鏡なココロ
小説っぽい詩です。でも詩というには長く、短編小説にしては会話が少ない中途半端なものです。
「私ね、好きな人の前だと駄目なの」
「なんで?緊張するとかだったらフツーじゃん?」
「違うの。だってね・・・・・」
「えー、それは可笑しいよ!」
「だよねぇ」
だってね……好きな人に近くに来て欲しくないんだ。
私はきっと天邪鬼。ココロが鏡で覆われてて、思ったことと逆のことが出てくるの。しかもそれが、本音と一緒にでてくるから私のココロはたまにグシャッってなる。
好きなのに嫌いって言う。逢いたいって想うのに、会いたくないって感じる。話したいのに声を聴きたくないって思う。
逢ってしまったら、私が私じゃなくなる。声を聞いたら忘れられなくなる。目が合ったら、頭が混乱する。離れたくない・・・・・・って思う。
なのにもう、逢いたくないって思う。 嫌な矛盾した女。独占欲強すぎ!
きっと、だから嫌われるんだ。私のココロが鏡だから。しかも鏡といっても、自分は決して映らない。映ることはない。全部逆を映す鏡だから。私の心が天邪鬼だから。何もかも全部、全てのことが矛盾してるから。
いっそ壊れてしまえばいいんだ。こんな鏡・・・でも壊れたら私は、自分の心を支えきれなくなるよ。
ほら、また出た。本音と天邪鬼。いっつもこの二つはペア。
フタツデヒトツ。
本当に何がしたいんだろう。
わけわかんなくなる。
「はぁ・・・」
涙が次から次に溢れ出てくる。なんで?どうして?
ほらまた、ココロがひびの入った鏡で傷付いた。もうすぐ本当に壊れるよ?
だからさ・・・好きな人の前でくらい、その鏡の仮面を取ったら?
だってそれは、貴方が自分で着けたんだから。
あぁ…そっか、フフッそうだったんだ。
好きで好きで堪らない。忘れたくても忘れることなんて出来ない。だから鏡の仮面を増やした。増やして、もう私の心に傷が入らないようにして・・それで傷つくことも知らないでどんどん覆った。それで嫌われるならそれでもいいって、思ってたから。
でももう無理。限界。貴方に嫌われるのなら死んだほうがまし・・・なのに優しくされると優しくしないでって思う。
あぁ、ココロも頭も矛盾してる。鏡に侵食されてる。
やっぱり私は天邪鬼。
私の心は『鏡なココロ』




