第2話 京都府立植物園
だいぶ削りましたが、それでも結構長くなりました。
日記を小説風に書き起こすのって思っていたより大変。
京都府立植物園。
大正13年に開園した、日本最古の公立総合植物園。
京都市営地下鉄北山駅、3番出口からすぐの所に入口がある。
市バスのバス停や駐車場もあるため、交通の便はかなり良い。
併せて府立の施設でもあるため、小学生低学年の遠足にもよく選ばれている。
実際、私も遠足で来たことがある。
もちろん、最後に来たのは小学校低学年の遠足。
当時は何が楽しいのか、まったく分からなかったのだけれど、分別がついた大人になってから来ると違う感想が得られるかもしれないと思い足を運んだ。
……植物園ならお土産用のポストカードが売っているだろうから、京都御苑みたいなことにはならないだろうし。
もちろん、そんな打算もあってのこと。
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入場料500円を払って中に入る。
時間は13時半過ぎ。あと2時間ほどで温室が閉まってしまうらしい。
早すぎないかとも思ったけれど、よく考えたら府の施設なので、土日にやっているだけでも御の字かもしれない。
地図を手に取って園内へ。
まずはオススメされた温室へと向かう。
中に入った私を出迎えたのは、植物に疎くても知っている、しかし実物を見たことはないであろう花だった。
「ラフレシアだ……!」
記憶で見たものよりも花の色は落ちている。
完全に密封されているので、おそらくドライフラワーのように乾燥させて保存しているのだと思う。
小学生の私なら「世界最大の花だー」と大はしゃぎをしただろうが記憶にない。というか、温室に入った記憶がない。
まあ、温室に小学生を100人ほども詰め込むのはトラブルの元だろうし、仕方ないよね。
温室は意外と広かった。
色鮮やかな花が多いジャングル室。
様々な形のサボテンが並ぶ砂漠・サバンナ室。
夜に咲く花を集めた昼夜逆転室~ナイトフラワーガーデン~。
他にも見たことのない数多くの植物が集められていて、気がつけば1時間近く粘ってしまっていた。
植物園は博物館としての側面もある。年間開園日数や学芸員人数など一定の基準を満たして、法的に博物館として認められた植物園も存在している。つまり、何が言いたいかというと……
「時間が足りない……!」
植物一つひとつの説明を読み、気になった花を写真に撮り……としているとあっという間に時間が溶けていた。このままじゃ、温室を見て絵葉書を買って帰る人になっちゃう。
園内MAPを開いて、めぼしそうな場所を探す。
季節は春。とはいうものの梅や桜の季節は終わっている。
「それなら、目指すのはここ!」
到着したのはばら園。
赤、白、黄色、ピンク……色も大きさも多種多様なバラが咲き誇っている。
少しだけ、ほんの少しだけ期待したけれど、青いバラは生えていなかった。
狙い通り満開の季節だったらしく、今日見たどこよりも人が集まっていた。
バラ園の中にはテーブルとイスも置かれていて、小説を読みながらのんびりしている人も見かける。
子供のころは派手過ぎてあまり好きになれなかった花だけど、こうやって改めて見ると咲き誇るバラの美しさに心を奪われてしまっている。大人になって感性が磨かれたのか。それとも子供の私にはバラの美しさを受け止められる心の容量が足りなかったのか。
夢中でスマホのカメラでシャッターを切りながら、そんなことを思うのだった。
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ばら園を後にして植物園会館へ向かう。
花の苗や種の販売所が撤収を始めているのを見て、思わず足を速める。
会館の売店に入店してすぐ、「まもなく閉店しますよ」という声を聞きながら、ポストカードを1枚選びレジへと持っていく。
次はもっと時間に余裕をもって来よう。
ポストカードに住所を書き込みながら、そう心に誓うのだった。
郵便豆知識②
郵便切手を貼る位置は実は決まっています。
縦長の郵便物であれば左上、横長の郵便物なら右上。葉書も封筒も一緒です。
とはいうものの、金額があっていれば、よっぽど変な貼り方をしない限り大丈夫なんですけどね。