11. 私の疑問
「まぁ、僕の話はこんな感じかな?」
コーとヴァンの結婚式が終わって、コーとヴァンを私の背中に乗せて、ウォスタさんと一緒に村を出て6日目。
ウォスタさんのスピードに合わせてたから、少しユックリだけど私の目的地には、明日には到着するかな?
そんな道中ウォスタさんは思い出したように、自分の昔話をしてくれた。
孤児だったと最初に聞いたから、聞いてもいいかわからないと悩んでた事をサラッと話したウォスタさん。
フレィが本当に私より年上って事もそうだけど、光竜の気がウォスタさんも持ってるだなんて。
「あ、僕に光竜と火竜の気が持ってるからって、光竜ぽい事も火竜ぽい事は何も出来ないよ?」
うーん。その気を全部、使えたら最強だろぉな。
「多分、遠いご先祖様の光竜が水竜と子を作ってその子供が火竜と子を作りって感じでの僕なんだと、僕は思ってる。僕の母は髪の毛が僕と同じ色だったから母に光竜の気が多分、入ってたんだろうね」
「じゃあ、元王様のお后様も?」
お后様もウォスタさんと同じ色って言ってたよね?
「あ、そう。それ最近知ったんだけど、エーア様も光竜の気を持ってて、もしかしたら僕の母はエーア様の姉かもしれないって。僕はいいって言ったんだけど、エーア様がその姉を探しに走り回ってるよ」
あれ? 待てよ? 今までちゃんと考えた事なかったけど絶滅したって光竜の私とママってばどうやって生まれたんだ?
「ねぇ、ウォスタさんは私の父親は知ってるの?」
「あ、いや…。それは、僕も知らないんだ」
「そっか…」
うーん。なんか、ウォスタさんの話を聞いたら何にも疑問に思ってなかった自分の存在まで疑問になって来た。
考え込んでる私に気付いたのか、ウォスタさんも黙って付いて来てくれた。
それから、適当な会話をしながら私の目的地に着いた。
『いい所っぽいわね!! ヴァン、見に行こう。イディア、行って来るわね!!』
「うん。巣の場所決まったら、報告してね!!」
コーとヴァンに手を振って見送った。
「イディアちゃんは近いうちに村の人に挨拶しないと」
「え?! 挨拶?!」
「そう。これから、あの村の近くに住むんだから挨拶は必要だよ?」
「今まで、そんな事した事…」
「それは、クラウディアがしてたからでしょ。あ、僕が変わりにしてもいいけど、僕も一応この国の王だからね。イディアちゃん目立つよ?」
うっ…。それは、言われてみればそうだ。
「まっ、そんな固く考えないで買い物に行った時とかに「森に住み始めました」って、軽く自己紹介しとけばいいんだよ」
ポンポンと私の頭を笑顔で撫でるウォスタさん。
そ、そうだよね。少しは人と関わってみようってこの前思ったじゃない!! 挨拶は…うん。必要だね。
「あ、それと。次に会った時は僕のこと呼び捨てで呼んでほしいな?」
「え、でも、それは…」
年上でしょ? それに、王様をって王様をさん呼びしてたのも本当はまずかったのか。
「フレィの事は呼び捨てなんでしょ? それにね、僕そんなにまだ長生きしてないよ? イディアちゃんと20年位しか変わらないよ」
「え?! それしか変わらないの? ママより少し若い位だと思ってた……」
「あははっ!! 次に会った時は僕も呼び捨てさせてもらうからね? じゃっ、僕は行くね」
私の返事も聞かずに、ウォスタさんは行ってしまった。
少しは休んで行けばいいのに。やっぱり、王様は忙しいのかな?
「さてと、持って来たものを片付けるか」
自分の事も何も疑問に思って無かった事も知って、これからどうすればいいかは、まだわからないけれども。
それで、何かに困ってる訳でもないし少しずつ、何か知って行ければいいな。
読んで下さってありがとうございます。
取り敢えず、第一章終わりです。余計な事を詰め込んで話が進まないという変な癖があるので、上手く話を進めて行けるように精進いたしますw
これからも、よろしくお願いします。