66 罪の在処、心の在処
「おかえりなさい」
「あ……」
タバコが吸いたい。冷水が気持ちいい。
そんなことばかりを脳の隅で反芻していた僕は、トリーシャが目の前に立っていることにさえ気づかなかった。
「……うん」
そうだ、トリーシャに聞かなきゃいけないことがあった。
なんだっけ。
……ん?っていうか、「おかえり」っておかしくない?
だって家にいたのは僕で、帰ってきたのはトリーシャだよ?
はは、変なミス。
「イネスさん。不可視化、解いてください。お顔を見せてください」
「え?」
今、僕、見えてないんだ。魔法を解くのを忘れてたみたい。
「……このままでいいよ」
「ダメです。ちゃんと目を見て『おかえり』って言いたいです」
「……今の僕、汚いから」
「イネスさんが汚くなるはずありません。初めての任務の時だって、一度も汚いなんて思いませんでしたよ? 三日間もお風呂に入ってなかったのに! ふふっ」
「ううん、汚いよ」
「あの時のイネスさん、カッコよかったなー。身も心もボロボロだったのに、私のハグなんかで『元気出た! 次の19時間も頑張れる!』って。私、ドキドキしちゃったんですよ?」
……あ、そうだ。思い出した。
僕が死んだあとの、家族のことを聞かなきゃいけないんだった。
「トリーシャ、聞きたいことがあるんだ」
「今のイネスさんもボロボロみたいなので、あの時みたいにハグしちゃいますね?」
トリーシャが近づき、降り注ぐ冷水の帳が彼女の軍服を濡らしていく。
彼女は迷いなく膝を折り、見えないはずの僕の目の前に屈み込んだ。
「ねえ、トリーシャ、家族の医療費って、もう全部支払い終えてるの?」
「あれー? イネスさんがどこにいるか全くわかんないなー」
わざとらしく僕を避けるように、ずぶ濡れの彼女は手を右往左往させる。
僕は不可視化をしている。見えないのは当たり前か。
「トリーシャ、答えて。僕がもしいなくなったら、家族に借金は残るの?」
「イネスさーん。イネスさーん? もう、いい加減顔を見せてくださいよっ」
「お願いだから答えて。僕が死んだら――」
「んっ」
唇が、僕の言葉を塞いだ。
彼女の唇が、僕の口の端に重なる。
「あれ? ごめんなさい。顔が変なところに当たっちゃいました。痛くなかったですか?」
痛いわけがない。彼女の熱い、一番柔らかい部位が触れただけだ。
僕は見えていない。ただの事故だ。
「トリーシャ、僕が死ん――」
「んんっ」
また、塞がれる。
見えないはずなのに、彼女は正確に僕の言葉を遮った。
言わせてよ。
「んあっ! まーた当たっちゃった! もー、早く姿見せてください! どこにいるか分かんないんですから!」
「答えてよ、トリーシャ。もし、今後僕が死――」
「んっ!」
三度目。まるで僕の口がどこにあるか、完全に理解しているかのように狙い澄まされた遮断。
口の…位置……
……あっ。
タバコだ。
咥えていたタバコが、僕の口の在処を教えていたんだ。
僕はタバコを口から離した。ペチャッと、湿った音を立ててタイルに落ちる。
「あっ!」
トリーシャが焦った声を出す。
「イネスさん、大好きなタバコが落ちちゃいましたよ! ほら、早く咥えてください!」
彼女はそのタバコを拾い、フィルターをこちらに向けて差し出してくる。
やっぱり、わかっていたんだ。
「お願いだから、答えて。僕が――」
「えい!」
今度は、僕の全身を奪うようにガバッと抱きしめられた。
「うわー、イネスさん冷たくなりすぎですよ! 体に悪いです。私があっためてあげますね」
彼女は、僕が喋られないように、その胸に強く僕の顔を押し付けた。
「寒いので、シャワー止めますね?」
「……」
僕はフルフルと首を横に振った。
「ダーメ! 風邪ひいちゃいますよ! ……まあ、そうなったら仕事を休んで看病しますけど」
キュッと、蛇口が閉められる。
シャワー、止めないでほしい。冷水の刺激がないと、あの生温かい返り血の感触を思い出してしまうんだ。
「うーん、やっぱりイネスさんにはハグの方が効果的なのかな? さっきの少ない面積での触れ合いだと、元気は出なかったみたいですね」
ごめんね、トリーシャ。もう元気とかどうでもいいんだ。
早く死にたいだけなんだよ。
「ちなみに、さっき顔があたっちゃったとき、私は唇が当たっちゃいました。イネスさんは、どこでしたか?」
知っているはずなのに。確信犯のくせに。
「もしイネスさんの唇にあたっちゃったのだとしたら、私、ファーストキスになっちゃうなー。ふふふ、ファーストキスが透明人間だなんて、私以外にいるのかな? ロマンチックですね!」
彼女の弾んだ声は聞こえている。
けれどその音は耳を通り抜け、脳に着地することなく霧散していく。
「あ! でも、初めての任務の時、口移しでお水を飲ませましたよね! あれはキスに入るのかなー。……そうなっても! 私のファーストキスはイネスさんなので安心してくださいね!」
……すごく、甘酸っぱいことを言われている気がする。
でも、そんなに僕に触らない方がいいですよ。
僕は83人も殺した、殺人鬼なんだから。
「そういえば! 先週のお休みに、ご家族に会いに行ったんです! みなさん本当にいい人たちでした。お兄さんから、イネスをよろしくお願いしますって言われたんですよ? ふふ、どっちの意味なんでしょうね? 私としては、仕事以外の意味の方が嬉しいな!」
……あの写真を撮ってきたのは、トリーシャだったんだ。
あの写真がなければ、家族のことがこんなに頭をよぎることもなかった。
……あの写真がなければ、今頃僕は死ねていたはずだ。
「……ねえ、イネスさん。さすがに、私の気持ち、気づいちゃいましたか?」
「……」
気持ち?なんの?
僕に死んでほしくないってこと?
死んでほしくないと思われている人たちを、僕はたくさん、たくさん殺したんだよ。そんなやつがのうのうと生きていいわけがない。
「うーん、気づいてなさそうですね。まあ、イネスさん鈍そうだし、こんな状況だし、しょうがないかな」
もう、勘弁してくれ。早く終わらせてくれ。
僕は彼女の肩を掴み、押し返そうとした。けれどトリーシャはグッと力を込め、僕を離そうとしない。
「ダーメ! 不可視化を解かないと離しません! 離して欲しかったら姿を見せてください!」
……もういいや。
パッと見せて、パッと聞いて、パッと死のう。
魔法を解く。
髪が伸び、頬は削げ、無精髭だらけになった僕の姿が露わになる。
「やーっと会えましたね! お久しぶりです、イネスさん!」
彼女は、僕の変わり果てた姿を意に介さず、微笑みかけてきた。
「っ……」
僕に、笑顔を見せないでくれ。
「すごくワイルドですね! 今もカッコいいですよ!」
こんな殺人鬼に、笑いかけちゃダメだよ。
「でも私の好み的には今までのイネスさんかなー。もし嫌じゃなかったら、また前のイネスさんに会いたいです。」
「無理だよ」
もう、無理なんだ。
「僕、人を殺したんだ。83人も。テロ組織の人間だけじゃない、無害な老人も、子を持つ親も、赤ちゃんがいる夫婦だって殺した……。殺人鬼なんだよ。今までの僕じゃない」
彼女は僕の目を真っ直ぐに見つめている。僕は、直視できない。
「何をしても、あの感触は忘れられない。そのたびに嘔吐して、泣きながら助けを乞うんだ。人を殺しまくった僕が、『助けて』って喚くんだよ。……悍ましいほどに、身勝手だ。もう無理なんだよ。死にた――」
「んっ」
僕の顔を両手で覆い、彼女は深く、深くキスをしてきた。
頑なに、トリーシャは僕に「死にたい」と言わせてくれない。
数秒して唇が離れた。
「……なんで、邪魔するの? なんで、言わせてくれないの?」
僕は唇に残る熱を振り払うように、掠れた声で彼女を拒んだ。
トリーシャは少しだけ小首を傾げ、悪戯が成功した子供のような顔をしてみせる。
「あ、私が邪魔してるってバレちゃいました?」
「……当たり前じゃん」
「じゃあ、私に唇を塞がれるって分かってて、あえて言おうとしてたんですね。エッチ!」
「ふざけないでよ! 僕は真剣に――」
「ふざけてない」
さっきまでの柔らかい、どこか浮世離れした甘い雰囲気は霧散し、空気を震わせるような鋭い声で僕を遮る。
「ふざけてるわけないじゃないですか。私が、ふざけてあなたにキスしてると思ってたんですか?」
「ふざけてないなら、それこそおかしいよ」
「何が? 一人の女が、好きな男を繋ぎ止めようとしてるだけですよ。あなたとこれからも一緒にいたいから、その言葉を言わせないように、どこにも行かせないために必死に頑張ってるだけですよ」
「……僕は男じゃないよ。ただの、殺人鬼だ」
吐き捨てるように告げた僕の言葉を、彼女は正面から叩き落とした。
「いいえ。あなたは軍人です。上官の命令は絶対であり、国難があれば真っ先に戦場に立つのが軍人の本分。あなたが行ったのは私的な殺人ではなく、公的な『仕事』です」
あまりに冷徹な言葉だった。トリーシャの口から、これほどまでに無機質な論理が飛び出すなんて思っていなかった。
「あなたの責任は、すべてあなたに指示を出した総督にあります。駒であるあなたが、個人の感情で気に病む必要はありません」
「なんだよ……それ……」
乾いた笑いが漏れた。
こんなに悩んで、内臓を吐き出すほど苦しんで、死に物狂いで絶望している僕がバカだって言いたいの?
総督の命令だったから、あの断末魔も、手に残る感触も、すべて忘れてしまえと言うの?
「それが、軍人という仕事です。あなたは自分の責務を完璧に全うした。ただ、それだけのこと」
「……トリーシャは、今回の僕と同じ仕事を依頼されても、そうやって割り切って人を殺すの? 何も感じないの?」
「何も感じないかは分かりません。ですが、私は間違いなく任務を遂行します。軍人ですから」
「……強いね。僕はもう、無理だ」
情けないほど声が震えた。僕は、彼女のように鋼の心を持てない。
「心構えの問題です。あなたはまだ入隊して三ヶ月、私はもう六年ここにいます。……そして、イネスさん。あなたは、優しすぎるの」
彼女は、今度は慈しむように僕の頬を撫でた。
「今回の任務は、あなたにとって相当にキツいものだったはずです。ですが、あなたは最後までやり遂げた。……軍人として、これ以上なく立派でしたよ」
「……僕を、責めてよ……」
僕は、彼女の肩を掴み訴えかけた。
けれど、トリーシャの瞳には軽蔑の色の欠片もなかった。そこにあるのは、凍てつくほどに冷静な、理性的判断だけだ。
「なぜ? 何に対して責めろと言うのですか」
「……人殺し、なんだよ……僕は……」
「いいえ。何度も言ってます。イネスさん、あなたは軍人です」
彼女は僕の震える手を取り、その指を一本ずつ解くようにして、自分の両手の中に閉じ込めた。
「殺した感覚が、無くならないんだ……。吐き気が止まらないんだ。手が、あの生温かい感触をずっと……」
「それは、あなたが背負う必要のないものです。その重荷はすべて、あなたを戦場に送った総督が背負うべき『政治的責任』です。兵器が、自分が撃った弾丸の数に心を痛める必要はありません」
あまりに明快で、逃げ場のない正論。彼女は僕の罪を、組織の構造という枠組みの中に強引に押し込めて消し去ろうとしている。
「でも……消えないんだ……。この感覚がある限り、僕はもう……」
「ならば、その不必要な感覚が無くなるまで……上書きされるまで、私がこうしてあなたの手を握り続けます」
彼女は僕の指先に唇を寄せ、吸い付くように熱い吐息を吹きかけた。
「手が震えるなら、抱きしめます。吐き気がするなら、私の香りを吸い込んでください。あなたが『自分は人殺しだ』と自分を定義しようとするたびに、私は理屈と、この体を使って、あなたが『立派な軍人』であることを証明し続けます」
彼女は、僕が人殺しということを決して認めない。
僕が、『優秀な軍人』であるということを、僕の頭に刻み込んでいく。
でも……
「……そんな……っ、そんなに簡単に、切り替えられないよ……」
僕は首を激しく横に振り、彼女の言葉を拒絶しようとした。
理屈はわかる。彼女の言うことは、軍の教科書に載っているような正しいことなのかもしれない。けれど、僕の胸に張り付いたあのドロドロとした罪悪感は、そんな綺麗な言葉だけでは洗い流せなかった。
「命令だからなんて、そんな一言で…全部なかったことになんて、できないよ……」
僕の弱々しい吐露を、トリーシャは遮ることなく、ただ慈しむような眼差しで受け止めていた。
「ええ、分かっています。あなたはとても優しい人ですから」
彼女は僕の濡れた頬を、まるで壊れ物を扱うような手つきで包み込んだ。
「すぐに切り替えようなんて思えなくていいんです。一晩で割り切れるほど、心は単純ではありませんから。……だから私が、あなたが完全に切り替えられるその時まで、ずっとそばで何度でも同じことを言い続けます」
「……っ」
「あなたが自分を責めるなら、その責任は総督にあると言い張ります。あなたが自分の手を汚いと思うなら、私はその手を美しいと言って握りしめます。あなたが『殺人鬼だ』と震えるなら、私は『あなたは誇りある軍人だ』と訴え続けます。あなたが自分のことを嫌いだというのなら、私が『あなたが好き』だと、耳元で囁き続けます。……あなたが、自分の正体を信じられるようになるまで、何度でも、何年でも。」
……全てが、情けない。
この数ヶ月、何度身も心も壊れそうになっただろうか。その度に、芯の強い女性たちが僕の前に現れ、泥沼に沈みそうな僕を引きずり出してくれた。こんな、脆くて弱いはずの僕を。
彼女たちのうち、誰か一人でも欠けていたら、僕は間違いなく今ここにはいなかっただろう。……しかも、どうしてか、彼女たちは皆こんな僕に好意を寄せてくれている。
自分を犠牲にしてまで僕を繋ぎ止めようとしてくれる人たちがいるのに、僕はいつだって自分のことばかりだ。
家族のため、大事な人のためなんて綺麗事を並べておきながら、結局は自分が傷つくのが怖くて、自分が一番可愛かったんだ。
けれど、トリーシャの体温が、言葉が、僕にその傲慢さを気づかせてくれた。
彼女たちの献身を無駄にして、無責任に一人で死ぬ。それこそが、何よりも身勝手で、救いようのないクズのすることだと……今、ようやく思えるようになった。
「……本当に、僕のこと、好きなの?」
僕の手を握り続ける彼女に、不意に問いかけた。
「ぅえっ!? ……うぅ、そんな改めて聞かないでください……っ」
さっきまでの凛とした大佐の面影はどこへやら、頬を赤くして悶えている。
「こんなに弱くて、本気で『死のう』とするような男なのに?」
「あぁっ! いきなりその言葉を使わないでくださいよ! 口塞げなかったじゃないですか!」
必死に抗議する彼女の様子に、乾いた笑みがこぼれた。
「……本当に、僕の周りの女の人は、みんな変わり者すぎるよ」
「ちょっと! 他の女性の話を今するのは、あまりにデリカシーがないですよ!」
「そう……かもね」
「そうですよ!」
ふう、と深く息を吐き出す。
まだ胸の奥には鉛のような重みが居座っている。けれど、その重さを抱えたまま歩き出す覚悟だけは、彼女が僕に植え付けてくれた。
「……トリーシャ」
「はい」
「ありがと」
「……どういたしまして!」
頑張ろう。頑張り続けよう。
もし今後、一人になったとしても。僕を生かしてくれた彼女たちのために、僕は歩みを止めてはいけない。彼女たちの想いを無駄にしないために、泥を啜ってでも走り続けるんだ。
……けれど、これだけは、言っておかないと。
「でも……ごめんね。こんなにしてくれたのに、僕もトリーシャが好きだって、今すぐには言えないんだ。僕を救ってくれた女性が、他にも――」
「知っていますよ」
彼女は僕の言葉を遮り、優しく微笑んだ。
「私も、今すぐ答えが欲しいなんて言いません。私はただ、あなたを立ち直らせるために、軍人としての事実、そして私の気持ちを述べただけですから」
……感謝することしか、今の僕にはできなかった。
彼女のために、自分でも認められるほどの立派な「軍人」にならなければならない。それが、僕に課せられた真の任務なのだと悟った。
「……ところで、イネスさん」
「うん」
「ひとつ、お願いがあるのですが」
「何でも言って」
僕がそう答えると、彼女は少し俯き、消え入りそうな声で、けれどはっきりと告げた。
「……しっかりと、キス、してみたいです」
「…………」
「なんで黙るんですか!」
「いや……あの……色々と、考えることが……」
脳裏に、ソフィーやフィオナとのこれまでの出来事が走馬灯のように駆け巡る。最近の自分を思い返すと、あまりにもクズすぎて笑えない。
「……フィオナさんには、キスするくせに」
「っ!?」
……なんで、知ってるんだ?
「しかも、最初にあなたを立ち直らせた女性とも、どうせ色々したんでしょ?」
……どうして、全部知っているんだ?
「なのに、私だけとは、キスできないんですか?」
「いや……だからこそ、と言いますか……」
「じゃあ! 私よりその二人の方が好きなんだ!」
「いや……違くて……」
「じゃあなんで!」
追い詰められた僕は、自嘲気味に問いかけた。
「……そんなクズと、本当にキスしたいの?」
「したい!」
今までで一番子供っぽい態度で、けれど一番大人な要求をしてくる彼女に、僕は気圧される。
「……後悔、しない?」
「しない!」
……そっか。
「今まで、私だけちゃんとしたキスしてない!2人と比べても絶対に私が一番経験ないのに……今も結構、寂しい思いをしてるんですからね!?」
「……そんな思いをさせちゃって、ごめん」
「本当ですよ! 今は他の人のことは考えないで、私だけを考えてキスしてください!」
僕は、震える手で彼女の頬をそっと包み込んだ。
「……トリーシャのことしか、見てないよ」
「っ」
優しく、彼女の唇に僕のを重ねる。
数秒だけの、羽が触れるような軽いキス。
「……今までで一番軽いのに……一番、ドキドキしてます」
彼女の潤んだ瞳が、僕を真っ直ぐに見つめていた。
「……またして欲しいって言ったら、してくれますか?」
「トリーシャがそう思ってくれるなら、僕は絶対に断らないよ」
「そうですか……良かったです」
「うん」
気づけば、僕の手の震えは完全に止まっていた。
地獄の淵から僕を引き戻してくれたのは、彼女の揺るぎない言葉と、この温かな腕だった。
「これからも、よろしくね。」
そして彼女は、今日一番の満面の笑みで僕に答えた。
「はい!」




