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15. お姫様!?

 そして、まだ最大の謎が残っております。

 そう!! 私にフレィと離れろと言ったママの存在です。


「イディアが会った、私は黒いフードを被ってたのよね?」

「う、うん」

「私がそんな、陰気な格好するわけないもの」


 陰気な格好…。確かに、考えてみればママがそんな格好するわけない。今だって若い村娘の可愛い服着てるし。ま、まぁ…年齢はともかく、見た目はここに居るみんな同じ年位にしか見えないからね。


「ねぇ、クラウディアもしかしてそれって。僕達の母親?」

「髪の毛の色を隠すためにフード被ってたのだとは、私も思うんだけど……。実は私と姉ってば声意外は、昔から似てるって言われた事ないのよ」


 顔は似てない? って、事は私がママを見間違いしたって事になるよね。


「光の錯覚で、見た目を変える事だけは光竜の気で姉も出来たのよ」

「それだと私が間違えるはずないじゃない」

「イディアがそれは、私だと思って最初から気を許してたから油断してたんじゃないのかしら?」


 …ごもっともです。名前を呼ばれただけでママだと思って喜び過ぎてなぁんにも気にしてませんでした。


「あ、でも、私の事を光竜って知ってたって事だよねぇ? なんでだろ…」

「それは、イディアじゃなくてフレィの気を追ってて気付いたんじゃないかしら?」


 あ、そっちか。自分の子供だったら、気を追ったりするか。でも、私…フレィと一緒に生活してる時は1度も竜の姿になってなかったはず。


「あ、私…自分で光竜の本をフレィに渡していいかって聞いたし、ほっぺにキスされたし…その時に気を探られたかも」

「なに、イディアは自分で光竜です!! って、その時に暴露してたんじゃない。バカねぇ~」

「ねぇ、クラウディア今となってはバレてても問題ないんじゃないの? 結局みんな光竜の気を持ってるんだし」


 バレててもいいの? なぁんだ、深刻に考えて損した。


「それも、そうね。どうせ、来月にイディアと私が光竜だって、水竜の国でお披露目会して取り合えず、水竜の国のお姫様にちゃんとなってもらうわ」


 なんですと?! 


「「ちょっと、待って?! お披露目ってなに?!」」


 って、私よりウォスタさんとフレィのが声を揃えてビックリしてる。


「ウォスタには光竜の事を隠しといてって頼んでたけど、フレィには何も言ってなかったじゃない」

「だ、だって…なぁ?」

「なぁ? って、フレィは別の意味だろ」


 別の意味? なんだそれ?


「って事で、明日にでもお城に向かうからイディア準備しときなさいよぉ~」

「明日っ?!!!!」



 ******



 只今、自分の寝室のベッドで項垂れながら絶賛引きこもり中です。

 別に「お姫様になりたくない」とかそういう我儘じゃなくてね? 心の整理って言うか知らなかった事を、知りすぎて頭がいっぱいになっちゃってるわけですよ。

 今まで、目立つ事をして来たわけじゃないからどうしようかと。生活変わるよね?


「おほほほほ、ご機嫌ようっ」


 とか、やればいいのかな?


「お前、何してんの?」

「ふ、フレィ?!」


 部屋の入り口の所で寄り掛かって立ってこっちを、変な顔で見てる。なんで、部屋に来てるんですか?! そりゃあね? おほほほほって、やってればそんな顔で私の事見たくなっちゃうよね。おほほほほって、なんですか… 


「お前さぁ、本気で俺って気付かなかったのか?」


 呆れた顔で私に近づいて来て、私のベッドに座って私の顔を見つめるフレィ。

 

「う、うん」


 私が返事をすると、フレィは大きな溜息をつく。

 溜息をつかれても…。私は昔会った時から見た目は変わってないはずだし、こうやって、今見ても変わり過ぎててフレィだって思えないもん。


「もしかして、私が気付かなかったからさっきまで静かだったの?」

「ば、バカか!! お前、俺がそんな子供みたいな事を思うわけないだろ」

「だよね? 良かった」

「良かったって、お前…」


 また、溜息きをつくフレィ。じゃあ、もうこの微妙な雰囲気なんなんだろう。


「それにだ、お前は俺に気を入れたんだろ? だったら、俺の居場所もそうだけど、すぐに普通は気付くだろ」

「あ、そうだった!!」

「しかも、お前は俺の気を抜いたから俺から話掛ける事は出来なかったが、お前からなら出来たんだが…」

「そんな事も出来るんだ。それは、知らなかった」


 呆れた顔で私を見るフレィ。そんな顔されても…ママ以外の竜と関わって来なかったんだからしょうがないじゃんか。


「それにしても、フレィ大きくなったね。本当にフレィなんだよね?」


 手を伸ばして、フレィの頭を触ろうとしたら手を振り払われた。


「子供扱いするなって!! 前にも言ったが、本当に俺の方が年上だろうが」

「ウォスタさんと同じ年だったけ?」

「はぁ…。そうだよ」


 それだけ言ってフレィは黙ってしまった。

 …なんか、この沈黙ヤダな。フレィ、やっぱり少し元気なさそうだし、どうしようかな。

 あ、そだ、自分の気が入ってる人には、話かけれるのか…。やって、みようかな? どうやるんだろ?


 集中!!


 『…えー、フレィさん。聞こえますかー?』


 ジロっとフレィが私を見る。


「何してんだよ」

「いでっ!!」

 

 バシッとフレィに軽く叩かれる。


「いや、気で話せるってフレィが言ったから出来るのかと思って…。出来てた?!」

「お前がすぐに、気の探りを止めたから何にも言えなかったじゃねぇか。相手の気が自分に入ってない時はな…」


 フレィが気での会話の説明を始める。

 そうだ、フレィって口は悪いけど、なんだかんだ昔から面倒見は良かった。

 食べないで!! って、私が泣きわめいて止めたミニブタちゃんも逃がした後も「ごめんな」って、こっそりミニブタちゃんに謝って餌やって世話してたのも見た事ある。

 私が買い物に行くって言って、村の入り口で村に中々入れなくて挙動不審になってれば、手を引っ張って一緒にちゃんと買い物してくれたり。


『全然変わってなかったね。優しいままの、フレィで良かった。早くフレィに気付かなくてごめんね?』

「なっ?! うわっ。こっち見るな!!」


 気での会話が出来ると思って、気の探り止めなかったのに、言葉で返すって。

 そんな、フレィと言えばそっぽを向いて顔を押さえてる。


「なによ。もぅ…」

「やり方わかったんだろ? もう、いいだろ。あっち行けっ。しっしっ」

「え、あぁ。うん」


 って、部屋を追い出されましたけど…


『フレィ、そこ私の寝室だよ』


 試しに、また気で声を掛けたら慌ててフレィが寝室から出てきた。


「バカか、お前は!!」


 って、なんで、私がバカって言われなきゃいけないんだか…

 それだけ言って、フレィは走ってどっかに行ってしまった。


 フレィって、こんなに話が噛み合わない感じだったけ? 昔より子供っぽくなったような…


 

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