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俺の声が聞こえるか?

 しばらく息を整えながら画面を見つめる。ありえない光景なのに、目を閉じて開いても映像は変わらない。

「……グリ、動けるか?」

 試しに言葉をかけてみる。

「ウゴケルカ?」

 画面の中のグリが、首を傾げながら俺の言葉を繰り返した。

「……マジで俺の声が届いてるのか……?」

 状況はまったく飲み込めない。それでも、少なくともグリとは繋がっている。

 俺は深く息を吐き、覚悟を決めた。

「よし……少しずつ、確認してみるか……」

「おい、グリ! ちょっと跳んでみろ!」

「トンデミロ!」

 画面の中でグリが勢いよく羽ばたき、宙に浮いた。

「おお、これは神聖なる意思表示だ!」

「神獣様が怒っておられる……! 早く食事の用意をしろ!」

 異世界の人々はまだ困惑しながらも、グリの「ゴハン」という言葉に反応し、食事の準備を始める。

 俺は思わず画面に向かって叫ぶ。

「いや違うから! 俺が言ったんだよ!」

 だが、当然誰にも届かない。

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