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新生活

イーバンアウト「アレイストに帰るぞ」


手下「でもまだ聖本が」


イーバンアウト「あれはオリジナルである必要はもはやない、また作り直せば良い」

「とりあえずセルンの遺体があるんだ」

「大収穫だろう」


「セルン…」




ーリドルフォの家ー


セルンさんの死から一週間が経った


リエッタもゾミエルもだんだん元気になってきた


だがゾミエルの復讐の炎は消えていない

ゾミエルは毎日朝から剣術の稽古

昼はリドルフォに修行をつけてもらい

夜は素振りや剣術の本を読んでいる


リエッタは家の家事とかを手伝っている

母も助かっているようだ

復讐心はそこまでないにしろ

時折悲しい表情をする


2人とも家に馴染んできている




「父さん、少し聞きたいことが」


リドルフォ「どうした、レラート」


「セルンさんについてなんですが」

「アレイストについて教えてもらえませんか」


セルンさんの死はアレイストの聖本が要因である

調べられることは今のうちに調べておかないと


「父さんのことです、あらかた調べて終えているんでしょう」


リドルフォ「さすがレラートだ、お前には敵わない」

「いいだろ教えてやろう」

「ただしゾミエルやリエッタには今日教えたことは言うな」

「あいつらなら今すぐ行くとか言いかねん」


「了解しました」


リドルフォ「まずアレイスト国について話そう。人口は約3000万くらいだ。人口のほとんどがアレイスト教という、宗教の信者だ」

「アレイスト国は日々戦争が横行しておりかなりの軍事力を誇る。その中でも魔術師部隊は異様だ」

「アレイスト国の魔術師は聖魔術という高密度な魔法を使う。その魔法はアレイスト教による教えのものだ」


宗教国家アレイスト

軍事力も最強

つけ入る隙は少なそうだな


リドルフォ「次にアレイスト教についてだ。アレイスト教徒は聖魔術を使う」

「中でも聖魔女と位置付けされるものはアレイスト教徒の鏡のような存在でかなりの聖魔法の使い手だ」


セルンもその聖魔女の1人だった

彼女を見るからにかなりのアレイスト教徒だ

 

リドルフォ「アレイスト教の絶対的な存在として聖本がある。聖本には数々の掟が記されておりアレイスト国の法律そのものだ」

「でアレイスト教の神として聖獣シフカが製本に記されている」


リドルフォ「ここまでがアレイスト教の全貌だ、セルンはなんらかの理由でその聖本を持ち出したのだろう」


「その要因はわからないのか?」


リドルフォ「いや、おそらくだがアストロ大戦の影響だろう」

「アストロ大戦かアレイスト国は攻められ大きな被害を出した、その時アレイスト内部でなんらかの陰謀が働いたのだろう」


「アストロ大戦、俺も聞いたことがある5年前に起きた大戦争で世界人口の2割が亡くなったという」 

「その中心となったのが国家アストロ、現在は内乱により滅んでいる」


おそらくそのアストロ大戦の間にアレイストの上層部が一掃され

それに対抗するには聖本の教えがどうこうできなくなったんだろう

だがセルンはそれに反抗した

その結果、聖本を持ち逃げしたというところだろうか


リエッタとゾミエルは5歳

おそらくアストロ大戦の戦争孤児だ

アレイストから逃げる最中、拾ったのだろう


リドルフォ「俺が調べたのはこの辺だ」


「父さん、アストロ大戦について少し教えて欲しいんだが」


リドルフォ「っ!!」

「アストロ大戦か俺はあまりよく知らないな」




ゾミエル「レラート、俺と剣術で勝負してくれ」


リドルフォ「レラート、行ってこいお互いを高め合うことが重要だ」


父さんは何か隠している





ー2年後ー


ギーーン

グィー、キーーン、キーン


「うっ」


頭痛だ

くそ、久しぶりすぎて忘れてた

この感覚

やはりこの世界もそうだよな


謎の声「あと10年」


恐ろしく低くガラガラの声がそう言う

そしてグラグラとめまいを起こす目の前に

異様に尖って読みにくい字でカウントダウンが表示され、少しの間で消える


リエッタ「大丈夫?」


荒げた声でリエッタが聞く


「ああ大丈夫だ、少し頭痛がしただけだ」



あと10年か思ったより少ないな


父さんの剣術の修行を受けながらそう考える

もう父との戦いも限界だ

いつまで経っても父は本気を出さない

魔術も回復魔術を全部教わってからは母から教わることもほとんどなく今では本で学んだり自分で魔術を作ったりだ


リエッタとゾミエルもほとんど同じだろう


「父さん、僕学校に行きたいです」

「もう父や母から学ぶことは少ないと思います」

「学校に行って力をつけたいです」


リドルフォ「それもそうだな」

「ゾミエルとリエッタもそう感じているだろう」




その夜、家族会議が開かれた

議題はもちろん俺たちの学校入学についてだ


リドルフォ「俺は入学には賛成だがリラ、お前はどうだ?」


リラ「私も賛成よ、レラートもゾミエルもリエッタもこんな狭い村に収まる器じゃないしね」


リドルフォ「レラートは入るそうだがリエッタ、ゾミエルはどうだ」


ゾミエル「そこに行けば剣が強くなるですか?」


リドルフォ「ああ、俺なんかよりも強い剣士がいっぱいいる」

「それに剣士の仲間もたくさんいる」


ゾミエル「リドルフォさんよりも強い剣士が!!」

「入ります、俺はもっと剣が強くなりたいです!!」


リドルフォ「リエッタ、お前はどうだ」


リエッタ「私は魔術をもっと鍛えたい」

「そしてセルンさんのように、その強さで沢山の人を救いたい」


リドルフォ「3人とも学校に行くってことでいいんだな」


レラート、リエッタ、ゾミエル「はいっ!!」


リラ「3人とも学校かー、寮生活になるんでしょ。一気に寂しくなっちゃうね」


リエッタ「私も寂じいー」


リエッタが泣きながら言う


リドルフォ「そんなに遠い場所でもない」

「会おうと思えば2日、3日もあれば家につける」

「それに国内だから手紙も届く」


リエッタ「そうなんだ、なら安心」


リエッタは安堵の表情を浮かべる


「それで僕たちが行くのはどんな学校なんですか」


リドルフォ「世界有数の学校、ネリフィスト学院だ、生徒数は10万人を超える」

「剣術、魔術、科学、数学、歴史学などさまざまな分野が学べる」

「一部から二十部生、それと学院生に分類されている」


リドルフォ「お前たちは俺が推薦しておくから十部生からのスタートになるだろう」


「推薦?父さんはネリフィスト学院と何か繋がりがあるんですか?」


リドルフォ「そりゃあね、5年前からお前が生まれるまで俺はそこで剣の講師をしてたんだよ」

「あの学院へのコネはまあまああるよ」


悪い笑みを浮かべている

裏口入学を疑いたくなる


まあ父に限ってそれはないだろう


リドルフォ「まあお前ら3人とも成長できるだろうな」

「出発は明日の明朝だ」

「今日はご馳走にしよう」


その夜、母さんが作ったご馳走を食べ夜までどんちゃん騒ぎをした




ー翌朝ー


リドルフォ「やべッ忘れてた」

「これが推薦状だ絶対落とすんじゃねーぞ」


推薦状忘れるところだったのか

大丈夫なのか


リドルフォ「あっちの生活は刺激的なものだろう」

「たまには手紙も書いてくれよ」


「わかりました父さん」


「それじゃあ行ってきます」


俺は家を出て馬車に乗って学校に向かった


リエッタは最後まで泣いていた

ゾミエルは静かに別れを告げていた



新たな生活が幕を開けたのであった

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