬の調合リストを確認する...
「...ねぇ?永琳~最近いいことあった?」
「...ん?ええ...まぁ...それがどうかしたの?」
輝夜は私の近くへきてコーヒーを机にドンと置く...
「何というか久しぶりに会って分かったけど..表情が柔らかくなった感じがするわ...何があったの?」
「まぁ...色々とね...」
...暦のことは内緒にしておこう本来あの薬は私が独自に作った禁止薬物の一種...
上層部にバレでもしたら暦を処分しなくてはいけなくなる...そんなことは絶対させないししたくもない...大切な子なんだから
「ちょっと!はぐらさないでよ!私にはちゃんと教えて...(姫様はどこだー!)...はぁ」
外が何やら騒がしい...どうやら輝夜の護衛達の声のようだ...
「姫様がいたわー!」
私は扉を開けて大声で叫ぶと護衛達が集まってくる...
「ちょ...永琳!」
「姫!早く自室に戻ってください!」
護衛達が輝夜を連れて行き...あっという間に姿が見えなくなる...
「悪いわね輝夜...」
今は暦のことを知られるわけにはいかない...
輝夜は口が軽そうだし万が一という可能性もある...
「さて...お仕事っと!」
静かになった研究室で私は黙々と調合を始める...
side暦
「ふぅ...これで全部か」
本を読み終えソファーに寝そべり私は窓の外を見る...
高いビルが並ぶコンクリートジャングルはもう見慣れた光景になっている...
永琳の持っている本は難しいものばかりだ...その分興味が出てきたけど...時間は16時...すごい長い時間本に熱中していたようだ...
「しかし...この本はね...」
私の目の前には(狐の正しい飼い方・著:八意永琳)という本が一冊...
永琳が作った本のようだが...まだ私は狐扱いされているのだろうか?
「しかし...することないなー!」
本は全部読んでいたしやることがなくなってしまった...
「今度は料理でも覚えてみようかな~?」
すぐ近くにあったサイコロを3つ転がすと全部6になる...一度でゾロ目とか少しラッキーかも
「はぁ...というより私...このままでいいのかな...」
永琳はどこかで薬の開発をしているようだし、私も彼女の力になりたい...
でも彼女の薬に関する知識は高いし、私のような付け焼刃の知識では力になれそうもない...
「くそ...」
サイコロを投げると一つ弾かれ図鑑の上にポトッと落ちる...私はおもむろにその図鑑を取る...
「DNAに関する大図鑑か...」
DNA...生物においての遺伝情報に関する物質...生物に関することだ...薬学も生物に関するものだ...薬学も生物に関するもの...分野は違うけど同じ生物を対象にするのだから別のところで彼女の手伝いが出来るかもしれない!
「待っててね永琳...必ず貴女の力になってみせるから!」
カシャ...
更に続きます...
ではこれにて