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20. 政略に国作りってなんですか?

「ウォスタ、お前まで何言ってんだ?!」

「んー? 僕が冗談で言ってると思う?」


 レィアくんと、フレィの喧嘩が終わったと思ったら今度はフレィとウォスタさんの喧嘩がなぜか始まってる。

 レィアくんは、面白そうにキャッキャッ騒いで見てる。


「お前がイディアと結婚してなんかあるわけ?」

「あるでしょ。水竜的にも政略にもいいでしょ?」

「あ? 政略で結婚する気なのかよ?!」

「何言ってるの? フレィより僕の方が一般人的な考えあるんだから政略だけで結婚するわけないでしょ」


 取っ組み合いにはなってないけど、2人に漂う空気は怪しい。ウォスタさんの周りには、青い空気。フレィの周りには、赤い空気が。


「ねぇねぇ、お姉さま? あの2人ってばおかしいよね」

 ふと、レィアくんが口を開ける。


「兄様2人はさ、自分達の事ばっかりだよ。お姉さまが光竜の国を作るとか考えないのかな? だったらさ、兄様達と結婚するより僕と結婚する方が世界にはいいと思わない?」

「光竜の国?!」


 光竜の国ってば、何をそんな凄い事をこの子は言ってるの? 光竜なんて、私とママしかいないんだから責任重大な…


「だって、僕はフレィ兄様が国王なっちゃったしどっかに養子に入っても迷惑ならないし、元々はお姉さまは水竜の国のお姫様なんだから水竜との国の交流道を作る必要性ないんだから、火竜との道作った方がいいでしょ?」


 さらっと、レィアくんが凄い事を言ってますけども…。話が大き過ぎて、言ってる事はなんとなくわかるけど、やっぱりわかりません!!


「僕、きっと兄様達より頭はいいよ。国を作るにしろ、お互いに勉強する時間も必要だと思うし。お姉さま、僕にしときなよぉ~」


 ねっ? と言いながら、私にギュッと抱きつくレィアくん。

 そんな事を言われてもな。私に何が出来るかわからないし、私の一存じゃあ何も決められないし。それに、あそこで喧嘩してる2人をどうすれば。

 それに、あそこでわーわー喧嘩してる2人も止めないと…。

 もう、みんなしてイキナリ結婚だなんだってなんなんだろう。私の気持ちを聞いてくれてる人ってここにいますか?


「すまないね…。静かにさせるから少し待ってておくれ」


 ポンと肩に手を置かれる。手を置いた人の顔を見ると、赤髪のレィアくんに似たパパと同じ年位の男の人が呆れた顔でフレィとウォスタさんの方を見てる。

 その男の人に気付いたレィアくんは「げっ」と小さな声を上げて私にさっきより力を込めて、抱き付くというよりしがみついてる。



「──――2人とも、いい加減にやめんかーーーーいっ!!」

「「うわっ、えぇ?! あっ、いやっ、ぎゃーーっ!!」」


 大きな声と同時にドカーンと音とフレィとウォスタさんが叫ぶ。赤い光を2人を包んでその中で「熱いっ!! あちぃ!!」と叫んでる。

 あれ? なんで、フレィも熱いって騒いでるんだ? 熱いのは耐久あるはずじゃなかったけ…?


「レィア、お前もだ。イディアちゃんから離れなさい」

「え?! あ、お父様?! やだっ、熱いのは、あぢぃぃぃぃっ」


 レィアくんの首根っこを掴んで、2人の中に軽々とポイとフレィとウォスタさんがもがいてる中にレィアくんも放り込まれる。


「あ、このくそじじ!! あぢっ、あちっ、なにしてくれんだよ!!」

「ファイ様っ?! なんで僕まで?! あ、あ、あついぃぃぃ」

「お父様、僕は関係ないじゃないですか!! やだよ、もう、熱いよぉ…いやぁぁぁ」


 熱い熱いって、騒いでるわりには3人とも火傷とかそんな感じはないからあれは…だ、大丈夫なのかな?


「あれは、気にしなくて大丈夫だ。すまないね、勝手に部屋入って来てこんなことして」

「い、いえ…」

「私は、あのバカ火竜2人の父親のファイって言うんだ。バカ息子達が悪かったね」

「あの火竜の2人は兎も角、ウォスタさんは大丈夫なんですか?」

「あぁ、平気、平気。あ、イディアちゃんなら熱くないはずだから試しに手突っ込んでるみる?」


 試しにって…、それで熱かったらヤなんですけども。ニコニコ笑顔のファイさんは嘘は言ってなさそう。恐る恐る、そこに手を伸ばそうとした時にファイさんの止められる。


「あ、イディアちゃん、やっぱり手に気を籠めてからそこに触ってみて」

「えっと? はい、わかりました」


 なんでだろう? まぁいいかな。

 言われた通りに手に気を籠めてからそこの中に手を入れた瞬間にパチンと軽く静電気みたいなのを感じたた思ったらさっきまで3人を包んでた赤い光は消えてなくなってた。


「あれ? 赤い光が消えちゃった」

「うんうん。本当は消させるつもりはなかったんだけど、面白いもの見たさで試しにお願いしてみたんだ」


 面白いもの見たさでって、ファイさんって少しなに考えてるのかわからない。


「あ、あれね、本当はあそこに居る3人が力合わせないと消えなかったはずなんだよ」

「えぇ?!」


 そうだったのか…。3人で力を合わせないとって、あれ? えっと、それを私が1人で消しちゃったって何気にすごいことなんじゃ?

 チラッと3人の方を見ると、ポカーンと固まってる。


「ほら、バカ者達!! これで、イディアちゃんに軽々しく結婚だなんだって言って困らすのはやめる事だね」


 パシン、パシン、ボカッと3人を殴って「いってー!!」と騒いでるのをケラケラ笑ってる見てるファイさん。フレィが一番強く叩かれてたと思ったのは気のせいだと思っておこうっと。

 ってか、今回はフレィは私にはなんにもしてないよね? レィアくんが来て、離れてくれないのを助けてくれて、ウォスタさんが私にキスをしてそれからウォスタさんと口論。

 うん、なんにもしてない。フレィはとばっちり受けただけだ。同情の視線をフレィに向けると私を見てたのか、プイっと視線を反らされる。


「いつまで、女の子の部屋に居座るんだお前達は。早く出てくよ。早くしないと、またさっきのやるけどいいのか?」


 ファイさんの声に反応した3人は慌てて、立ち上がって「ごめんね」と謝りながらウォスタさんとレィアくんは出てってけど、フレィはこっちも見ないでさっさっと部屋を出てってしまった。

 

「イディアちゃん、今日の夕飯は火竜の国の僕達とご一緒させてもらう予定だからよろしくね」

「あ、はい。こちらこそ、よろしくお願いします。楽しみにしてますね」

「じゃあ、僕は部屋を準備してもらってるからそっちに戻る事にするよ」


 わーい。みんなでご飯だ!! 昨日は、なんだかパパの様子がおかしすぎて変に緊張しちゃって素直に楽しめなかったんだよね。

 前に肉屋のおばちゃん達とご飯を食べてから大勢で、食べたことまだなかったから嬉しい。あの時のお家のお婆さんとお爺さんは…元気なのか。あれから、10年以上たってるけど人間だからどうだろう。また、会いたいなぁ~。


 そろそろ、お昼か…。お庭位は出てもいいかな? サンドイッチでも作って天気もいいから外で食べようかな。

 

 



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