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21.帰宅

 うふふん~。天気もいいし、思わず鼻歌を歌う。


「やっぱり、自然が一番だぁっ」


 さっき、ミュアさんに何処か近くに静かな所ないか聞いたらここを教えてくれた。

 森はやっぱり、落ち着くなぁ。


「あ、あの木の上でサンドイッチ食べよ」


 お城は広いけど、やっぱり外の解放感いいなぁ。皆はお城の中に居て飽きないのかな、息苦しいったらありゃしない。

 ―-森と言えば…私なんか忘れてる気がする。なんだっけ?? 


「うわぁっ!! コー忘れてたし」


 すっかりママのペースでお城に来る事になってすっかり忘れてた。怒ってるよなぁ…、文句言われるよなぁ…。

 コー達はもう家族いっぱいだし、連れて来るわけにはいかないけどちゃんと話はしないと。ここから、あの森まで3日位だったけ? 往復6日か。ちょぉっと、行ってもいいよね? 

 そうと決まったら、さっさと行って帰って来よう。行く事は誰かに言ってから行った方がいいだろうから気で会話…って、私が気入れたことあるのってフレィだけだから私から会話が出来るのってフレィだけ?!

 ママは産まれた時に私に入れてくれたけど、私はママには入れてないし。レィアくんとウォスタさんは…。うん。忘れた事にしとこう。


『あのぉ…、フレィさーん、聞こえますかぁ?』


 ……あれ。応答がない? なんか、調子が悪いとかあるのかな。


『フレィ? おーい。おーい。おーーい』


 んー、聞こえてないのかな。あ、寝てたりしたら応答しないか…どうしたもんか。もう一度、だけ声かけて反応無かったら後でまた話せばいいかな。


『寝てるのぉ? 何してんのー?』

『あーっ!! なんだよ。うっせぇなぁ!!』

「―-ひゃあッ?!」


 び、ビックリした。いきなり、デカい声で返して来るなんて思わないじゃん。


『自分で声掛けて来てなんで、ビックリしてんだよ』

『あ、いや、反応なかったから寝てるのかと』

『寝てっ…、な、なんだっていいだろ。そんで、なに?』


 怒ってる? さっきも私の事睨んでたし、なんかしたっけ? まぁ、いいや。伝言だけ頼んでさっさとコーのとこに行こうっと。


『私ちょっと、住んでた家に戻るからってママ達に伝えてくれない?』

『は?! なにそれ』

『コーに何も話さないで出て来ちゃったから、話に行きたくて』

『あー。大丈夫だから戻れよ』

『大丈夫じゃないって、ずっと一緒に居てくれて家族なんだから!!』

『だから、来なくていいって言ってんの!!』


 今、来なくていいって言った?


『フレィ? 今どこに居るの?』

『どこって、し、城だよ。城!!』

『うん。だから、お城に行かないよ。家に向かってるからフレィに伝言を頼んでるんだけど』

『俺が向かってるから、お前は来なくていいって言ってんの!!』

『なんで、フレィが向かってるの?』

『あっ?! やべっ、あ。だ、だから来るなって』


 いやいや、私がコーと話したいんだからフレィが向かってる意味ないじゃん。んー。フレィだったら誰かと気で会話出来るよね? だったら、フレィから誰かに伝えてもらえばいっか。


『フレィの言ってる意味はわかんないけど、私から会話出来るのフレィだけだから私の事を伝言しといて!!』


 よし、これでいいっか。フレィはいつ向かったんだろ? 朝会ったから、そんなに時間さはないだろうから途中で合流出来るかな?



 ******


「なんで、自分で言わないんだよ」

「だって、私から会話出来るのフレィしかいないもん」

「はぁ!? 誰にもお前、気入れてなかったのかよ?!」

「うん。入れる必要性なかったから」


 あの会話から2時間位飛んで、フレィに追いついてこの会話です。


「はぁ…。俺だって、自分から会話出来んのレィアとじじいだけなんだよ」

「じゃあ、ファイさんに…」

「じじいは却下!! レィアに言うから待ってろ」


 なんで、ファイさんはダメなんだろ? まぁ、伝えてもらえれば誰でもいいっか。

 

 ――――…さま!! お姉さまッ!! お姉さまってば!!


「レィアくんっ?!」

「レイア?! 無視しろ、無視!!」

「え?! あ、でも…」


『お姉さま!! 聞こえてるんでしょ? 兄様と2人でどっか行くって何するの? あー、大人同士だからねぇ、あれで気を入れ合いっこするの? 兄様もヘタレ卒業するんだ!!」


「あれって、あれ? あ、いや、そそそんな事は…」

「ちっ。俺の気遮断させやがって。あのガキは、なに言ってんだ…」


『お姉さま、僕が15歳になったら初めて僕のもらって!! そんで、お姉さまの気もちょーだい。色々教えてね?』


「初めて…もらう? 教える? いでっ! なんで、叩くの」


 パシっと背中をフレィに叩かれたら、そんなには痛くはなかったけど軽く睨む。


「相手すんなって、言っただろ」

「でも、叩く事…って、あれ? レィアくんの声聞こえなくなったよ」

「ガキの癖に下らない下ネタ言ってんだろうと思ったから、ちょっとお前の中のレィアの気を遮断させたんだよ。自分でも出来るから、気を外に出す気がないなら覚えとけ」


 ほぅ…。そんな事が出来るんだ。私ってば、知らない事ばっかりだなぁ。これは、育ちの問題なのか…それとも私が知らなすぎなのか。


「ねぇ、まだ私が知らない気の使い方とかあるの?」

「お前が何を知らないのかわかんねぇよ。でも、エーア様は大雑把過ぎるから、まだあんじゃないの?」


 ……そう言われると、確かにママは大雑把だ。気を入れると怪我とかが早く治るっていうのも私が怪我した時に見て覚えたし、人の気を抜くのも変な人達に追いかけられた時にママがやってるのを見て覚えた。光の錯覚だって…

 ママに教えてもらった事って、なんにもないじゃん!! あー、まだ知らない事とか絶対にあるなぁ。しかも、知らない事が何かわからないから確かにフレィになんか聞く事も出来ない。


「もう暗くなって来たから、ここらへんで野宿でいいだろ?」

「あ、ご飯…フレィ朝から食べてないんじゃないの? ちょっと待ってね?」


 お昼のサンドイッチ、余ったやつあるからそれあげればいいかな。昼前に作ったやつだから、少し痛んだりしてるといけないよね?


「はい、これお昼のだけど」


 念のために、痛みがあったらヤダから気を当てとこうっと。


「あぁ。ん、イディア今なにした?」

「何って、何?」

「サンドイッチに気を当ててなかったか?」

「あぁ!! お腹壊したら大変だから、気を入れて食べ物の痛みを治してたんだよ。一緒に住んでた時もこれしてたんだけど…って、あ、竜って事隠してたから、フレィと住んでた時はコッソリやってたんだよ」


 へーって、フレィは感心してサンドイッチを見てる。

 竜によって出来る事違うし、光竜の存在知らなかったんだから驚くのは当たり前か。私だって火竜って火出すだけだと思ってたし。


「イディア、今朝の親父のやつどうやって消したんだ?」

「え? ファイさんが、気を籠めて手を入れてみろって言ったからその通りにしただけだよ」

「あー。あれ、俺も同じ方法でいつも消してたんだけど光竜の力だったのか」


 同じ方法? あれって、3人でやらないと消せないってファイさん言ってなかったけ? それが、どうやるのかはわからないけど。


「あぁ、あれはいつもの親父のお仕置きだから目の前で軽々消したらもっと、面倒な事になると思ったから親父の前でやったことない」


 ……まぁ、怒ってる人のお仕置きをすぐに回避したら余計に怒らせるもんね。


「そっか…フレィも光竜の気持ってるのか。数少ない光竜より、火竜と光竜の気使えるフレィってすごいよね」

「両方使えるって言っても、微々たるもんじゃねぇの? だから、お前の存在を隠してエーア様だって隠れてたんだろうし」


 確かに、お城に戻ってからもママと私は髪と目の色を変えて過ごしてたけど。

 絶滅した動物が生き残ってるって凄い事だとは思うんだけど、あれ? 私そういえば、光竜として水竜になるんだっけ? ん? 光竜だけど水竜? うーん。よくわからなくなって来た。


「…早く行って、お城に戻った方がいいと思うから明日はフレィは私に乗ってね?」

「あ、おう。じゃあ、俺あっちで寝るから」

「うん。おやすみなさい」


 手からフワッと火を出して、焚火を作ってフレィは離れた所に移動する。

 難しい事はまたお城に戻ったら、考えようっと。

  

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